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airheadの日記: Michael Robertson of Lindows Responds 前半

日記 by airhead

原文(全文,コメントなし) 翻訳目次 前半(1)~(5)のみ 後半(6)~(10)のみ

(06/07 23:00 変更) (2) GambasおよびGaimのリンクを訂正しました(hyyp://というtypo、および原文掲載後Lindows.comでなされたURL変更)。
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1) なんで、ねえ、どうして?
by Ender Ryan

なぜLindowsをデフォルトで常に'root'権限で動作させることに決めたのですか? これは非常に間違った決定だと私は思うし、LindowsにトライしようとするLinuxユーザの苦情No.1なのだから他の多くの人にとってもそうでしょう。しかしまず、こんな決定が下された理由を尋ねるべきなのでしょう。

Lindowsは将来もこのように動作するのでしょうか? これは、過去に置き去りにすべきWin9xの機能の一つだと思います。

ロバートソン:

より大きな問題は、いかにセキュリティと使いやすさをバランスさせるかということだと考えます。我々はセキュアなデスクトップOSを供給するために努力しているし、セキュアだが使いやすいシステムを実現するためにポリシーを決めています。例えば、ネットに繋がないことでコンピュータは本当にセキュアになりますが、あまり役に立たなくもなります。我々は設定済みのファイアウォールを組み込むことにしました。ファイアウォールは、セキュリティをデスクトップに加えながらもユーザの操作には関与しない、不可視で広範囲なセキュリティレイヤーだからです。セキュリティ上の脅威の大部分は外部からの攻撃であり、root対non-rootの問題ではないのです。

歴史的に見てマルチユーザシステムは、ハードウェアが高価な頃には有効でした。誰もがコンピュータを買えるわけではありませんでしたし、高価なマシンのコストを回収するには複数のユーザを作成してタイムシェアリングする必要があったからです。しかし時代は変わり、200ドルから買えるPCも出現して、コンピュータは簡単に手が出せるものになりました。

従って、コンピュータをシェアして複数のユーザアカウントを作成し、あれやこれやと間接費や煩雑さをかける必要はなくなってきています。我々が売り込みをかける家庭や事業者、学校の多くには「管理者」などいません。所有者がコンピュータ科学の領域に踏み込むことなく時計をセットし、壁紙を変更し、プリンタを設定し、フラッシュドライブをインストールし、新しいソフトウェアを立ち上げられる、それがパーソナルコンピュータです。

Microsoft Windows XPあるいはMac OS Xのマシンを箱から取り出して使えば、それらはLindowsOSと同じように動きます。最初に触った人がなんでもできます。もしLinuxを他のOSよりも使いにくくすれば、ユーザはそれを採用しないでしょう。ユーザはただ仕事を片付けたいだけであって、コンピュータの専門家になりたいわけではないし、専門家たらしめるべきではありません。もちろん、彼らが初期パスワードを追加したり複数アカウントを設定したりして、自分のマシンへのアクセスを制限したいのであれば、当然ながらこれらすべてのOSで可能になっていますし、そこにはLindowsOSも含まれています。しかしデフォルトでそうなっているものはありません。

2) LinuxベースのデスクトップOSユーザからのフィードバック
by prostoalex

Lindows PCが発売されてからある程度経過しており、あなた方のマーケティングやカスタマーサービスの皆さんは、現在のあるいは将来のユーザーから何らかのフィードバックを受け取っていると思います。

人々が求めているものは何ですか? 一般的なユーザが、かつてなかったものでLindowsあるいはLinuxベースのデスクトップ・ディストリビューションから得たいと考えるものとは、何でしょうか?

