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SS1の日記: 古武術とオートバイ運転技術(2) 8

日記 by SS1

さっそく,問題の『武術の視点』甲野善紀著を読んでみた。

格闘技系の書籍って,こう独特のテイストがあるんだが。 全体の構成は,前半がエッセイのようなもの,後半が技の解説で,ところどころにファンの寄稿がはさまる。 という,いかにもアタマの痛くなりそうな構成だ。

エディトリアルはともかく,文書そのものは,それほどでもなかったので安心した。 全体に平易で読みやすいが,そのへんの日記ページを呼んでるような,気分になる。 なんかオタッキーだし。 手裏剣(!)につかう鋼材の名称を1ページにわたって書き連ねるところなど,まさにアレゲ。 古文書あさりしてるところも,けっこう面白い。

それから,『もののけ姫』にショックを受け,カルメン・マキにはまったりとか,それは ちょっと ついていけないかも。 それはそれとして。

そのなかで,いくつかオートバイの運転に利用できそうなものをピックアップしておく。 まだ,良く理解できていないので,解説は無し。

1.支点を作らない。
2.踏み込むのではなく,浮く。
3.捻らない,ためない。

他には「闇構え」の深く構えるカタチもライディングに応用できるかもしれない。

ひとまず,リーン時の身体のオフセットをいままでより大きくして,ブレーキリリースで,ふっと力を抜くようにした。 これが上手くいくと,ふわっと浮く感じになる。考えてみれば,バンクするときってのはバンク分だけ自由落下してるわけだから「浮く感じ」が,正解なのだ。 これまで,バイクに振り回される感覚が大きかったのだが,それはオフセットを大きくすることで解消した。つまり,バンクしたときの感覚を「横に倒れる」から,「真下に落ちる」へ変えることができた。 これでイン足でバンクを止めるのも自然に行える。 横に倒れるのに内足で身体を支えようとするのは,かなり不自然だが,下に落ちる感覚ならそれが無い。

問題の本では,こうした身体感覚の発見を「気づき」と呼んで,とても大切にしているのが特徴。 発見とか開眼などの言葉を当てないのは,あくまで主観的な身体感覚を重視しているからではないかと思えた。 面白いのは,こうして新しい「気づき」を見つけたら,試行錯誤して形を作り,実際に試してみて技の掛かりなどを比較しているところだ。 そのなかで上手くいかなかったものは捨ててしまう。

とりあえず,リーンの感覚が出来たので,当分はこれを磨いていくことになる。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2002年12月16日 22時08分 (#219197)
    私はバイクは判らないのですが、武術にはちょっと興味あるので。
    流派などによって体さばきの基本はずいぶん異なるようです。
    中国拳法の八卦掌では、腕をつかまれたら脱力してしまうことで
    自分と相手の体重を使って大きくぶん回すそうです。
    これの考え方が近いんですかね。
    柔道はご存知でしょうが腰を基点とした崩しから入ります。
    擒拿(サブミッション)では逆関節で投げます。
    合気道は気で投げるとは言われますがステップワークでの投げです。
    プロレスならばバランスと力ずく?
    武術でも種類、流派によってずいぶん異なるようです。
    • そうですね。バイクのライテクも流派が色々あるんですが,それは置いといて。

      甲野氏の武術のベースは,抜刀術とナンバ歩き。で,身体を捻ると,とうぜん抜きつけられなくなる。それから間合いを詰めるときに,普通に歩いたのでは支点が生まれて,そこから攻められてしまう。それを消してしまおう,というのが本来の目的のようです。

      八卦掌については,というか格闘技全般について,詳しくないのですが,甲野氏の場合は,「からだを割る」といって,掴まれた腕と体で別の動きをすることで,相手の予想をはずして攻略する,というような話しを書いています。このとき重力も有効利用してます。だから八卦掌とも共通点があるのだと思いますが,彼は古武術復興運動とでも言うようなぐあいに自分の武術を体系化しようとしてるので,全体としては八卦掌と別物になってるってところでしょうか。
      --
      斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
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      • Re:種類、流派 (スコア:1, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2002年12月17日 15時51分 (#219633)
        元ACです。
        ちょっと興味を引かれたのでいろ [asahi.com] いろ [asahi.com]調べてみました。
        カルメン・マキ、名越康文と共著 [kyoto-inet.or.jp]には笑いました。

