airheadの日記: Michael Robertson of Lindows Responds 後半 4
原文(全文,コメントなし)
翻訳目次
前半(1)~(5)のみ
後半(6)~(10)のみ
(06/01 12:30 変更) (6)a1.1, a1.5 k3cさん訳に変更しました。
(06/03 23:00 変更) (10)a1.2 a2.5 日本語表現を変更しました。
(06/08 23:30 変更) (8)a1.5 日本語表現を変更しました。
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6) Wal-Mart
by Znonymous Coward
MicrotelとLindowsがWalmart.comの取引を押し上げていますが、売上はどうなっていますか?
Microtel+LindowsのPCで、Wal-Martの店頭に登場しちゃうなんてことは?
ロバートソン:
売上は上々――Walmart.comで一番売れているのは我々の商品です。成功すれば、小売店に卸して店頭に並べてもらえるようになると信じています。我々は現在、主要なアウトレットにLindowsOSを卸せるように次のバージョン(4.0)に備えているところです。その品質においては普通の(技術に詳しくはない)コンピュータユーザを満足させる必要があります。デスクトップLinuxの成功にとってこのことがどれほど重要であるか、強調しすぎるということはないでしょう。
Linuxをビジネスとして継続させたいなら、コンピュータにプレインストールしなければならないのです。MicrosoftのOEMへのしめつけは瓦解し、PCビジネスのダイナミクスに変化をもたらすに違いありません。それが起こるまでは、どんなデスクトップLinuxベンダも、永続できるなどと思うべきではないのです。
7) ワンクリック・インストールの特許取得
by neitzsche
拝啓 ロバートソン様
「ワンクリック・ソフトウェア・アップデート」というソリューションの特許取得について、貴社の現在の状況をご教示いただけませんでしょうか?
そのような特許が認められた際には、オープンソース・コミュニティがフリー・ライセンシング(ビール? スピーチ? 両方の意味での?)するのを認可しようというお考えにはなりませんでしょうか?
ロバートソン:
弊社では、Click-N-Runに特許は取得していませんし、特許申請を提出したこともありません。私は手法特許の信奉者でもありませんし。特許には「分かりきったものではない」必要があります。「ワンクリック・ナントカ」に特許性があるのか、もしくは、あるべきなのか――注文プロセス(Amazonを考えてみてください)ならいいのか、ソフトウェアのインストール手順ならいいのか――私にはわかりません。
8) ウィルス
by minus_273
ウィルスと縁がないというのは(※Lindowsの)よい点の一つだと思います。にもかかわらず、なぜLinux用のウィルススキャナを販売しているのですか?
ウィルスが少ないことが(※Windowsからの)乗り換えの理由の一つだとおっしゃっていたのではありませんか?
ロバートソン:
当初は私も同様の見解を持っていました。しかしその後、新たに別のことをユーザからの声で知ったのです。LindowsOSに最も欠けており、それがために日常的な利用から遠ざけているとユーザが感じていたものは、なんと「ウィルスからの防御」でした。私はこの結論に驚き、その論理を理解するためにユーザと話し合いました。そこでわかったのは、ユーザはあまりにもMicrosoft Windows上のウィルスの問題からトラウマを受けており、そのため彼らの視野は狭められてしまっていた、ということです。多くのユーザが、自分がウィルスに感染して気まずい思いをしたり、あるいは近しい知人がそうなったことを知っているので、ウィルスからの防御なしにはパーソナルコンピュータを絶対に使いたくないと教えてくれました。他のユーザは、自分の会社の企業ポリシーがウィルスから防御することを命じており、従わない従業員は罰せられると語っていました。それはもはや理性的な決定とはいえません。しかし、コンピュータを利用するためにはそれが前提になっていなければならないのです。
たとえ話をさせてください。犯罪が多発する人口過密地域の集合住宅で育った人が地方に引っ越すことにしたとします。買おうとしている家のドアにカギが必要ないことを、不動産業者がいくら統計を用い論理を尽くして納得させようとしても、この買い手は信用しようとはしないでしょう。なぜならそれは彼が育った世界とは違っているからです。世界の95%の人々は、ウィルスがはびこるMicrosoftの集合住宅で育った人々です。Microsoftは賢明にもそれがもっぱら外的要因による問題であると位置付けているので、修復のためにコストを費やす必要がないことになっています。ブラボー、素晴らしいマーケティングで何億ドルものサポート費用を回避したMicrosoft。それゆえコンピュータユーザは、この問題の本質が、問題の沈静化を放棄した粗悪なMicrosoft製品にあるとは考えず、それがパーソナルコンピューティング生活の現実の一部であると捉えています。それはつまり、住民が犯罪発生率を無視してとりつけることを強要するドアのカギのようなものなのです。
そういうわけで我々は、ワンクリックで実現するウィルス対策のソリューションを、Central Commandという形で提供しています。Linuxにおいてウィルスは現在のところたいした問題ではありませんが、(※Linuxに)移行するデスクトップPCが増えていけばいくほど、今後も絶対に問題にならないと考えるのは馬鹿げたことになっていくでしょう。Microsoft Windowsの脆弱性をみすみす見逃さないようにすることは、多くの消費者にとって価値のあることです。それゆえ私は多くの人々がデスクトップLinuxを考慮するように、説得する努力を重ねてきました。
9) Click-n-Run 対 apt-get
by mahdi13
LindowsはDebianのコードをベースにしていて、apt-getを使ってClick-n-Runのリポジトリからソフトウェアをインストールしています。なのにいったいなぜユーザは、apt-getのダウンロード元をClick-n-RunからDebianに書き換えてSynapticとかのソフトウェアをインストールする(そしてそれを使って新しいパッケージやアップデートされたパッケージを無償で手に入れる)ことをさせてもらえず、(多少の例外はあるにしても)年99ドルも払わされるんですか?
