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日記

Takahiro_Chouの日記: 三体3・死神永生

日記 by Takahiro_Chou

たかだか「地球人 VS 太陽系に一番近い恒星系で生まれた異星人」の戦いだったのが、何で、こんな虚無んなかった虚無戦記みたいな展開になるんだ?

どうも、中国には「傷痕文学」と云う「文革」をテーマにした文学ジャンルが有るようで、このシリーズも文革から始まり、宇宙の終末にまで到る訳である。
多分、近現代とは「時代の変わり目でなかった時期など無い」時代であり、それが最も極端だった国・地域こそが中国なのだろうが、今回の主人公は間に人工冬眠を挟んでいるとは言え、肉体年齢で20代〜40代の間に「異星人の侵略」から「宇宙の終り」までを目撃する事になった。
しかし、同時にこれは、一生の内に、文革→その反動としての“4人組”粛清→冷戦終結と改革開放路線→天安門事件→中国が世界有数の経済大国に、と云うのを見てきた作者の世代の中国人にとっての「リアル」な世界……自分達は激動の時代に生きていて、10年後の世界は想像も付かない世界になっていて、20年後の世界は更に10年後の世界の延長線上とは限らない、と云う実感なのかも知れない。

ただ、人物描写やジェンダー観や組織・統治機構などの描写に関しては、若干の古臭さを感じないでも無かった。

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ナニゲにアレゲなのは、ナニゲなアレゲ -- アレゲ研究家

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