Takahiro_Chouの日記： 【ネタバレ】「金色昔日」(現代中国SFアンソロジー「月の光」収録)

なんつ〜話だ……。

一見、2010年代に生まれた中国人男性の一生を淡々と描く作品のように見える。
未来は希望に溢れていた……途中までは……。

ところが、何故か、主人公が子供の頃に北京オリンピックが開催される。
……おい、まて、これ、いつの時代の話だ??
出て来る中国の政治指導者達の名前は……全員実在の人物なのに、順番が明らかにおかしい。
そして、主人公が青年になった頃、天安門事件が起き……天安門事件の後に(前にではない、念の為)、中国で計画経済が始まり……。
かつて、有った筈のモノが、1つ、また、1つと中国や全世界から消えていく……。インターネット、携帯電話、中国の高速鉄道網、自由主義的な経済、TVさえも……。
そして、主人公の子供が青年になった頃……。
続いて、年老いた主人公が、山有り谷有りの人生の果てに、中国共産党の重鎮になった頃……。

さかさまなのは、果たして、この小説の世界か?? それとも現実の世界なのか??