        # コラ、仕事しろ、俺。

        で、「ねじらない、ためない、うねらない動き」ですか。
        これはなるほど剣術の体さばきですねぇ。
        素手で殴り合う拳法、空手の類では「いかに破壊力のある突き蹴りを出せるようにするか」が秘伝なのです。
        当っても威力が無ければそれまでなので、トリッキーな技などは役に立たないのです。
        そこで、例えば八卦掌であれば相手を軸に自分を回転させてそのモーメントを破壊力にするのです。
        他に、太極拳であれば腕足の力は使わず腰の動きを腕足に直接伝えるのです。
        この辺が「発勁」というヤツですね。流派、師系によって方法はいろいろです。
        これはマユツバものではなく、空手でも似たようなものがあります。
        また、投げ技では相手のバランスを崩す体さばき(特に足運び)が秘伝なのです。
        合気道家、柔術家がハカマを履くのは足運びを見せないためなのです。
        これらに対して、剣術は刃が当れば切れるので、「嵌め手、剣筋」が秘伝なのです。
        この剣筋を極限まで洗練させたもの、っていうところでしょうか。

        で、バイク向けには合気道系のものも合っていそうな気がします。
        合気道では自分の体の軸を重力方向に傾けることなく相手をコントロールするんです。
        バイクを相手に見立てればかなり似てますね。
        バンクしているときには重力に対して傾いている感じはないでしょう?
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        • Re:種類、流派 (スコア:2, 参考になる)

          by SS1 (6823) on 2002年12月17日 22時08分 (#219890) ホームページ 日記
          どもです。日記のカルーセル・マキ直しました。

          つまるところ,甲野氏のは剣術そのものなのかな。

          その「剣筋を極限まで洗練させたもの」って,そのまま抜刀術を指せるでしょう? ただ,甲野氏のが面白いところは,現代的な武道より未分化な「古武術」ってのを持ってきて,その歩法であるとか,身体の使い方をスポーツに応用する余地を残しているところ。彼は「型」を教えようとしないので,それが可能というか。

          んで,合気道系のライテクですが,たぶんそのまま成立すると思います。ただし,私のとは別流派ですが(w。

          以前のコメントで書いたようにライテクには,いくつかの流派があります。んで,ビックバイクでは主に,逆操舵派とリア・ステア派があって,このうちの逆操舵派が合気道的なのだな。

          逆操舵派と呼ばれるライテクでは,背筋を通すこと,ヒジを丸く開くハンドルの持ち方が強調されていて,それを常に崩さないのが正しい乗り方とされています。逆操舵では,ハンドル(手先)でバイク(相手)をコントロールするイメージがとても強いのが特徴で,そのために必要な姿勢を保つことを強調しているわけです。この手先で投げ飛ばす感じが,じつに合気道的だと思うわけです。

          んでまあ,私の属するのがリアステア派で,ハンドル操作を行わず荷重移動と,そのタイミングをコントロールすることでバイクを思った方向に操作しようとする技法なわけです。こちらは,ともかくハンドル操作は厳禁で,背中を丸めてシートの後ろに座り,そのためバイクをコントロールしてる感覚があまり無いのが特徴です。だから,「バイクを相手に見立て」たりしないのだな。こちらの場合は。

          じつは,ライダーのバランス感覚が優れていれば,逆操舵でもリアステアでも結果としてのコーナーリングはどちらも変わらないのですが。私の乗っているバイクのようにリーンスピード,つまりバイクが倒れこむ速さが重力加速度なみに早くなると,ハンドル操作は,たいてい追いつかなくなります。そこで,ハンドル操作を諦めるところが発想の転換のしどころなわけです。

