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日記

Takahiro_Chouの日記: 河出書房「文藝」 2020冬号掲載「盗賊王の娘」

日記 by Takahiro_Chou

作者は韓国の覆面SF作家デュナ。(覆面=本名・経歴などが非公開。複数人の共同ペンネーム説も有る)

4世紀の朝鮮半島のある小国。現代だと1つの市町村ほどの領土しか無い。
そこは、様々な時間軸の様々な時代から、タイム・トラベルで行き易い言わば特異点だった。
そして、今日も今日とて(タイム・トラベルものにおける「今日」とはいつかは別にして)、過去の何も知らない奴を騙して、「白人酋長」化し、そして朝鮮半島を……あわよくば中国までも支配する国を作ってやるべぇと思ってるヤツが来たが……。(「今日も今日とて」と云う時点で、この馬鹿の運命をバラしてるけど)
もちろん、馬鹿氏は、来た瞬間に、何かがおかしい事に気付くべだったが、そこは、自分の時代で落伍者になったけど、他の時代に行けば何とかなるべぇ、と安易な考えでやって来た抜け作サマ。
町の光景や人々の服装は、良く良く注意して見れば、そいつの時間軸の「4世紀の朝鮮半島」に似ても似つかず、韓流ドラマに出て来るモノそのもの……ある意味、その馬鹿氏にとっては「想像してた通り」過ぎて意外なモノが何1つ無い光景……だった。もちろん、そいつの時間軸の「4世紀の朝鮮半島」に存在していた筈の現代人からすると「えっ?」な風習は全く見当たらず……。
町の通りに有る看板に使われる文字や言語は、この時代には存在していない筈のハングルと英語。
そして、店からはBGMが聞こえてくるが……その時点で何か色々とおかしいが、しかも、そのBGMは21世紀かそれ以降のK-POP。
だが、その馬鹿な時間旅行者は、間抜けにも、何も気付かぬまま、王様に自分達の知識や技術をひけらかし……そして、前にも似たような事をやろうとした馬鹿と同じく、身ぐるみ剥されて殺されたのでした。もちろん、彼の命を奪ったのは、前にも似たような事をやろうとした馬鹿の遺品である未来の兵器だった。そう、この国は、過去何十年にも渡って、未来からやって来る「白人酋長モノ」「なろう系」的なマヌケどもを撃退し、その武器や技術を奪い続けてきたのだ。
だが、彼は知らなかった。
彼は、少しの間とは言え夢を見られただけ、運が良かった事を……。
日食や月食の直前と云う、「はいはい、予知能力者のフリをしたい訳ね」と云ういかにもなタイミングで大量にやって来る連中は、面倒なので、国王から「絶頂まで持ち上げて地獄に突き落す」と云う悪趣味ないたずらを仕掛けられる事さえなく、やって来た途端に、あっさり皆殺しにされていたのだ。
しかし、未来からやって来る阿呆どもの装備を奪って栄え続ける小国の王は、似たよ〜な十把一絡げの阿呆どもに慣れ過ぎたせいで、思わぬ者達に足下を掬われ……。

「なろう系」的なモノへのフェミニズム視点からの批判から始まった、この小説は……実は……なんと、この小国の王女が、様々な平行世界の様々な時代を股にかける「悪党のみを殺し続ける風変わりな悪党」になるまでの物語だったと云うトンデモないオチを迎える。
どうして、そうなったかは読んでのお楽しみ。

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人生の大半の問題はスルー力で解決する -- スルー力研究専門家

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