
akiraaniの日記: pixivのカオスラウンジ問題 12
pixivが一連の騒動を釈明 「創作活動が快適に行える場でありたいという基本に立ち戻る」(ITmedia)
問題の経緯や概要は記事にあるので見てもらうとして、なぜこんな問題が発生したのかという根本的な部分について微妙に思うところがあるので日記のネタにしようかと。
まず、ポイントとしては「現代アート」とやらの概念が先鋭的すぎて現代アートファン以外の大多数の人間にその価値が分からないという点があるようです。
pixivも例外ではなく、カオスラウンジの作品自体には何の価値も見出してない人がマジョリティ。創作物の価値ってのは基本的に作者の作業量ではなく受け取る側が決めるものなので、pixivという場では虹裏のネタコラ以下の価値しかないと判断されてしまうわけです。
pixiv運営側の対応を難しくしているのは著作権の親告制度にまつわる事情でしょうね。
いわゆる権利者削除というのは、実はけっこうなコストがかかる行為です。侵害された対象を見つけて、運営に対して権利の正当性を見せなければいけないわけですが、これに結構な手間と時間がかかります。ところが、以前の日記で供託金制度の話をしたときにちょっと触れましたが、趣味でネットに作品を発表してる人が権利侵害を訴えても基本なんの得にもならないわけです。
そのような状況では著作権侵害があっても誰も申し出ないという状況になります。著作権法が親告罪である以上、運営は権利問題に関しては行動が起こせないわけです。
結果としてどうなるかというと、商業作品権利者によって通報体制がある程度出来上がっている従来型のコラ画像のみ権利者削除され、カオスラウンジの作品は放置されるということになります。まあ、これはpixivの釈明内容から推測して導き出したストーリーなので、なる可能性が高い、という言い方のほうが正確かもしれません。
ただ、少なくとも、一連の削除騒動はカオスラウンジとのつながりを証明するものではないということは言えるかと思います。だからと言って、否定ができるわけでもないですが。ただ、pixivの運営を批判している人はこのあたりの仕組みからくる可能性を理解しておいたほうがいいのではないかと思います。
個人的な意見を言わせてもらうと、pixivにとってカオスラウンジを味方する意味って経済的にもコンプライアンス的にもないというかむしろリスクばかりだし、かといって排除してもあしき前例になるし角が立つしで正直関わりたくないのではないかと思います。
CGMの連鎖反応は少なくともコミュニティ内で通じるリスペクト精神がないと成立しません。コラージュ作品をpixivで発表する以上、pixivの大多数のユーザーに対して価値とリスペクト精神が理解されないと叩かれる一方です。残念ながら漏れ聞く話を聞く限りカオスラウンジはこれができてませんので、こういう反応になるのは至極当たり前の結果だと思います。
ただ、pixivはとばっちりを一方的にかぶる形になってるんじゃないかという気がしますよ……。
ひとこと (スコア:2)
セミや野菜や犬やよく知らないおっさんが削除請求してくるんかいな。
pix"i"v (スコア:0)
違うような (スコア:0)
>まず、ポイントとしては「現代アート」とやらの概念が先鋭的すぎて
>現代アートファン以外の大多数の人間にその価値が分からないという点があるようです。
現代アートがものすごい価値があろうが無かろうが、
・人の著作物を勝手に使うな
・人の著作物を切ったりするな
ってところは変わらないと思います。
ましてや、それで金を取るようなのは問題でしょう。
その辺きちんとした上で現代アートに使われるのであれば問題なかったのでは?
