SlippingStaffの日記: 本の整理中に
若き日をなつかしみながら本の整理。
ちょっと思い立って、著者の存命状況について整理してみた。
あと、今まで使ってきたプログラムの作者とか。
明らかに故人である人(アインシュタインとかダンセイニとか宮沢賢治とか井上ひさしとかね)は除外。
それでも「そんな最近まで生きてたの!?」「今もまだ生きてるの!?」(←とても失礼)という人がかなり。
絵本・児童文学に手をつけた途端に収集が着かなくなり、途中で諦めた。
以下、敬称略。
■ 故人
<数学・物理学・天文学・SF>
ジョン・アーチボルト・ホイーラー (1911-2008) 「Gravitation」
相対論的天体物理学で数々の功績。アインシュタインの共同研究者。マンハッタン計画,ホイーラー・ドウィット方程式。
マーティン・ガードナー (1914-2010) 奇妙な論理シリーズ
数学者,著述家,科学的懐疑論者。CSICOP。
フレッド・ホイル (1915-2001) 「10月1日では遅すぎる」
ノーベル賞級のすげぇ天文学者にして反骨の学者。SF 作家。
林忠四郎 (1920-2010)
著作は所有していないが、天文月報で追悼特集があったのを覚えている。
石田五郎 (1924-1992) 「星の歳時記」,「天文台日記」,「岡山の天文気象」
文章が若々しく野尻抱影をリスペクトしていたことから、そんなに昔の人ではないと思っていた。
小尾信彌 (1925-2014) 「宇宙を探る」,「宇宙・いまわからないこと」
林忠四郎先生のライバル。
森毅 (1928-2010) 「ベクトル解析」,「現代の古典解析」,他多数
森センセ。ずっと死なないんじゃないか、くらいに思っていた。
バリントン・J・ベイリー (1937-2008) 「時間衝突」
<計算機科学,ソフトウェア工学,コンピュータ業界>
ダグラス・エンゲルバート (1925-2013) マウス(ポインティングデバイス),ハイパーテキスト,GUI,ARPANET
ジェフ・ラスキン (1943-2005)
Macintosh 開発の立役者,GUI の研究者,Apple フェロー。
<児童文学・文学・芸術>
レオ・レオーニ (1910-1999) 「あおくんときいろちゃん」
ボリス・ポール・ヴィアン (1920-1959) 「うたかたの日々」,「心臓抜き」
前衛的な作風からか、現代の作家だと思っていた。
いぬいとみこ (1924-2002) 「ながいながいペンギンの話」,「北極のムーシカミーシカ」
萱野茂 (1926-2006) 「萱野茂のアイヌ神話集成」,「二風谷に生きて」
松谷みよ子 (1926-2015) モモちゃんシリーズ,オバケちゃんシリーズ,「きつねのよめいり」,「いないいないばあ」,「ふたりのイーダ」,「龍の子太郎」,「コッペパンはきつねいろ」
長新太 (1927-2005) 「おしゃべりなたまごやき」(絵),なんじゃもんじゃ博士シリーズ
古田足日 (1927-2014) 「くいしんぼうのロボット」,「おしいれのぼうけん」,「へび山のあいこ」
光瀬龍 (1928-1999) 「百億の昼と千億の夜」,「オーロラの消えぬ間に」,「たそがれに還る」
実は、まあ、故人ということは知ってた。
寺村輝夫 (1928-2006) 王さまシリーズ
ガブリエル・ガルシア=マルケス (1928-2014) 「エレンディラ」
灰谷健次郎 (1934-2006) 多数
タニス・リー (1947-2015) 平たい地球シリーズ,「冬物語」,「死霊の都」,「タマスターラー」,「血のごとく赤く」
もっと翻訳出てほしい…
首藤剛志 (1949-2010) 戦国魔神ゴーショーグンシリーズ(小説版)
栗本薫 (中島梓) (1953-2009) トワイライト・サーガシリーズ,「文学の輪郭」,「わが心のフラッシュマン」,「コミュニケーション不全症候群」
トワイライト・サーガ以外は中島梓名義の仕事の方が好き。
<その他>
ゲロルフ・シュタイナー (1908-2009) 「鼻行類」
リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー (1920-2015) 「荒れ野の40年」
鶴見俊輔 (1922-2015) 「戦後日本の思想」(共著),「思想の落とし穴」,他多数
この人もずっと死なないような気がしていた。戦後を代表する哲学者,評論家,政治運動家。
■ 存命中の方々
<数学・物理学・天文学・SF>
赤攝也 (1926-) 「集合論入門」,「確率論入門」
まさかご存命とは。
中西襄 (1932-) 「場と時空」,「場の量子論」
超弦理論(20世紀末ごろまでの)に対し、一貫して否定的。
チャールズ・W・ミスナー (1932-) 「Gravitation」
大槻義彦 (1936-) 教養部レベルの教科書を2冊
さとふみ先生よりも年上だったんだ…(信じられない。)
佐藤文隆 (1938-) 啓蒙書をいくつか
富松・佐藤解。林忠四郎門下。
キップ・ステファン・ソーン (1940-) 「Gravitation」
ノーベル賞受賞おめでとうございます。学生の頃、神戸の記念講演でお会いしました。
佐藤勝彦 (1945-) 啓蒙書をいくつか,「時間順序保護仮説」(訳)
インフレーション宇宙論。東大の先生として有名だったけど、実は林忠四郎門下(さとふみ先生の弟弟子)。
バーナード・F・シュッツ (1946-) 「相対論入門」(丸善の。新版・旧版・原書とも)
重力波検出をリードしてきた人。LIGO・LISA にも参画。
ルーディ・ラッカー (1946-) 「ホワイトライト」
SF作家,数学者,情報科学者,ヘーゲルの子孫。クルト・ゲーデル(直接面会)やスティーブン・ウルフラムの影響を受けたとか。
野口廣 (1948-) 「トポロジー 基礎と方法」
福江純 (1956-) 啓蒙書をいくつか
スティーブン・ウルフラム (1959-) Mathematica
本職は理論物理学者。
<児童文学・文学・芸術>
ルース・スタイルズ・ガネット (1923-) エルマーのぼうけんシリーズ
加古里子 (1926-) だるまちゃんシリーズ,「よわいかみつよいかたち」,「なんだかぼくにはわかったぞ」,「あるくやまうごくやま」,「はははのはなし」,「地球」
絵本作家,児童文学者,工学博士。
山中恒 (1931-) あばれはっちゃくシリーズ,「おとうさん×先生=タヌキ」
谷川俊太郎 (1931-) 多数
藤川桂介 (1934-) 「宇宙皇子」,「ウィンダリア―童話めいた戦史」,「天翔船に乗って ―僕の古代ロマン―」
大江健三郎 (1935-) 「沖縄ノート」,「ヒロシマ・ノート」,「憲法九条、あしたを変える ―小田実の志を受けついで―」(共著),他多数
リュディガー・シュトイー (1938-) 「きゅうすいとうのくじら」
野田知佑 (1938-) 「日本の川を旅する」,他多数
田島征彦 (1940-) そうべえシリーズ,「祇園祭」,「てんにのぼったなまず」,「くちたんばのんのんき(口丹波呑呑記)」
絵本作家,版画家。
田島征三 (1940-) 「ふるやのもり」,「だいふくもち」,「おじぞうさん」
絵本作家,美術家。
荒俣宏 (1947-) 「別世界通信」,「大東亞科學綺譚」,帝都物語シリーズ
別世界通信は私のバイブルの1つ。
岡留安則 (1947-) 「噂の真相」(編集長)
パトリシア・A・マキリップ (1948-) 「妖女サイベルの呼び声」,「影のオンブリア」
キアラン・カーソン (1948-) 「アイルランド音楽への招待」
安田均 (1950-) 「アイテム・コレクション」,「ソード・ワールドRPG」
マイケル・スコット・ローハン (1951-) ウィンターワールドシリーズ
高千穂遙 (1951-) 「美獣―神々の戦士―」
美獣だけ好き。
黒田幸弘 (1955-) 「D&Dがよくわかる本」,「クロちゃんのRPG見聞録」,「クロちゃんのRPG千夜一夜」
山本弘 (1956-) 「時の果てのフェブラリー─赤方偏移世界─」,「ソード・ワールドRPG」リプレイシリーズ,サイバーナイトシリーズ,ゴーストハンターシリーズ,と学会関連書籍 (共著)
