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TarZの日記: 時をかける2つのレコードについての話:「時をかける少女」サントラCDと、ボイジャーの金のレコード

日記 by TarZ

 映画がとても気に入った2006年版「時をかける少女」だが、サントラも購入してしまった。いい年こいたオッサン(自分で言ってて悲しくなるな)が、アニメ映画のサントラを持ってウキウキとCD店に並ぶのはなんともみっともない。だが、仕方がないのだ。へっへっへ♪(ウキウキ)

 で、早速聴いてみた。

 ゴールドベルク変奏曲のオリジナルはチェンバロによるものだけど、このサントラでは(高校生が音楽室で弾いているという設定なので)ピアノによる演奏だ。映画では、主人公が時間跳躍の能力を手に入れるシーンで流れる。時間を捻じ曲げる不思議な映像のバックで流れるバッハはなんとも印象的。この部分はぜひ、映画館の音響で聴きたいところだ。
 ピアノのゴールドベルク変奏曲というと、ピアノ奏者グレン・グールドの有名な録音(81年再録音版)があって、「時をかける少女」でもそれの影響を受けているのではないかと思う。(断言できるほどに色々な演奏のCDを持っているわけでもないけど、オリジナルに近いチェンバロの演奏とはかなり異なる。そもそもオリジナルは平均律じゃないらしいし)

 サントラには、アリアと第1変奏曲の2曲が収録されている。どこかの情報サイトに、「この映画の監督がバッハ好きで、仕事中はよくゴールドベルク変奏曲を流している」と書かれていたが、そんな監督のコダワリからか、2曲とも映画のために新たに録音したものだそうだ。映画音楽では、映像と合わせるために演奏時間を厳密に調節しなくてはならず、シーケンサーを使ったコンピュータミュージックが有利だそうだが、あえてピアノでの演奏にこだわったとのこと。
 もっとも、第1変奏曲以降は、(ピアノでは)グールドの演奏のようにはいかない曲がわんさかありそうだゾ。もともと二段鍵盤のチェンバロの曲だし。

 ところで、同じくバッハの曲で、グールドがピアノで演奏した平均律クラヴィーア曲集のうちの1曲は、ボイジャー1号/2号に積まれた例のレコードにも収録されている。それは、NASAのサイトの以下の目録から読み取れる。

Music On Voyager Record

Bach, The Well-Tempered Clavier, Book 2, Prelude and Fugue in C, No.1. Glenn Gould, piano. 4:48

 これは、(太陽系近傍にわずかに漏洩している電波を除くと)「太陽系に束縛」されない人類史上初の音楽の一つで、演奏したグールドの死後も宇宙を飛び続けている。(そして多分、人類が滅んでしまっているであろう遠未来でも飛び続けることになる)
 バッハは時間も空間もかけぬけていくのだ。なんとも壮大な話だ。

(ボイジャーのレコードの謎と、太陽系外に漏洩する電波については色々ネタがあるが、また別の機会に)

… … … …

 話をサントラに戻すが、バッハ以外の曲も良いものぞろい。映画のサントラなんて、狙いの曲はせいぜい1~2曲なのが普通でなかなか手を出しづらいが、今回は当たりだった。

 おー、主題歌の人は、TVCMで「TEPCOひかりに決めたのはー♪」を歌っている人かぁ。

… … … …

[11/11 01:00 追記]

 "時をかける少女 ゴールドベルク"などでググると、すでに色々分析している人が多数。作中の曲は、グールドの再録音版を意識したものだろう、という見解は大方で一致していた。

 その中から、ちょいと気になった1件をメモしておく。

「時をかける少女」における「ゴルドベルク変奏曲」について

 この人は、何度も映画を観て分析したそうだ。うーむ、第12変奏なんて使われていたっけか。思い出せない。

 ちなみに、グールドの演奏では50年代のモノラル録音もあるが、こちらはグールドの若い頃の作品で、はるかにテンポが早い。当時衝撃を与えた作品だそうだが、生まれてなかったから知らない。(CDは持っているけど)

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