パスワードを忘れた? アカウント作成
546137 journal

SS1の日記: ドジッ子とインターロックにまつわる考察 1

日記 by SS1


はやぶさのタッチダウン失敗

産業ロボットとか制御するときに必ず入ってくるんだけども,ドアが開いていたらエレベータが動かないとか,そういう,破壊的/致命的動作を防止するための動作制限のメカニズムをインターロックという。

はやぶさのミネルバ投下や,タッチダウン・ミッションでは,そういうインターロックが誤った方向で作用したパターン集になってる。ミネルバ投下の失敗はスラスタ稼動(上昇)で,投下中止のインターロックが無かったため。はやぶさ不時着は,誤ったインターロックが,ゴーアラウンドに優先してしまったため。最後の弾丸の投射失敗は,誤ったインターロックがコマンドに混入したパターン。

たぶん,すべてが予測できない状況で,インターロックでは,まかないきれない部分が大きかったのだろう。さもなければ,はやぶさ自身に優先順位を判断させるしかないのだが,そこまでするのは,さすがに難しかったというか。あと,航空機だと,V1,V2みたいな,速度ごとのアボートシーケンスがあるけど,そういった,状況依存のインターロック条件というか。

そもそも,インターロックで求められるのは完全性だったのかロバスト性だったのかで,かけるべきインターロックも変わる。それがFAなら完全性が求められるので,センサーが一つでも不良を検出したら停止する。それが車なら,動かなくなることが致命的な場合もある,一つくらいセンサーが故障してもデフォルトモードで動作する。問題は,その時々の状況で,優先度の順位が刻々と変化することだが,はやぶさは,そこまで詰めきれなかったとも思える。

ドジッ子にみるインターロック崩壊の事例

ここで,正しくインターロックが行われなかった場合。どのようなインシデントがおこり,それが破壊的なトラブルへとつながるか。ドジッ子を例に考えてみたいと思う。このインシデントは,3重にかけた目覚まし時計が機能しないという,確率論的にはありえない事象から始まる。とはいえ,事故とは往々にしてそういうものではある。

〈インシデント1.〉 トーストをくわえて通学路を走る

インターロックの欠如。逸脱。
食事は食卓で行うというインターロックがドジッ子においては機能していなかったと考えられる。また,しばしば緊急事態を理由にインターロックが解除されてしまうことも考慮にいれたい。

〈インシデント2.〉 出会い頭の衝突

機能しなかったインターロック。
安全速度を逸脱しているのに加えて,視覚センサーの機能不全や,交差点の通過シーケンスに見落としがあったと考えられる。また,最初のインシデントである「トーストをくわえて・・・」が,首をふっての安全確認などの適切なシーケンスを阻害する要因となったことも,見逃してはならない。

〈インシデント3.〉 落としたトーストを見失う

インターロック条件の喪失。
本来,くわえたトーストの切り離しは,衛生上安全な食卓で着席し,手を添えた状態で行われるものである。こうした基本条件から逸脱した状況で求められるインターロック要件が考慮の範囲外であったために,トーストを見失うこととなった。

〈インシデント4.〉 しゃがみこんだまま動けなくなる

順位付けの不正。インターロックの競合。
はしたない姿勢を正すことと,その場から逃走することの優先順位に競合が発生したと考えられる。

〈インシデント5.〉 生徒手帳を拾い忘れる

インターロックの崩壊。
あまりにも例外的な事象の連続に,インターロックそのものが放棄されたと考えられる。

〈中略〉 ・・・・・中略である

ランデブーとかしてたらしい。

〈トラブル〉 舞い上がって,くるくるスピンする。

これまでのインシデントの累積が,最終的に,この結果を導いたことは明らかである。

〈結論〉 くるくるスピンするのは,ドジッ子だから。

ここまでの考察から,ドジとは,インターロックの不適切な行動を指し,それによる累積的インシデントが,最終的に「舞い上がって,くるくるスピンする。」という破壊的状況へ,ドジッ子を導いてしまう。ということがわかった。

これを「はやぶさ」の事例に適用することで「はやぶさはドジッ子だった」という推論を導き出せる。ロボットとしてみるなら,躾ができてないということ。甘やかして育てるから,こういう結果に陥るともいえよう。

〈・・・〉

参考文献:
『回転ドアの原罪』畑村洋太郎,文芸春秋2004年11月号
『プーねこ』北道正幸,月刊アフタヌーン2006年1月号
『戯曲の読み方』デヴィッド・ボール,ブロンズ新社

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
typodupeerror

192.168.0.1は、私が使っている IPアドレスですので勝手に使わないでください --- ある通りすがり

読み込み中...