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日記

acountnameの日記: 記憶や後天的性質の遺伝 4

日記 by acountname

このところ、遺伝子内にある部分の名前であるCRISPRの単語が科学雑誌に踊らないときがない。CRISPR部位にテキの物質を表す暗号や遺伝子そのものを取り込んで、次の代に受け渡すことが可能だというので、わたしは驚いている。これって、後天的獲得性質の遺伝そのものじゃん、と、いまさらながら。
数十年も前の生物Iとかで、後天的に獲得した性質(抗体)は遺伝しないと教わったクチだ。だが、CRISPRに書き込まれたものは遺伝の対象になり得ると、いまさらながら気づいた。耐性菌って、単にもともと遺伝時に間違ったものが偶然に生き延びたのではなく、「学習したものを遺伝した」可能性があるのか。
生物学関係かあ、苦手だから読み飛ばそう、というのはヤメだ。うん、お勉強は明日から……

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  • by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2016年06月17日 18時47分 (#3031431) 日記

    酵母なんかではプリオン的なもの(各種タンパク質の特殊な折りたたみ)を使って情報が娘細胞とかに伝わるとか(つまり,DNA以外のものを使って情報を伝えることが可能),メチル化などDNAの修飾により各部位の発現のしやすさが変わってそれが胎児(とか子孫)に伝わる可能性だとか,似たような例でRNA干渉によって胎児とかのDNAの発現が影響を受けているのではないかとか(つまりこれらは,後天的なDNA修飾により子孫が影響を受ける),この辺は最近結構面白いですよね.

    トランスポゾン(結構勝手気ままにDNA内で移動して位置を組み替えていく部分)なんかも,環境ストレスが増える(=生存に不利になってきたりする)とトランスポゾンの転移を抑制しているメチル化などの修飾が抑制され,トランスポゾンの転移が促進されることでDNAのさまざまな変異を起こりやすくしているのではないか?(生物は,環境に応じて自発的に突然変異率を上げられるのではないか?)とか,なかなか熱いです.

    • 前半でおっしゃっているのはepigenetic inheritanceですよね。後半の変異率の適応的調節も、基本は個体単位の話です。ダーウィンの「変異と淘汰による進化」は基本単位が個体ですから。

      その概念を拡張したUniveral Darwinism [wikipedia.org]というのがあるらしいのです。
      私にはまったく理解できないQuantum Darwinism [wikipedia.org]なんていうのもあるそうです。これらは「個体に変異と淘汰があって進化する」というのとは少しちがう。そういったUniversal Darwinism的な、群知能的な、複雑系的なことに興味があります。

      狂牛病の病原プリオンは、煮たぐらいでは完全に分解ではない極めて安定な感染力を持つタンパク質だと言われています。プリオン的な高分子の概念をちょっと拡張して、いわゆるプリオンのようなタンパク質だけではなく、もっと普通のタンパク質でも、分子の内部構造(立体構造的)の違いにより複数の状態の短時間な保持があり、それがお互いに感染しあう、というようなことがありえるのではないか、もしそうだとしたら、分子群的に特別な性質が現れないか、とか、十年くらい考えているのですが、群としての性質という事に関して、理論が全く構築できず、行き詰まっています。スピングラスみたいなものを連想すればよいのかどうか。

      親コメント
  • >耐性菌って、単にもともと遺伝時に間違ったものが偶然に生き延びたのではなく、「学習したものを遺伝した」可能性があるのか。

    基本は、ダーウィニズム、つまり、変異と淘汰により進化、ということは違わないような気がします。この場合はランダムな遺伝子の変異、ではなくて、バクテリオファージのDNAの一部を取り込んでファージのDNAを識別できるような変異を積極的に引き起こす仕掛けがCRISPRだということなんでしょう。

    CRISPR/Cas9を使ったゲノム編集をやっている研究者と話をしたことがあるけど、CRISPRが微生物の免疫的な機能を持っていた、というような漠然としたことしか知りませんでした。改めてちょっとだけググると、非自己のDNAと自己のDNAの区別の仕方というのは、
    細菌も自己と非自己を区別する [livedoor.jp]

    前者の停止は多いほど、後者の停止は少ないほど、DNA抗原記憶は形成されやすいことがわかった。外来のウイルスゲノムは、宿主側の細菌ゲノムと比べて、複製サイクルが早いので前者の停止が多く、一方Chi部位が少ないので後者の停止は少ないことから、外来の非自己DNAの方が宿主自身の自己DNAよりも抗原記憶されやすいというわけだ。

    ということでなんとなく、なるほどと思いました。DNAって構成単位に外部・内部の違いはないから、識別方法が想像できなかったんですよ、これ読むまで。

    勉強になりました。

  • by Anonymous Coward on 2016年06月17日 13時53分 (#3031268)

    これで人が時代劇(戦国時代とか江戸時代なんか)を見たり、古代ローマ帝国時代に想いをはせたり、SF映画やSFアニメにサーベルや盾が出てきたり、なんか適当な魔法や、生物的にありえない不可思議な奴が登場しても、楽しめられることが理解した気がする。ダーウィン、あんたはスゲエーよ。

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