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Torisugariの日記: 餃子の王将のメールフォーム

日記 by Torisugari

誰でも一度は経験があるかと思いますが、私のTorisugari名義のメールボックスには、たまに、身に覚えの無い「返信」が届きます。つまり、誰かがメッセージを送信した際、何らかの理由でGMailの私のメールアドレスを名乗っているわけです。それとは別に返信を装ったスパムも大量にありますが、それらは除外すると、だいたい年に3~4回という頻度になります。これは、他のアドレスと比べると明らかに多く、また、送信元のジャンルも多岐にわたるので、おそらくハンドル名の単純さ(というか、通俗性)が原因なのでしょう。

この手の返信に共通の特徴として、怒りの感情が挙げられます。中には、いっそ滑稽なほど立腹しているように見受けられる場合もあります。裏を返せば、元のメッセージがそれだけ侮辱的であったと想像できるわけで、匿名社会の暗部を見る思いです。私のせいではないはずなのに、なぜだか罪悪感をそそられます。

罪悪感といえば、そういうメールには決まって、私が知らなかった詳細な情報が付されています。まあ、所詮は顔も知らない相手に出す程度のものですから、クリティカルな内容ではないのでしょうが、「実はかくかくしかじかだった」といったことをわざわざ説明してくれているのを見ると、やはり、申し訳なさが先に来ます。

先々月、餃子の王将フードサービスから、苦情に対応した旨のメールが来ました。文脈から分かると思いますが、もちろん、私が苦情を出したわけではありません。ウェブサイトを見てみると、ご意見・お問い合わせというページがありますから、誰かがそこで私のメールアドレスを騙ったものと思われます。

便宜上、この最初に苦情を送った人(クレーマー)を「客」と呼ぶことにしますが、この「客」のとった行動は、このメールフォームを見ると手に取るように想像できる気がします。

  1. 店で不愉快な経験をする
  2. 帰宅。いまだに憤り(あるいは義憤)が抑えられない
  3. 苦情の宛先をウェブサイトで確認する
  4. メールフォームを発見、匿名で苦情を書いて送信ボタンを押す
  5. CGI:「名前とメールアドレスを記入してください
  6. 2秒で偽名と偽メールアドレスを考える
  7. →torisugari@

どうでしょうか?あるいはモバイル端末からかもしれませんが、大筋では概ねこんな感じでしょう。ちなみに、「名前とメールアドレスを記入してください」の件はプレビューボタンで検証すると、案の定でした。

原因の一番大きなウェイトを占める部分は、当然「客」が私のメールアドレスを騙ったことですが、その根底にはメールアドレスの記載を強制されている、という事情があります。直接店舗で言えばいいものを、わざわざチェーンの本店に報告するような「客」のような人が皆、メールアドレスの記入に賛同しているとは到底思えません。私のところに届いたのは偶然だとしても、この経緯は多分に構造的なもの、起こるべくして起こったものです。

もちろん、苦情がどうやって処理されたかを知りたい「客」もいるでしょうから、メールアドレス欄を設けるのはかまいません。しかし、簡単に虚偽記載できるのに、記入を強制してしまうのは、どうでしょうか?どうしてもメールアドレスを入手したいのであれば、そもそも、メールフォームではなく、メールクライアントを立ち上げるようにすべきでした。あるいは、メールアドレスを使って先に本物のアドレスであることを認証するような仕組みであれば、メールアドレスの記載を強制するのは当然です。どちらでもない以上、半ば意図的に虚偽のメールアドレスを収集していることになり、合理性を欠く行動です。ましてや、それに返信してしまうなんて。

「合理性」や「コスト意識」といったものは、いくら字面の上では理解していたとしても、なかなか行動には反映させられないものです。これもその一つの例だと言えるではないでしょうか。

それにつけてもすさまじいのは、人の「匿名でいたい」という欲求です。匿名でいるためには金すら払うのではないかと思わされます。そして、それは何も「客」に限った話ではありません。

例えば、この件の返信は「お詫びいたします。」という件名であったにもかかわらず、責任者の名前が名字しか記載されていませんでした。だれもが名刺をもって駈けずり廻ったころを記憶している年配の方なら不思議に思える商習慣かもしれませんが、今や外部に名字しか出さないのは常識です。無論、大事な取引なら今でも名刺は大活躍ですが、「客」如きにフルネームを教えるなど、とんでもないことなのです。

そして、おそらくこの方向性は正しいと思います。不必要なら相手が「客」であろうとも、名前を名乗らない方が良いでしょう。妙なリスクが増えるだけです。ましてや、今回のように誤配の可能性もあるのです。源氏名や符牒名を名乗ってしまうとやりすぎ、というか不誠実な印象が否めませんが、下の名前を隠す程度は許容範囲内です。同様の理屈で、「客」がメールアドレスを不必要に開示したくない、という心情だって慮るべきでしょう。強制されたから、仕方なく源氏名を名乗ってしまったのです。

私ならexample.comにしたと思いますけど、気の利いた正規表現なら簡単に弾けてしまいますから、後はやっぱり葉書ですかね。いや、私は仲間内で話題にしても、直接物申すって経験はちょっと思いつかないので、こういう面で行動力のある人は羨ましいというか、頼もしく感じます。葉書も無料じゃないですからね。

まあ、はっきり言って全体としてはどうでもいいことなのですが、リテラシの細部、そのありかたまで詰めて考えるとなかなか面白いテーマではないかな、と思います。

私的に今回の教訓をまとめると。

  • 虚偽記載が容易な場合は、記載を強制すべきではない。
  • 強制的に入手したアドレスは使用してはいけない。
  • みんなのexample.com

という具合です。

当初、この日記を書くにあたって、企業名は伏せておくつもりだったのですが、メールフォームの具体例を見たら一目瞭然なのと、このためだけにわざわざ東京に行くわけにもいかないなぁ、と思ってしまったもので。つまり、何が言いたいのかというと、餃子の王将駒沢大学店でウーロン茶を飲む機会があれば、その感想などを私までご一報頂ければ幸甚かと。

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typodupeerror

ハッカーとクラッカーの違い。大してないと思います -- あるアレゲ

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