Takahiro_Chouの日記: [書評]「右翼の言い分」
実は、この本、古本屋で見付けたんだが、それは置いといて……。
かつて、日本社会には、右翼団体の居場所が有った。
しかし、いつしか、右翼団体の資金源は絶たれ、社会や権力も、彼らを必要としなくなった。
それでも彼らは生きていた。
この本は、どちらかと言うと、左寄りと見られている宮崎学による、右翼団体関係者へのインタビューなのだが、これがまた、恐ろしく面白い。
いわゆる「ネット右翼」の画一的な主張は、思想や主張の面白さ、ユニークさ、に限って言えば、この本で取り上げられている右翼団体関係者の主張には、まるで、太刀打できない。
「右翼団体」なるものが、おそろしく多様なのだ。
その多様さやユニークさは、読んでて、ある種の興奮を覚える。
こんな事を言ったら、当事者に怒られるだろうが、「へんないきもの」的な面白さがある。
「広島や長崎や東京大空襲の惨状も、責任の一端は昭和天皇に有る。昭和天皇の『講和するなら、もう一度、戦果を』の一言さえなければ、防げていた」と言い切る者。
中国に対抗する為、北朝鮮を日本側に取り込め、と主張する者。
金儲けの為の運動と、思想の為の運動の間に一線を引き、その、どちらにおいても、自分の定めたルールを厳守する者。
息の根を止めかけられた右翼団体は、今、まるで、カンブリア爆発の如く多様化している。
いや、自分の身近な事に譬えれば「SFの浸透と拡散」が起こった後の、SF作品のようにも思える。なんちゃって右翼が増えたからこそ、プロパーな右翼は、どんどん、とんがっていっているのかもしれない。
これは、「右翼団体」と言う物が死滅する直前の最後の足掻きなのか、それとも、この中で生き残った者が、新しい何かを生み出すのか、どちらにせよ、目を離せない、何かが有る。
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