っていうのがカオスラウンジ側の問題で。
それに対してpixivの対応が遅かった。ってのはpixiv側の問題。
ついでに言うと、釈明?の時点で、カオスラウンジと手を切るぐらいのことが出来ないようであれば
pixivのユーザ離れは止まらないでしょうね。
Re:違うような (スコア:2)
いわゆる現代アート作品が他人の著作権を侵害していても著作物と認められるかという話なら、それは認めて良いと思います。それと同時に作品がpixivの規約に反するのであれば、規約に基づいてpixivから削除するのが適切でしょう。他人の著作物を切った張ったして権利を侵害し、それに見合ったリアクション、例えば多額の損害賠償請求、を受けることは作者の自由と言えると思います。今回の騒動ではpixiv側の基準のはっきりしない行動がむしろ問題じゃないでしょうか。セミの絵とかマケドニア国旗のようなもの、コラージュの許可のあるフリー素材を元にした絵なんかを片っ端から削除したり、ピクシブ百科事典から現代アートの項目を削除したり、開発者ブログのツイートボタンを隠したりといった行為が全て裏目に出ているというのが今回の肝のような気がします。
# 乱文失礼
Re:違うような (スコア:1)
> ・人の著作物を勝手に使うな
> ・人の著作物を切ったりするな
カオスラウンジにこのような問題があったという点は同意。で、pixivは何ができたのか。
著作権者(注:著作者では無い)と確証が取れる人から文句言われないと堂々と動けないんじゃなかろうか。
KyaTanaka
Re: (スコア:0)
> 著作権者(注:著作者では無い)と確証が取れる人から文句言われないと堂々と動けないんじゃなかろうか。
じゃあ同時に削除依頼された他のユーザーの作品はなんで削除されたの? そもそもそれが炎上の決定的なきっかけだったと思うんだけど。
ちなみに同一性保持権にもろに引っかかるから著作者でもかまわないでしょ。
Re:違うような (スコア:1)
> じゃあ同時に削除依頼された他のユーザーの作品はなんで削除されたの?
なるほど、著作権的に問題がなさげな作品まで削除されてたのですね。
何を根拠として削除しら/依頼かけたんだろう。「現代アート」って言葉を商標登録とか特許庁になんか出願してると言う一昔前のelfのようなケースも考えたんだけど違うっぽいしな。
KyaTanaka
Re: (スコア:0)
Re:違うようなに対する違うような (スコア:1)
んー。現代美術っていうのは応用芸術でないからね。科学で言うと基礎研究みたいなやつではないんですかね?(もっとも私は科学はわかりませんが)
イラストレーションやデザインのように応用芸術はある意味確定された事項にそって制作するのですが(簡単に言って)、確定されたことを問い直す作業をやるのが現代アートの仕事の一つでないですかね。したがって現代アートにおいては「著作権とは?」というのも大きなテーマになりうるのではないでしょうか。
そういう前提があるとして
・人の著作物を勝手に使うな
・人の著作物を切ったりするな
というのは正しそうでちょっと議論がずれていると思います、なぜならそういうことはクリエートと呼べるのかということを作品として議論しているわけですから。(最もクリエートにならない可能性もありますが。)
私も本を読もうと思ってまだ読んでいないですがロラン・バルトやミシェル・フーコーあたりがdeath of author的なこと言ってなかったですかね?(あくまでも「作者というものとは?」の議論ですが)
余談:
まーカオス*ラウンジ程度(他人の作品の借用という意味で)の作品でこんなに議論になるのは変な気もしますが。
Re: (スコア:0)
それこそ違うだろう。
今まで散々著作権を侵害した絵が投稿されていて、周囲もそれを看過してきたのだから。
細かい事情は省きますが (スコア:0)
仰る通り、著作権侵害が処理しにくいということ自体は正しいと思います。
ただし、運営批判の直接の原因はむしろ、現代アートタグの画像を削除し続けたことにあると思います。
セミや野菜など、何の問題もないとしか思えない絵まで大量に削除されましたし、
削除理由も未だに明らかにされていません。
そこに著作権侵害処理の問題や、個人情報流出、カオスラウンジ関連の疑惑等が絡んで、
運営への不信感が噴き出した結果としてユーザ流出が起こっているのだと思います。
カオスラウンジ抜きにしても、一方的なとばっちりというのは難しいのではないかと。
#それはそうとこの件、タレコミ3本くらいあったけど全部流れちゃいましたね。
#炎上的なニュアンスが強いから採用しづらいのかな?
タレコミ考察 (スコア:0)
たぶん三つ目のタレコミ [srad.jp]をしたものですが、前二者(1 [srad.jp], 2 [srad.jp])は当事者視点が強いのが原因かなぁと思いました。「炎上させる」ための記事にも見えますし。自分のは、watch的な観点で書いたので、内容は自分ではそれほど問題ないと思うのですが、出典が2chまとめと