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TarZの日記: 太陽電池で変換効率40%を達成 3

日記 by TarZ

 本家記事より。Solar Cell Achieves 40% Efficiency

 変換効率40%を超えた太陽電池が作られたらしい。詳細はこちら。breakthrough in solar energy efficiency

 breakthroughの文字が輝かしい。
 もっとも、この成果は"multi-junction"という多層構造をとる太陽電池によるもので、しかも"gallium arsenide-based"(ガリウム砒素ベース)だからシリコンじゃないですな。高価で大量生産は難しそう。
 人工衛星などの限定された用途では有望でも、エネルギー問題を解決するものではないかもしれない。

 太陽電池は、持続可能な文明でのキーとなるデバイスだから、この分野の技術革新には大いに期待したい。化石燃料(もってあと数十年~百数十年ってところか)や原子力(数百年(*1))が底をつくまで、残された時間はあまりに少ない。

(*1)
核融合発電炉が実現すれば延びるだろう、と考える人もいるかもしれないが、話は単純ではない。実験炉を目指して研究開発が続いているD-T反応の核融合は、トリチウム生産のために核分裂炉を必要とする。つまり、核分裂炉用の燃料資源が尽きれば核融合炉も打ち止め。
核分裂炉に依存しないD-D反応炉は全く目処が立っておらず、数百年内に実現するかどうか定かではない。なにかブレイクスルーはあるかもしれないが、さすがに人類の未来を「博打で良い目が出ること」に託すことはできない。

[2006/12/07 10:05追記]
 日本語のコンテンツも出たので追記。米Boeing、"効率40%"のカベを超えたソーラーセルを開発

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by oddmake (1445) on 2006年12月07日 20時02分 (#1071362) 日記
    この太陽電池自体は直接役に立ちませんが、代替エネルギーのひとつとして使える太陽電池を開発する元になればいいですね。
    石油の節約になるし。

    核融合炉についていえば、核分裂炉によってではなく、D-T反応の場合炉のブランケットのリチウムに中性子をあてることで三重水素を生成する予定ではあります。
    D-T反応の次の目標は、D-He3反応でしょうね。これはD-Dより「核融合反応の」ハードルは低いと見られています。

    ただ、D-He3には宇宙開発でヘリウムを採取しなければならないとか、いろいろあったり。

    さらに原子力でエネルギーで得るにしても、石油資源の代わりになるにはエネルギー資源としてでなく材料資源の目処もたたなければならない。
    力業で解決するためにはナノテクノロジーが必要でありましょうが、二酸化炭素を元に現在の石炭・石油化学と同じ製品レベルを達成する段階などといったらいったいいつ実現するのかわからない、と、人類にとって化石燃料の代わりはいろいろ前途多難でありますので、少しでも石油を永らえるテクノロジーにはますます注目してしまうです。

    # とりとめなくなったけどここまで。
    --
    /.configure;oddmake;oddmake install
    • by TarZ (28055) on 2006年12月07日 20時32分 (#1071382) 日記
      D-T反応の場合炉のブランケットのリチウムに中性子をあてることで三重水素を生成する予定ではあります。
       興味深い情報ありがとうございます。このような予定があるというのは知りませんでした。
       ただ、D-T反応炉からの中性子では、多少トリチウム生産に役に立つかもしれませんが、そのままだと中性子の収支がマイナスになりそうですね。(D-T反応1回から1個の中性子しか得られず、ここから生産できるトリチウムは1個未満)
       そこから考えても、やはり核分裂炉は必要になってしまうのではないでしょうか。

       核分裂燃料としては、ウランだけでなく、より資源の豊富なトリウムも使えますので、これでさらに数百年くらいは余裕はできそうです。ただ、今後は温暖化対策で核燃料需要が増えそうなので、あまり楽観はできないかな、と考えています。

      D-T反応の次の目標は、D-He3反応でしょうね。これはD-Dより「核融合反応の」ハードルは低いと見られています。
       月面のHe3資源の件とあわせて、いつか別の日記ネタとして書こうと思っていたのですが、私は地球上でのエネルギー需要のために、月面のHe3は使うべきではないと考えています。
       核燃料は化石燃料と違い、使ってしまったら二度と元に戻すことはできません。He3はいつの日か、恒星間に横たわる深淵を越えるために必要になるかもしれないのです…。

      二酸化炭素を元に現在の石炭・石油化学と同じ製品レベルを達成する
       このあたりは、化学の進歩に期待したいところです。(資源量の多いセルロースからスタートして、効率よく各種化学物質を合成できるようになれば…)
       一見、「枯れた科学」に思えそうな化学ですが、まだまだやるべきことは山積ですね。
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      • by oddmake (1445) on 2006年12月07日 23時44分 (#1071576) 日記
        ただ、D-T反応炉からの中性子では、多少トリチウム生産に役に立つかもしれませんが、そのままだと中性子の収支がマイナスになりそうですね

        リチウム6だと中性子が一個しか出ませんが、適量のリチウム7を混ぜることで中性子2個を放出する反応を起こさせるアイデアがあります。

        # 他にもブランケットで核分裂物質を生産させたりするアイデアもあったと思いますが、そこまではどうもという気が(^^;;

        月面のHe3については…やはり、私も太陽系開発の中で使うべきと思いますね。地球のためだけでなく。
        木星の(重)水素・He3が汲み取れるようになったら、きっと恒星間飛行のためにも使われることでしょうね。
        --
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