ロバートソン:

我々はLindows.comを始めるにあたって、ソフトウェアのインストールは大部分のユーザにとって非常に難しいものであり、広範囲にわたるデスクトップ採用を妨げている最大の障害であると考えました。それゆえLindowsOSへのソフトウェアのインストール(ダウンロード,メニューアイテム,アイコン,MIMEタイプを含む)をワンクリックにするClick-N-Runに、我々は相当の技術を投入してきました。これはMicrosoft Windows XPが備えている何よりも、はるかに優れています。

以来我々は、消費者が何を求めているか、デスクトップOSに何が欠けていると考えているか、に耳を傾けてきましたが、人々が欠けていると考える一番のアイテムはウィルス保護でした。(これは私の予想外で、まったく驚かされました――この話題は後の質問で。)

現在のLinuxデスクトップではサポートされていないものの、ユーザが一貫して挙げるハードウェアの重要な領域がいくつかあります。USBワイアレスのサポート、プラグ&プレイUSBドライブ(フラッシュメモリ,ハードディスク,CD/RW)、FireWire、ACPI(ラップトップでの電源管理)などがそうです。我々はそのほとんどについて、間近に迫っているLindowsOSバージョン4.0のリリースと共にお知らせできるようにしたい、と考えています。

ソフトウェアに関していうと、コミュニティがアプリケーションの欠落を埋めていく素早さには驚かされるばかりで、その進歩の証しは確固たるものになっています。6ヶ月前、1年前の「足りない」ソフトウェア・アプリケーションのリストは現在のものとは比較になりません。Visual Basic風のプログラムを探している人のためにGambasは格段の進歩をしています。強力なメタIMクライアントとしてGAIMも登場しました、といった具合です。現在の最大の欠落要素はおそらく、オンラインバンキング機能をもつパーソナル財務会計プログラム(ala Quicken)および、FrontPageあるいはDreamweaverのような製作と管理を密接に統合するウェブ開発ツールになると思います。(我々は来週、オンラインバンキングのニーズに答える、画期的で手頃な価格の製品がClick-N-Runに加わることをお知らせできるでしょう。)ビデオゲームは、Linuxにおいて全般的に製品が欠けているカテゴリです。GarageGamesのように新興ではあるけれども偉大な会社はいくつかありますが、実績のあるゲームは不在です。最後に、ストリーミングビデオはデスクトップLinuxの弱点です。三大コーデック(QuickTime,Real,Windows Media)のいずれもこれまで、(※Linuxプラットフォームの)サポートを提供するという実際の参加を示していません。完全なクロスプラットフォーム・ソリューションによって得られる、他社に対する優位を約束する確実な好機がある、と私は考えるのですけどね。

3) Linuxはギークのための崇拝の対象でありつづける?
by reallocate

「コミュニティ」の一部のメンバーを特徴付けているLindowsに対する敵意は、Linuxが「ギークだけの」崇拝の対象でありつづけて欲しいという、彼らの願望からくるものではないか――これについて、あなたはどう考えますか?

ロバートソン:

Linuxで消費者は、ソフトウェアにおいて文字通り何億ドルもの節約をすることができます。それゆえ私は、それを市場にもたらすチャンスが我々にもあるという、強い期待をもっています――これこそ我々のビジネスです。

私はカリフォルニア大サンディエゴ校(UCSD)で学びましたが、そこでの私の専攻の一部として、アセンブリ言語プログラミングの科目が必須となっていました。そこはコンピュータ科学の「草刈り」科目の一つで、学生の60%が落第するかドロップアウトするという有り様した。私はそこで合格点をとるために奮闘し、目標達成のための素養を大いに身に付けました。翌年、その専攻の必須科目はアセンブリ言語の必須を軽減するように変わりました。この決定に関して私はついていなかったと認めざるを得ませんね。私の後に学位を同じくする者たちは、私がしたのと同じあの拷問のような実験を経なくてすむ、ということになりますから。

最近までは、Linuxデスクトップを稼動させることは名誉のバッジでした。しかしLindowsOSは3分でインストールすることができ、あなたのコンポーネントのすべてを自動認識して、マウスをシングルクリックするだけで大抵のソフトウェアをインストールします。当然ながら、「草刈り」科目の道を通ってきた方々を興奮させるようなものではないでしょう。

4) Wineは?
by IamTheRealMike

あなたが(※Lindows.comを)始められた頃、あなたはWineConfを後援するなどWineに多くの努力を注ぎました。それはうまくいきませんでしたが、CrossOverとWineXの最新のリリースが示すように、Wineは絶えず進歩しています。あなたは、いつかそこに戻ろうと考えているのでしょうか? それとも、ああいったことすべてに幻滅してしまったのでしょうか?

