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SS1の日記: ジープおじさん

日記 by SS1

ジープおじさんは、ジープで毎日通勤する。ミツビシとかじゃない、本物のジープだった。

ジープおじさんの髪は腰まであり、ヘッドレストのない、シートにひろがっている。

ジープおじさんは毎朝ジープで通勤する。ラッシュアワーでも、ジープはいつもフルオープン。

ジープおじさんは、幌なんてかけない。通り雨にあえば、ジープの中で傘をさす。

ジープおじさんは、ジープで毎朝通勤する。エアコンなんてない、本物のジープで。

ジープおじさんは、いつもフロントウィンドウを倒し。腰まである、ジープおじさんの髪はそよ風に揺れる。

ジープおじさんは、毎日ジープで通勤する。尾久橋を渡り、田端大橋を越え、動坂を登り、白山を降って、毎朝どこかへと通う。

ジープおじさんは、真夏でもジープで通勤する。オーバーヒートしたら、駅のロータリーでひと休み。ミツビシとかじゃない、本物のジープで。

ジープおじさんは、毎朝どこかへと通ってる。白山通りを上り、外堀通りを回って、新宿へと下り、そこからどこかへと向かう。

ジープおじさんは、毎日どこかへと向かう。雨の日も、風の日も、炎天下でも、真冬でも。

ジープおじさんは、フルオープンで走る。幌をはずし、窓を倒し、ヘッドレストなんてない、本物のジープで。

真冬のジープおじさんは、ダウンジャケットとマフラーで着ぶくれる。

ジープおじさんは、いつもトコトコと走る。ラッシュアワーではエンストすることもあるけど、空いていても時速50キロでトコトコと走る。安全運転のようだが、それ以上出せないかもしれない。だって本物のジープだから。

ジープおじさんは、毎朝どこかへと通う。ジープおじさんの行き先はしらない。
一度だけ、甲州街道を下ってるのをみたけど、環八を曲がってどこかへと消えた。

ジープおじさんの帰りの道は知らない。帰りはたぶん環八とかで、京王線を潜り、青梅街道を渡って、中央線を越えたら、関越を横目に我が家へと向かう。

ジープおじさんは、毎日どこかへと向かう。晴れの日は休日もジープで出かける。夏はオーバーヒートのない北を目指して、東北道をトコトコと。いつもは時速50キロだけど、ほんのちょっとだけスピードを出す。

そんなジープおじさんだったけど、今はもう見ない。あのジープおじさんは、どこへいったのだろうか。ジープおじさんは、どこへ通ってたのだろうか。ジープおじさんは、どこからきたのだろうか。

なんにも知らないけれど、よく知ってるジープおじさんの話。

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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds

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