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日記

akiraaniの日記: らのべえ、Dance×Mixerがダメだった理由を考察してみる 5

日記 by akiraani

 連休中、なんともなしに物語作成ツールとしてのMMDについてちょっぴりだけ考察した(参考)んですが、考えるべき要素として類似の機能を持つ市販ソフトのことを思い出しました。

というわけで、MMD文化の影響を受けたと思われる市販ソフトを3つ例にとって考察していこうかと思います。

コミpo!
 3Dの人型モデルを好きなアングルで配置して、表情をつけたりして誰でも簡単に漫画が描けますというソフト。非常によくできたというか、本当に初心者でも何か形になったものが作れるという意味で優秀なソフトです。MMDで静止画ドラマを作ってる人はいますが、吹き出し、コマ割、平面の背景効果など漫画特有の機能が充実しているのでコミpoの方が便利に作れます。
 今回話題にあげた3つの中で、もっとも成功していると言っていいかと思います。少なくともサポートは継続してますし、けっこういろんなところ(公共団体なんか)でも採用事例があったりします。中には、プロが下書きに使うというケースもあったりするようです。

らのべえ
 わかる人向けに簡単に説明すると、動画出力機能を備えたノベルゲーム作成ソフトです。売りにしていたのはノベルゲーム風の動画を作る機能で、紙芝居クリエイター+素材集みたいな構成になっています。MMDとの直接の接点はないソフトですが、動画作成に関しては、MMDと紙芝居クリエイターで似たようなことをしている人が結構います。競合ソフトの一種という見方もできるかと思ってます。
 で、今さっき調べてみて知ったんですが、このソフト、今年の3月にサポートが打ち切りになっています。

Dance×Mixer
 軽量手軽と言うMMDのコンセプトをさらに特化して、ダンスPVを作成することだけを考えたソフト。モデルを配置して、インポートした楽曲に合わせてダンスモーションを適当につなぎ合わせれば簡単にニコマス風の動画が作れます。
 一時期このソフトを使った動画もちらほら見かけたんですが、モデルの充実度などではどうしても追い付かない部分があり、手軽なだけで誰がつくっても似たような動画になり応用/差別化が極端に難しいこともあって、MMD界隈でもほとんど話題になることはなかったと記憶しています。
 これも先ほど調べたところ、今年の5月にサポート終了の告知が出ていました。

 この手の個人向けクリエイティブ系のソフトを出すにあたってどうしても避けて通れないのは「需要にあった素材が提供できるか」という問題です。
 なんだかんだで、ものづくりと言うのは最初は模倣から入るものであり、既存作品のアレンジが足がかりになって趣味の創作につながっていくという流れが基本になります。しかし、商業的にそういったユーザー向けに素材を提供するためには権利関係をクリアする必要があります。それも、クリエイターコミュニティで話題に上り続けるように継続的に。これが事実上不可能と言ってもいいでしょう。
 また、らのべえとDance×Mixerは、そもそもユーザーコミュニティが定着しなかったのも流行するに至らなかった大きな要因ではないかと思います。MMDに関してはボカロファンと言う巨大なファン層があり、その中から派生したコミュニティでも相当な規模になったという事情がありました。人がすでにいたからこそPMDEditorなどの重要周辺ツールが急速に整備され、モデルも需要がでてくれば同好の士が好きで作ってフリーで公開するという状況になり、その流れで東方やアイマスといった多ジャンルにも展開・浸透していきます。MMD杯なんかのユーザーイベントも多数のファンがいなければ開かれることもないし、開かれても継続して続けられることもなかったでしょう。クリエイターだけでも駄目だし、ファンだけでも駄目、コミュニティ内に両者が接する位置にいて交流することができるというのが絶対条件になります。
 しかし、このような受動的なコミュニティ形成はニコ動の中でフリーソフトとして提供されるからこそ可能なのであり、商業流通を通じてパッケージソフトとして販売する場合は使えません。このため、コミュニティのための場の提供、素材追加からイベントまですべて運営側で企画して面倒をみる必要があります。正直言って、一介のソフト屋のサポートの範疇を超えていると思います。

 まあ、こうして筋立てて理由をひねり出してみると、最初から無理だったという結論にしかならないわけですが……。
 コミpoは追加の有料ライブラリはもちろん、いろんなイベントに顔を出したり、コミュニティサイトを自前で用意してユーザーと交流したりと本当に精力的に対外活動をしています。趣味の創作活動者向けの商業パッケージツールは、ソフトウェアの質だけではなく、コミュニティ形成のための広報活動が生命線になるのではないかと言う気がします。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2012年09月18日 16時52分 (#2233964)

    コミPo! は、「こんな感じのが簡単にできますよ」って例示があって、
    それが本当に5~10分でできちゃうのがポイントですよね。
    やっぱり Hello World! に 1時間かかるようだと、「や~めた」ってなりますから。

  • by Anonymous Coward on 2012年09月18日 17時19分 (#2233981)

    正直今この日記エントリを見るまで存在すら知らなかった。他の2つは聞いたことくらいはあったけど。コミpo!は過去に表でストーリーになってたと思うし。

    • by Anonymous Coward

      らのべえ、終わってたのか

      美少女ゲームメーカ向けのsketch / ExHIBIT [retouch.info]を開発しているところが出してきたでしたけど、開発元のページ [retouch.xsrv.jp]の解説を見ても、あまり楽しそうな雰囲気が伝わってこない、というあたりも障壁だったのかも・・・

      LiveMaker [livemaker.net]の方がライト層向けにはちゃんと回ってる印象

  • by Anonymous Coward on 2012年09月18日 17時40分 (#2234000)
    コミPo!製の漫画がガンガンで連載してますね。
    3Dツールの欠点や特性をうまくギャグのネタにしてて感心した覚えがあります。
typodupeerror

計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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