フェブラリーとサイバーナイト以外の SF も読んでみたい。
火浦功 (1956-) 未来放浪ガルディーンシリーズ,「遊んでて悪いか!!」,「お前が悪い!」,「ハードボイルドでいこう」,「死に急ぐ奴らの街」,「ニワトリはいつもハダシ」,「たたかう天気予報」,「丸太の鷹」,「俺に撃たせろ!」
清松みゆき (1964-) 「ソード・ワールドRPG」およびリプレイシリーズ,「混沌の渦」(共訳)
<計算機科学,ソフトウェア工学,コンピュータ業界>
ピーター・ナウア (1928-) BNF
ニクラウス・ヴィルト (1934-) Pascal,Modula-2,Oberon/Oberon-2,EBNF,ヴィルトの法則
生きてるし…
チャールズ・H・ムーア (1938-) Forth
ドナルド・エルビン・クヌース (1938-) TeX,METAFONT,iTeX
トム・デマルコ (1940-) 「デッドライン」,「熊とワルツを」,「ピープルウェア」
ジェラルド・ジェイ・サスマン (1947-) Scheme
ビル・アトキンソン (1951-) HyperCard,MacPaint,QuickDraw
ジェフ・ラスキンの弟子。
アンディ・ハーツフェルド (1953-) Macintosh の様々なソフトウェア・ファームウェア
Apple Computer の "Software Wizard"。
リチャード・マシュー・ストールマン (1953-) Emacs,gcc
FSF,GNU だけでなく、本当に色々とすごい人。学生の頃はハーバードで物理学やってたらしい。
ガイ・L・スティール・ジュニア (1954-) Scheme,Emacs
あと Fortress というのも作った。らしい。
グイド・ヴァンロッサム (1956-) Python
<漫画>
山岸凉子 (1947-) 「アラベスク」,「日出処の天子」,「舞姫 テレプシコーラ」,「ヴィリ」,他多数
萩尾望都 (1949-) ポーの一族シリーズ,「トーマの心臓」,「百億の昼と千億の夜」(コミカライズ),11人いるシリーズ,「銀の三角」,他多数
トーマと銀の三角は衝撃だった。
麻宮騎亜 (1963-) 「神星記ヴァグランツ」
デビュー作が至高。
やまむらはじめ (1968-) 「龍哭譚紀行」,他多数(中短編のみ)
デビュー2作目が至高。天にひびきは惜しかった。
<その他>
エイヴラム・ノーム・チョムスキー (1928-) 多数
哲学者,言語学者,認知科学者,批評家。
荒川武仙(荒川武彦) (1929-) 「宗幹流 双節棍道・棒道大全」
「ヌンチャクの神様」と呼ばれた元空手家。SlippingStaff の伯父にあたる人。
ジャレド・メイスン・ダイアモンド (1937-) 「銃・病原菌・鉄」
加藤一二三 (1940-) 「力戦振飛車」
ご存じ棋士で騎士。奇行と棒銀で有名。振り飛車の本も書いたことがある。
伊藤順康 (1942-) 「教師教育学序説 教育人間学の展開と授業理論のエッセンス」
心理学者,教育学者。共著者(弟子か?)の綿貫秀一は SlippingStaff の大学時代の恩師。
アル・ゴア (1948-) 「不都合な真実」
ヒーロー物の悪役。みたいな名前のアメリカ元副大統領。情報スーパーハイウェイ構想って懐かしい響きだな。
■ 恐らくは存命中であろう方々
<児童文学・文学・芸術>
稲本昭治 (1940-) 「とうさんのでかせぎ」
児童文学者,教育研究家。SlippingStaff の小学校時代の恩師。
原葵 (1941-) 「エルフランドの王女」(訳),「影の谷年代記」(訳),「ヤン川の舟歌」(訳)
デイヴィッド・J・マール (????-) 「凍結都市」(原書: "The Frozen City")
デイヴィッド・アースコット (????-) 「凍結都市」(原書: "The Frozen City")
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