TarZの日記: あるある騒動の本質は「捏造を見抜けなかった」ことではなくて、「創作と捏造の閾値見極め」の問題 1
昨夜、フジテレビで、あるある捏造問題の検証番組が放送されていた。
途中から見たので把握し切れていないかもしれないが、原因としては
- 制作現場では、捏造してでも視聴率を…という空気があった
- テレビ局側では、制作会社の内容の正確性に対して検証機構が機能しなかった
といったようなことを挙げていた。
これは誤った問題認識だと思う。いや、正確には、誤っているわけではないが、問題の表層的な部分だけを見ていてもっと根源的な部分を見落としていると思う。
この問題の本質は別なところにある。
… … … …
「発掘!あるある大事典」については、私は内容に問題あると思いつつも、具体的にアクション(つまりテレビ局に抗議したり、Webで積極的に問題を指摘したり)するほどの価値も害もない番組と考えていた。
信憑性については、バラエティ番組なんてその程度のものという諦観があった。影響については、別にあるあるの内容が放送されたからといって大した害はないし、まぁ自分の周囲が騙されなければいいや程度にしか思っていなかった。(親しい人間には「あるあるは信じないでね」と注意喚起はしていたけど)
要は、私にとってあの番組は「スルー」という程度のものでしかなかった。むしろ、今回これだけの騒ぎになったことに面白おかしさと驚きを覚えたくらいだ。(関連過去メモ:時流に乗らない俺の生き様、あるある余波)
何より、テレビ局は当然、内容のいい加減さは踏まえた上で番組制作・放送しているものだとばかり思っていた。
# さすがに血液型性格占い系の特集は勘弁してほしい(いわれのない教育・就業差別に繋がりかねない)と思ったが、
# それでも抗議まではしていない。
# 一方、某局の科学情報番組では誤りを指摘したことがある。番組の性格上それはまずいだろうと思ったからで、
# これについては、再放送分から内容を訂正するとの丁重な返事をいただいた。
さて、あの番組の問題を見抜くのに、特別なスキルは必要ない。特に実験系科学を経験したような人にとって、「普通の食い物で毎回あんなにはっきりとした数値が出るわけがない」というのは常識の範囲だと思うが、Webで番組の問題を指摘する人はたまに見かけたものの、それが大きな動きになるようには見えなかった。
つまり、問題には気づいているが、特に騒ぎ立てない私のようなスタンスの人間が、他にも大勢いるように思えた。
関西テレビくらいの規模の局なら、キー局並に優秀な社員も多くいるだろう。Webで問題を指摘するコンテンツを以前から読んでいた社員もいたようだし、そういう情報に触れていなくても、あんな実験結果がホイホイ出るわけがないと考える社員だっていたことだろう。
少なくとも、あの内容で誰も「"創作"を見抜けなかった」というのは到底考えられない。(もし本当に、フジテレビ系列全てであの番組の"創作"を見抜く人間がいなかったのだとしたら、それは捏造を許す体質そのものよりもずっと深刻な問題と言わなければならない)
とはいえ、"創作"に気づいていた人も、「結構やらかしていそうだけど、まあバラエティ番組だし、株価操作とか犯罪性はないし」「関西テレビの上もギリギリセーフと判断したうえでのことだろう」「つーか、オレの担当(局)じゃないし…」と考えてオシマイにしていたのではないだろうか。つまり、視聴者側がスルーするのと同じような理由で、中の人も漠然とスルーしていた可能性が高い。
そうだとすると(それが真相に近いと私は信じて疑わないのだが)、あるある問題については次のように言い直すことが適切だろう。
問題は、「捏造を見抜けなかった」ことではない。情報バラエティのような曖昧な位置づけの番組で、どこまでが「創作」として許され、どこからが「捏造」として糾弾されるか(つまり、視聴者や総務省はどこまで許容するのか)の判断を誤ったこと。
これこそが本質だ。
厄介なことに、この閾値は動的なもののように思える。その時代その時代で許容されうる「創作」の範囲は違ってきそうだし、何かの不祥事でもあれば閾値が一気に下がることもありそうだ。
まあテレビ局の中の人は時流に敏感であれ、というごく当然の結論しか言えないのだが、しかしヤバそうな局が他にもあるように思えてならない。
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なんでこんなことをメモっているかと言うとですね、似たような「○○と××の閾値の問題」は、テレビ番組制作だけではないからなのです。
情報システムのセキュリティ対策とか、食品の安全性とか、電気製品やクルマの品質とか、先日の原子力発電所のインシデント隠蔽とか…。
あるあるは (スコア:0)
実際、一部企業に対して番組の放送によっての利益供与と取られない情報提供が行われていた事でしょう。
つまり、実質株価操作に近いことが行われたって事。
仰るとおり、元々TVの番組なんてやらせを云々する事自体がナンセンスなもんです。
一見客観的事実の報道っぽいものでもミスリードを誘発するに十分ないい加減さを持っていたりする。
んで、本来は「やらせ」って程度では誰も驚くものでも有りません。
誰だって「またか」でオシマイでしょう。
んが、今回の騒ぎの様に、放送に先駆けて一部の業者に情報が、ってのはなかなかに聞いたことが有りません。