パスワードを忘れた? アカウント作成
13555235 journal
日記

Takahiro_Chouの日記: 映画「THE KING」 2

日記 by Takahiro_Chou

昨年、日本で公開された韓国映画の中でもベスト作品の1つである「アシュラ」で、サイコパス市長と、その市長の汚職を追う検事の板挟みとなる駄目刑事を演じたチョン・ウソンが、今度は、韓国の大統領の命運さえ左右する超エリート検事を演じているが、主演は彼ではなく、日本の俳優だと葛山信吾にどことなく似てるチョ・インソンと云う俳優で、1人の検事の半生を通して、軍事政権時代から民主化運動の時代を経て21世紀に入るまでの韓国史を描いた作品である。

学生時代に、チンピラだった父親が検事に平伏す様を見た事が切っ掛けで、「力」を求めて検事となった主人公が、良心と引き換えに「99%の真面目に仕事をこなすだけの検事」から「1%の国を動かせる検事」への成り上がっていく様をスタイリッシュに描く成り上がり型ピカレスクロマン……と見せかけて、終盤では、一転して主人公の転落劇へと変る。
そして、「1%の国を動かせる検事」に成ろうとした時に地獄行きの運命は決っており、小悪に過ぎない主人公のみが破滅し、真の巨悪は悠々と栄え続ける……と思いきや、終盤の更に終盤で、更に、話はもう一度大きく展開する。
あ、韓国映画名物の「ここ笑うとこ??」シーンとしては、「エリート検事達が次の大統領を予想する」(大統領になれなかった候補に陰ながら便宜を図ったりしたら、後々の出世がヤバい事になる)方法が、何と「祈祷師にお伺いを立てる」。ところが「高卒だけど独学で法律家の資格を取った」と云う一流大学卒のエリート検事としては色々と思う所が有る盧武鉉が立候補した時に限って、祈祷師が全く役に立たない、と云うおバカ展開。

そして、オチに関して、実は主人公は、途中で急性アル中で死んでおり、死の間際に見た幻覚では無いのか?? と云うありがちな事を思い付いた所で別の可能性に気付いた。
客の方こそ、その解釈を取るか否かを、作り手に試されているのでは無いのか?? と云う可能性に。
最後の最後で、タイトルの意味が一辺するのだが、○○こそがその国の真の王であり、そして、現在そうなっていないのなら、そう有るべきだ、と信じる者は、おそらく、その解釈は取るまい。

あと、韓国のいわゆる抗日モノの映画でよく有る「自国を裏切った韓国人こそ日本人以上の悪」と云うパターンが生まれた理由がよく判るセリフが有ったりします。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
typodupeerror

UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

読み込み中...