          んで,リアステア派の開祖… の根本健氏は,「型」じゃなくて,原理とか術理とか呼ぶようなものと,それに必要な感覚を身に付けることを教えようとするところが甲野氏と共通してるなと。あと実践が非常にむづかしいところとか。

          ついでに根本氏は「鉄ちゃん」だったそうで,やはり,オタク的な琴線にふれるところが,どこか共通するのかなぁと。
          --
          斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
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          • Re:種類、流派 (スコア:1, 参考になる)

            by Anonymous Coward on 2002年12月21日 2時12分 (#222221)
            さらに元ACです。
            ここしばらく本業とストーリーへの深い考察、ツッコミで時間が取れず、気になりながらも放置していました。 もともとあまりにオフトピだったのでACで書いていたのですが、 こう面白い議論になるのであればIDで書いていてもよかったかな、と。

            さて、逆操舵派で背筋を通し、ヒジを丸く開くことはまさしく合気道に通じるところがあります。 ただし、手先だけでは相手をコントロールできません。 上の特徴のほかに、おそらく、肩も丸く開く、肩を落とす、背筋は通すが胸は張らないことがあるはずです。 なぜならば、腕を丸く開いただけで腕の力が増すわけではないからです。 上の姿勢は日本の武術で言うところの「自然体」、中国の武術で言うところの「含胸抜背」の姿勢です。 この姿勢のときがもっとも腕を保持しやすい体勢なのです。

            で、腕がその位置を保持するだけであるならば何の力で押さえ込んでいるかと言うと、腰と背中、主に腰の力です。 腰は腕と比較して桁外れに大きい力を出せます。 この腰の力を使ってコントロールしているはずです。 腕は位置を保持するだけで腰の力を伝達する役目です。

            さらにこのとき、甲野氏の「タメをつくらない」方法とは異なって、 引いてタメたりすることなく一瞬でタメをつくる方法があります。 殴り合いで言えば、打つ瞬間に足首を内側へ捻り込むことで腰をあらかじめテイクバックしておいたのと同じ状態を作ることができます。 この流儀では主に二種類あって、順突き、たとえば右足が前のときに右手で打つとき、 右足を反時計回りに内側へ捻る方法と、左足を時計回りに内側へ捻る方法があります。 試しに半身の姿勢で立ってやってみてください。 ボクシングなどのように体を大きく動かす必要なく腰が回るのがわかるはずです。 おそらく逆操舵派でも動作の基点は足首のはずです。 また、この方式も実践は非常にむずかしいです。

            さて、SS1さんは流儀が異なるとのことであまりご参考にはならないかもしれませんが、もし逆操舵派の方がいたら 陳孺性、太極拳の科学、愛隆堂 (1984) [amazon.co.jp] という本の一読をおすすめします。 なお、太極拳というと健身のイメージが強いですが、この本では冒頭にある言葉
            拳法を定義するならば「相手の拳を一発も受けず、巧妙に自らが一方的に打ち殺す術」と答えることが出来るであろう。
            からも見て取れるように本来の殺人術の姿が判ってなかなか面白いです。 続編もあるのですがただいま絶版のようです。 まあ上の術理はこの本からの受け売りだったりします。

            では事故などにはお気をつけのほどを。
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            • Re:種類、流派 (スコア:2, 参考になる)

              by SS1 (6823) on 2002年12月21日 17時13分 (#222543) ホームページ 日記
              もともとが,「古武術とオートバイ…」というヨタ話なので,オフトピということは無いです。とても参考になりました。

              さて「おそらく逆操舵派でも動作の基点は足首のはずです。」という考察は,とてもするどいご指摘だと思います。
              その逆操舵派の開祖(…)といえば,和歌山利宏氏なのですが。彼の著作『ライディングの科学』などによると,彼のライテクは,まさに“タメ”とステップワークにフォーカスしています。この人のやりかたは,こんな感じ:

              1.進入時,プレーキング中に腰だけイン側に持っていき,このときの上体の捻れで“タメ”を作っておく。
              2.リーン時,外足ステップを蹴りだすように,イン側前方にとびこみ“タメ”を一気に解放する。
              3.遅れてやってきたバイクと合流してバンクが完成する。

              和歌山氏は,これを**タイミング良く**行うことで,強い旋廻力を引き出そうというわけですが。この「タイミング良く」という言葉でわかるとおり,タイミングをはずしたらどうなることか…… んでまあ,その危険さに実践がとても困難なテクニックであります。

              そうかぁ,和歌山理論は合気道だったのかぁ(…いやいやいや)。

              私はタメって言葉から,スポーツでいうカラダの“バネ”が要求されるんじゃないかと想像するのですが,このバネは素質に負うところが大きそうに思えるし。この辺りが人を選ぶのでしょうね。
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              斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
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              • by Anonymous Coward
                しつこく元ACです。もうコメント終了かと思っていたのですが。
                # しかし Journal Disccussion に+モデすることもなかろうに。
                # 最近盛り上がっていないストーリーを盛り上げるために使ってほしいなぁ。

                >そうかぁ,和歌山理論は合気道だったのかぁ(…いやいやいや)。

                合気道家が聞いたら怒るでしょうね。なぜなら、合気道では自分の体の軸を傾けないことが基本なのです。「腰だけイン側に持っていき」のように意識的に傾けることで自己体重と相
              • おっしゃるとおり。合気道家も怒るでしょう。それに和歌山氏にも失礼だったかも。ちょっと,調子に乗りすぎました。すみません。

                このあたり,ライテクの比喩として武術を引用する限界ですね。やりすぎは,語呂合わせのダジャレとかわらなくなってしまう。むずかしいです。

                さてと。その,和歌山氏のライテクについて,もうすこし。

                前の私のコメントの,バンク前に「腰だけイン側に持っていく」という予備動作は,いわゆるハングオフの前準備としてスポーツバイクでは普通におこなわれていることです。が,これが武術として出てくるかといえば…… 柔道の投げなら近いことが行われているかも…… とも思ったのですが。まあ,これ以上の比喩は止めときます。

                たぶん,ライテクの場合。武術ほどは,身体の軸にセンシティブではないのだなと思います。バイクの場合,オートバイの持つ軸(ロール軸,ステアリング軸など)が挙動の中心になりますし,そのバイクは200Kg近くあるので,身体の軸までは(私の場合は)意識がまわりません。

                また,コーナリング中は,視線が傾かないように,遠心力と重力を区別して頭を立てるようにします。このため,バイクでは身体の軸を*何に対して*傾けないようにするか,ということは,地面に立っているわけではないだけに,とても悩ましい問題になります。

                ちょっと弁解めいてしまいますが,「腰をインに入れる」といっても,これは「バイクに対して身体をインに入れる」ということなので,身体の軸が傾くことにはならないと思います。というか,予備動作として行っておかないと,バンクするバイクに身体の軸をすくわれて,ライダーがバイクに投げ飛ばされる形になってしまうはず。

                どのようなスポーツでも身体の軸は重要ですから,バイクだけ身体の軸が傾いてる,なんてことはないと思います。たぶん,私の理解が間違っているのでしょう。

                まあ,ただ。私自身は,そこまで意識したことが無いので。
                というか私のライディングでは軸が傾いてるのかも。

                ともあれ,このあたりは,これからの課題だと思います。
                次回では,そのあたりを考えてみようとおもいます。
                ありがとうございました。

                追伸:
                えっと。タメとバネはパスです。
                だって,そういう感覚もったことないんだもん。

                日記モデのこと:
                Journal Disccussion にモデレートは,いかがなものか。と,私も思います。
                だいたい,この日記読む人より,M2する人のほうが多いし。
                M2する人も,モデ貰ったほうも面食らうし…… いいことないっす。
                まあ,でも。M1権限が余っただけなんでしょう。きっと。

                じゃ,また。よろしく。ええと,今度はIDで。どこかで。
                --
                斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア

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