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日記

Takahiro_Chouの日記: 映画感想2021年2月&3月

日記 by Takahiro_Chou

「AWAKE」
あのイケメン俳優・吉沢亮が……異様に野暮ったい兄(あん)ちゃんを演じる……本当に野暮ったい俳優の仕事はどうなる?
つか、この役の為に体重増やしたりしてる?
一応、大学時代はAI関係の研究室に居た(と言っても遥か大昔だけど)ので「結構ちゃんと調べて作ってあるな」とは思ったけど、そっち関係の知識が無い人が観て、どう云う感想を抱くか聞きたい。
しかし、もし「人間の自由意志」とは単に「同じ状況に置かれても同じ判断/選択をするとは限らない」だけの事とするなら……?

「KCIA 南山の部長たち」
新ジャンル「自分より年下のオッサンに愛されまくる小悪魔系独裁者」爆誕。
男達(イケメンから「いい顔のオッサン」「いかにもな小悪党面」まで選り取り見取り)を惑わす60代男性・職業「軍事独裁国家の大統領」。
劇場公開時の時節柄、偉い政治家が会食に下っ端の政治家を呼ぶ/呼ばないが、ある種のメッセージとして機能してる「政治家の会食」で、エラい事態が起きると云うのも何と言うか……。いや、この映画の方は新型コロナ感染じゃなくて暗殺なんだけど。
あと、暗殺時/暗殺後の「人を殺す時/殺した後にリアルで有りそう」な嫌な描写も注目ポイント。
明らかに人殺した直後の挙動不審なヤツから「飴食べる?」とかやられたら、そりゃドン引きですわな……。
そして、あの「飴食べる?」をやられた軍人こそ、韓国の軍事独裁政権時代最後の大統領になる全斗煥。

「スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち」
かつて、まだ、映画と云う産業が海のモノとも山のモノとも判らなかった時代、女達は男と肩を並べて映画を作っていた。
女性監督の割合は20世紀末頃より多く、女優達も体当たりで危険なアクションに挑戦していた。
しかし、映画が金になる頃には、皮肉にもこの伝統は途絶える。アメリカの映画業界は男社会と化した。
この作品は紛う事なきフェミニズム映画……女性が男社会に奪われたモノを取り戻す過程を描いた映画である。

「すばらしき世界」
何とも困ったが故に素晴しいオチ。
堅気になる事が出来た元ヤクザ。
しかし……。
彼は、暴力を振わなくなった代りに、暴力や理不尽を見て見ぬフリをするようになる。
彼は、賢くなったのか、小賢しくなったのか? 彼の選択をどう評価するかは……「小」の一文字の有無で正反対になる。
何ともモヤモヤがつのる。
「自分がこの題材をフィクションにするなら、何を作品内の正義として描くか?」的な事を思わずにはいられない作品。

「ヤクザと家族 The Family」
これまた、何とも困ったが故に素晴しいオチ。
他にやりようが有った筈だ。
しかし、どうすれば良かったのかの答は出ない。
言うまでもなく、「他にやりようが有った筈だ」はヤクザ達ではなく、この社会全体に対して言っている。

「藁にもすがる獣たち」
日本の小説を原作にした韓国映画。(実は、こう云うパターンの韓国映画は案外多い)
しかし、登場人物の1人を中国朝鮮族(国籍は中国だけど民族的ルーツは韓国系の人達。韓国映画では「差別されてる不法入国者」みたいな描き方をされる事が多い)になっているなど、舞台を韓国した事によるアレンジがされている。
元々はイケメン俳優だったが、小悪党を演(や)らせても光るチョン・ウソンが、この映画でも「知人の保証人になって借金を背負ってしまって、悪事に手を染めざるを得なくなった小役人」を好演。
シスターフッドものと見せ掛けてからのエグいオチも秀逸。
あと主演の役者さん、どっかで見た事が有る気がしてきたが、日本映画の「22年目の告白 -私が殺人犯です-」のリメイク元である「殺人の告白」で「俺は親の保証人も断わる男ですよ」の迷セリフを言った人だった。