ロバートソン:
確かにLindowsOSはDebianベースですが、Click-N-Runはもはやapt-getベースではなくなっています。現在Click-N-Runのアーキテクチャは第3世代に入っており、apt-getと共通するコードは事実上ありません。ver1.0をお使いならそうお思いになってもしかたありませんね。最初のバージョンで我々はapt-getの限界を知り、パーソナライズ、e-コマース、エラー処理、低帯域環境のサポートに優れた独自のシステムを構築することを余儀なくされました。最初のバージョンでapt-getを使っていたときの(※ダウンロード)成功率は60%でしたが、現在は90%を達成しています。さらに今では先進の機構であるAislesやClick-N-Run Express、機能が充実したe-コマース・エンジン、自動リトライやインストールのレジュームといった欠くことのできない機構を提供しています。
LindowsOSのユーザはapt-getや他のどんな機能でも自由に使うことができます。コマンドラインを削除したり、ユーザがソフトウェアをインストールするのを妨げるようなことはしていません。お望みならば「頭巾を脱ぐ(※=覆いを取り去る)」ことができるのです。我々の目的は、適正な価格でユーザの重荷を肩代わりすることによって利益をあげられるビジネスを構築することです。apt-getで得られる以上の価値を提供できなければ、ユーザからお金をいただくことはできないでしょう。だからこそ我々は価値を提供するべく努力しつづけているのです。
Click-N-RunのWarehouseも同様にすばらしい価値を提供してくれます。ユーザは多くの製品の情報をグラフィカルな表現で得られるだけでなく、人気を基準にリスト化されているので、コミュニティが評価した最も価値のあるソフトウェアのリストを手に入れることができます。また我々はリスト中の上位25個のプログラムに対して非常に多くの時間を費やしています。これらのプログラムが相互に、またLindowsOSとうまく協調して動作するようカスタマイズしています。誰でも無償で情報を閲覧することができるため、我々の製品のユーザでない大勢の人々にもWarehouseを情報源としてご利用いただいていることまでわかりました。これらのプログラムは、ユーザの「セーブしたファイルが見つからない」というよくある不満を解決するために、デフォルトでは"My Documents"フォルダを使用するようリコンパイルされています。これは簡単な一例ですが、LindowsOSユーザのために全てのソフトウェアが協調して動くことのよい例であり、そのおかげでより幅広い層にデスクトップ(※Linux)を広めることができるでしょう。
10) Xbox
by ramdomErr
一体どうしてXbox projectに賞金を提供したのですか?
ロバートソン:
私の動機を理解するにはおそらく、所有権に関する私の信念を理解する必要があるでしょう。何らかの製品を購入した者は、その製品を自身の必要に応じて変更、移動、または転用する権利を有するべきだと私は信じています。購入者が製品を改造した場合に販売者には、保証が無効になることあるいはサポートを拒否することを宣言する権利があるでしょうが、それでも販売者にはそれを選択する権利があるべきです。音楽やソフトウェア、パーソナルコンピュータについても同じことがいえます。消費者にこの権利がある限り、消費者はその自由を、社会を全体として正しい方向へ導くような選択に行使するはずだ、というのが私の信念です。MP3において、私たちはそれをすでに目撃したはずです。
XboxはMicrosoftの、クローズドアーキテクチャPCへの最初の試みです。Xboxで彼らが学んだことは次世代のクローズドデスクトップPCシステムに活かされるでしょう。Microsoftは、コンピュータでどのようなソフトウェアが実行されるかを自分たちが決定するような世界へ移行したいと考えています。そうすれば一番たくさんのお金を消費者から引き出せるからです。彼らはその製品を「『信頼できる』コンピューティング」のように聞こえの良い名前で位置付けて利点を謳いあげることでしょうが、本当のところは個人のPCに対する影響力を購入者からMicrosoftへと移行させることに他なりません。Microsoftはどんなソフトウェアをインストールする前にも料金を払わせるような許諾ゲートを設置するでしょう。最終的にはユーザのコンピュータのコントロールをMicrosoftに明け渡すことになるでしょう。それゆえ我々は、どのような形においても、ユーザがインストールできるソフトウェアを制限していないのです。
消費者がコンピュータのコントロールを握り、どのソフトウェアを活用したいかを決められる、これは最低限必要であると私は考えています。私はXboxを単なるパーソナルコンピュータとして捉えています。これが、私がXbox懸賞金を出資した理由です。
付記:私はPubSoft(※Public Software Fund)を通じて懸賞金を出資しました。Russ Nelson氏(※PubSoft代表)の素晴らしいコンセプトに共感したからです。
消費者の自由はまた、私がLindows.comを始めた主要な理由の一つでもあります。我々が相当な数のデスクトップユーザを獲得できれば、オープンアーキテクチャPCを確実に長生きさせられるし、コンピューティングの世界が消費者寄りの方向に発展することを確実にできます。
みなさんの質問に答える機会を与えて下さってありがとう。
6) a.1 (スコア:1)
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てな感じでは如何でしょうか。
Re:6) a.1 (スコア:1)
両方とも、そのように直していただくのが良いと思います。
特に2点目は、指摘を頂戴するまで気づきませんでした。
"not ~ how critically"は、確かにそう訳すのが自然ですね。
# airheadさん、訂正、よろしくお願いします。
10) (スコア:1)
Re:10) (スコア:1)
そそそ、そうなんですよね。我ながらまったくひどいなとは思ったんですが、やっちゃいました。で、重複についてなんですが、zokkonさんのコメントの親エントリにあるとおり理解度が足りてないので、いまいち自信がないんですよね。しかしzokkonさんの説明受けて読み返し、