ロバートソン:

我々はJeremy White氏とCodeWeaversに、またすべてのWine開発チームに心からの敬意を表しておりますが、しばらく前に我々はWineと決別することとなりました。それはまったく(※ユーザの)財政面を考えた決定だったのです。我々が行った分析はこうです。Microsoftは利益の約半分をOSを売ることから、半分をオフィススイートを売ることから得ています。LindowsOSユーザがMicrosoftのオフィススイートに依存しなければならないままだとすると、彼らはソフトウェア購入代金の半分だけしか削減することができないでしょう。その上彼らは、制限的なライセンス、アクティベーション・コード、終りのないセキュリティ問題、高額なアップグレード・オプションを扱わなければならないままなのです。疑う余地なくMicrosoftはその勢力を、他ならぬMicrosoftが提供するものを使うユーザを虐げることに行使しつづけています――彼らユーザが現在、349ドルもするMicrosoft Wordや399ドルのMicrosoft Officeを使っていることは象徴的です。劇的な削減を実現するためには、我々がMicrosoft抜きのコンピューティング・ソリューションへと移行する必要が大いにあるのです。

我々は使いやすさに焦点をあてつづけるが、我々が促進して洗練させることにエネルギーを投入する対象はMicrsoft Windows上のプログラム遺産よりもネイティブプログラムである方がかなり良くなる、と考えました。こうすることで我々は、OSとそれ以外の主な支出であるオフィススイートに関して、消費者の出費を大幅に削減することができます。もう一つの重要な発展として、StarOffice/OpenOffice製品においてなされた格段の進歩があります。我々は現在これらの製品を、安心して保証しお届けできるようになっています。

我々はMicrosoft Windowsプログラム実行能力の促進を取り止めましたが、我々が重要と考えているファイルフォーマットの互換性については強調しておきます。人々はしばしばdoc、xls、pptファイルを開いたり編集したりする必要に迫られます。手ごろな価格のプログラムに集中することで我々は、コンピュータユーザの皆さんにその能力を最低価格にて提供できるようになっています。

5) MP3.com回顧
by prostoalex

あなたがまったく新たに音楽サービス事業を始めようとしていると仮定します。MP3.comを振り返ってみて、やり方を変えるものは何かありますか?

そもそも、MP3.comはビジネスとして良いアイデアだったと考えていますか? Vivendi Universalへのサイトの売却は正しい選択だったと考えていますか?

ロバートソン:

MP3.comにおける我々のゴールは、大衆にデジタル音楽をもたらすことでした。そして我々は永続的な影響を与え、後に発見することになる、より良い状況を世界に残したと思います。我々はMP3を普遍的な標準とするために議会で、法廷で、はたまた産業界で激しく闘いました。MP3は、我々が最終的に顧客とする音楽ファンにとって最良のものだったからです。現在MP3は普遍的な標準であり、DRM(※Digital Rights Management)計画は阻止され、ポータブルプレーヤーは合法で、実質的にすべてのハードウェアがMP3をサポートしています。消費者は彼らの音楽を自由に取り扱うことができ、比較的良い状況にあります。

我々は、しようとしたすべてを達成できませんでした。我々は「音楽サービスプロバイダ」の概念に挑戦していて、その概念は、利用者のすべての音楽コレクションをオンラインで保管し、オープンなAPIを通じて(PC,ポータブルプレーヤー,電話,自動車,CD-Rなど)あらゆるデバイスにクリック一つで転送するという、画期的な技術によって支えられていました。ライセンスについての抗議、拘束的な法解釈、および音楽業界の新技術採用に対する抵抗は、この方面への我々の努力をぶち壊しにしてしまいました。報道で噂されている、AppleのiTunesの「ワンクリック」購入とポータブルプレーヤーへの転送機能は興味深い――まるで、我々が2年前にやろうとしていたことのようです。私は、これを実現に至らしめた重要な基礎を築いたのは我々だが、我々のビジョン全体を伝えるのには失敗したのだと考えています。

私は、我々の株主のために適切と考えた時期と価格でMP3.comを売却しました。後悔はありませんし、私がした決断を考え直すことはないでしょう。

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アレゲはアレゲ以上のなにものでもなさげ -- アレゲ研究家

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