「ノンストップ」「国際捜査!」
言われてみればそうだが、ある中国映画で気付いたのが、何故、日本の北海道が中国の観光客に人気が有るか? と云う事。
中国の大都市の多くは、中国でも南の方に集中していて、北の方に有る北京でも雪が積もる事は、ほぼ無いらしい。
つまり、中国の都市部の人にとっては「雪が積もる光景」がめずらしい事が、北海道人気の一因なのだろう。
では、それが韓国ではどうなるか??
韓国の人口の五分の一弱が集中しているソウルは、日本の新潟とほぼ同じ緯度になる。
その結果、韓国、特にソウルなどの人達が、海外に観光旅行に行く場合は……。
片やハワイに行く事になった……実は、妻は元工作員の脱北者(元々は美人だったのに、わざと、おばさん臭い顔に整形)、夫の方は韓国の元工作員、と云う夫婦のドタバタ劇。
もう片方は、悪役や、もっと格上の悪役に酷い目に遭う悪役や、単に酷い目に遭うだけの役で定評の有るクァク・ドウォンが、家族でフィリピンに観光旅行に行き(職場の人間から「結婚記念日の祝いだ。旅費の足しにしろ」と言われて受け取った金が受け取ったらマズい事になる裏金だったと云うオチまで付いてる)、例によって酷い目に遭う話です。

「騙し絵の牙」
原作は2018年の小説。だが、今映画化されると、ある終盤の展開のお蔭で「映画業界の話」を「出版業界の話」に置き換えたように見えない事もない。
國村隼が演じてる大物作家は、書いてる小説は、全く違うのに、外見がどう見ても筒井康隆。
でも、「大御所作家の時代小説を漫画化して意外な雑誌で連載」だと、山口貴由か森秀樹あたりに小道具要用の絵を依頼した方が「今風」の絵よりも「今風」になった気もする。
ついでに、俺が主人公の女の子の立場だったら(いや、いい齢したおっさんである俺が、んな事考えてる時点で十分キモいが)、國村隼が演じてる筒井康隆っぽい外見のクソ爺ィには「ヒロインを主人公にしたスピンオフが読みたい」みたいな持って回った言い方をすると思う。(意図的に喧嘩売る気が無ければの話)
あと、大泉洋が演じたキャラ、モデルは町山智浩(と云うか、大泉洋が演じたキャラがかつて編集長やってた音楽雑誌のモデルが映画秘宝)なのだろうか??

「あの子は貴族」
2人の女性主人公の片方が「貴族」だと思って観ていると……彼女でさえ「貴族」の中では下の方だったと云う一捻りした展開。
そして「自分より上の階級」の男と「自分より下の階級」の女との文化ギャップを知った事が少しづつ「貴族ではあるが貴族の中では下の方」と云う女性主人公を確実に変えてゆき……。

「フィールズ・グッド・マン」
擬人化されたカエル「ペペ」の何と云う事はない日常を描くマンガ。その絵は……子供でも似せて描けるようなデザインだったせいで……いわゆる「コラ」(正確には違うが早い話が)が次々と作られ……それからトンデモない事態が……と云う実話についてのドキュメンタリー映画。
気付いた時には、著作権者の知らない所で、オルト・ライトのシンボルにされた挙句、反ユダヤ差別団体の名誉毀損防止同盟に「人種差別のシンボル」のリストに登録されてしまい……。
創作者が自分の作品を「政治から距離を置いた」ままにしておきたければ、自分の作品が有名になったが最後、極めて政治的であらねばならない、と云う矛盾しているか、まぁ、そうなるわなかは、人によって判断が違いそうな事態。
そして、作者の打つ手は次々と裏目に出る。
とうとう、自分が生み出した愛するペペをマンガの中で死なせてしまうが……アメリカの匿名掲示板4chでは、あっと云う間にペペが復活した画像が投稿され……。
作者の家のガレージには「いつの間にかネット上で差別主義者のシンボルになってた」のを知らなかった頃に作った「不良在庫」にせざるを得ないアパレル商品の山。下手に売ったが最後、買うのは差別主義者ども、と云う嫌な状態なので、不良在庫にせざるを得ない。
だが……オルト・ライトの側もペペの駄コラを使ったモノを売ってたのが運の尽きで……。
そして、何故か、途中でコメントを出す自称「魔術師」曰く「あるモノが、一度、何かのシンボルとなったが最後、それを打ち消す手段は1つしか無い。別の何かのシンボルにする事だ」。
だが……2019年……まさにその通りの現象が起きた。それは……。
しかし、劇中で出て来た作者でもないのにペペで大儲けした妙にムカツく男。俺が撮影チームのリーダーだったら、ヤツが馬鹿高価(たか)そうなスポーツカーで走り去った所で、あらかじめ待機させてた大型トラックか何かで……。←やめなさい。

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あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall

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