akiraaniの日記: 3Dモデルを使った動画の制作関係者は複雑で暗黙ルール以外で処理しようがないんだよ、という話 8
3Dコンテンツの共有・改変サービス、無断投稿や改変の可能性があるとの批判を受けて終了 関係の話。
この話題、IRCのMMDチャンネルでも話題になってたのでサービスが終了したこと自体は知ってました。なぜ批判を受けたのかはあとでまとめで見ましたが、一番問題視されたのは賞金を出すなどの金銭的なインセンティブを提供していて、賞金ゲット目指せみたいなあおりでコンテンツを集めようとしていたようです。
規約上は自作コンテンツのみしか投稿できませんってことになってはいますが、金目当てでぱくったデータを公開するおバカを止める抑止のための仕組みがないため、これはあかんという認識になっていた模様。
さて、本題ですが、この件を本当に理解しようと思うと、これらの3Dコンテンツを作るのにいかにたくさんの人間がかかわっているのかをまず知っておく必要があると思う。
ニコニコ動画に投稿されているMMD動画だと、思いつく限りだと、以下かな。
・動画内で使用されるモデルの元になったキャラクターをデザインした人
・モデルを3Dデータに起こした人(モデリング)
・モデルにボーンやモーフを埋め込んで動かせるようにした人(セットアップ)
・モーションの元になるポーズや振り付けを考えた人
・モーションデータ/カメラワークを作成した人
・各種エフェクトなどの演出を付けた人
・脚本/コンテを作った人
・音声素材を作成/編集した人
さらにたどると
・動画出力のための各種ツールを作成した人
MMD、PMXEditor、AviUtl、その他市販ソフトなど
・ツール内で利用するプラグイン等を作成した人
MME、エフェクト、ファイルコンバータなど
とまあ、こんな感じで非常にたくさんの人が分業して最終的に作品が出来上がってます。もちろん、分業せず一人でやってる作品も中にはありますが、そんなのはほんの一握りですね。
ツール類やプログラミング的作業などを除いて芸術分野での創作と考えられるものだけに限ったとしても、クレジットには何十人と並ぶなんてこともざらです。
これだけの人間がかかわって、明確に著作権を持っている関係者だけを数えても片手で足りない、しかもそれらの権利者はライセンス管理の委託などは一切行っておらずコミュニティの暗黙のルールに基づいて素材を提供して、マッシュアップを推進してるわけです。
MMD動画に関しては、これらの関係者をなんらかの方法でクレジットするのが暗黙の了解になっていて、大多数の動画製作者に(めんどくさいけど)礼儀として必ずやらないといけないこと、と認識されているようです。MMDのプロジェクトファイルから利用しているモデルなどのデータをまとめてクレジット形式で出力してくれるツールなんてものが実際に存在していたりします。
このあたりの複雑すぎる関係者をまとめるのに大きな功績を果たしているのが、ニコニコ動画のニコニ・コモンズやコンテンツツリー等のコンテンツ権利表記システムで、最近の動画では「お借りしたものはコンテンツツリーで」なんて形でクレジットがなされることも多いです。
モデルにしろモーションにしろ、素材を公開するときに紹介動画や静画などをだいたい作成するわけですが、作品を公開するときに使用した素材の紹介動画をコンテンツツリーに登録しておけば、親となった素材動画/静画の子ツリーに親登録した動画が追加されるという仕組み。
この仕組みのおかげで再帰的にコンテンツ作者の情報をたどることができ、ニコニコ動画というプラットフォーム上のみに限定されますが、最低限の手間で権利関係の憂いなく素材を利用して新しく作品を作る(いわゆるマッシュアップ)ができるわけです。
また、この親子をたどることができるシステムのおかげで、無断転載した素材などの発見が容易になっているという側面もあって、削除依頼などのコミュニティ内の自浄作用を発揮しやすい形になってます。
当初いろいろ言われていたけどニコニ立体とかが受け入れられているのは、結局のところコンテンツツリーに含めることができるというのが大きいのではないかという気がしています。
逆に、コモンズツリーのシステムなしにこれらの素材をUGCとして利用するというようなサイトはほぼ受け入れられない、ということですね。
結局のところ、MMDをめぐる一連のツールの最大の功績は「さまざまなジャンルの才能を持つ人が分業して作品を作ることを可能にした」ことにあり、ほとんどの作品がニコニコ動画内で発表されるのは「複雑すぎる関係者が円滑に素材を提供し相互利用する機能」を提供してくれているからなのではないかと思います。
これどちらが欠けても成立しないので、MMDがニコニコ以外のコミュニティではうまくいかない最大の要因となっています。
余談になるけど、YouTubeへの転載対策として具体的な転載禁止の注意事項とは別に「この動画はニコニコ動画内でのみ利用が許諾されているニコニコモンズ素材を使用しているので他のプラットフォームで公開した場合著作権侵害になります」といった注意書きがよく見られます。この注意書き自体には動画の転載を抑止する効果はないと思いますが、無断転載動画であることを告知すること、転載動画の視聴者に転載者が作者と誤解されることを防ぐ効果を狙ってるんだと思います。
実際に実力行使するのであれば、削除依頼を出すためには転載される前に先んじて非公開で動画を投稿しておき、転載されたものに対して「私が投稿したこの動画の権利を侵害している」という形でDMCA申告すると問答無用で削除されるので一番効果的、らしいです。
続く
片手で余る (スコア:0)
少ないという事になります
両手でも足りないの対義語かな
♯このコメントは削除及び沈めておkです
めんどくさい (スコア:0)
これじゃまともな製作者は近寄りませんわ。
このままMMD文化(そもそもそんなものがあったのかすらわかりませんが)は雲散霧消していくでしょうな。
Re:めんどくさい (スコア:2)
まともな制作者は素材を使ったらその素材の作者に感謝するものだよ。
それができないやつばかりだったらどんなジャンルでもコミュニティは成り立たないだろうねw
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re: (スコア:0)
れい‐ぎ【礼儀】
1 人間関係や社会生活の秩序を維持するために人が守るべき行動様式。特に、敬意を
表す作法。「―にかなう」「―正しい人」「親しき中にも―あり」「―作法」
礼儀(レイギ)とは - コトバンク [kotobank.jp]
礼儀ってのはルールでもあるんだよな。複雑すぎるルールは、守れる人間を絞る。守るコストが
高すぎれば、その界隈に近づくことはできない。俺は上のACじゃないが、今のMMD界隈にはとても
深入りしたいとは思わないな。
Re:めんどくさい (スコア:1)
実際には、ルールは簡単。突き詰めれば、素材提供者へのリスペクト精神を忘れないで人間社会で暮らしていくための常識的な振る舞いで作品を作るだけだ。
ルールが難しいんじゃなくて、関わらないといけない人間の数が多いだけだ。
権利持ってる人が沢山居てややこしいのはそれだけ専門性の高い分業が必要になるから。高度な分業が必要になるのはMMDだからじゃなくて、アニメーション作品を作る作業がそういうものだからだ。
テレビ番組とか見てみれば、5分帯枠のテレビアニメにすら何十人というスタッフがクレジットされているだろう?
アニメーションってのは、普通は金持ってる人間が音頭とって有償でいろんな方面の人手をかき集めないと作れないものなんだよ。
そういうプロジェクトをオープンソース的な精神で成功させることがいかに難しいか、スラド普段見てるような連中ならよくわかってると思うんだけどね。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re: (スコア:0)
守るコストが高くなりすぎると、内部の人間にも扱いづらくなって、自然と簡略化の動き(縛りの少ない作品・素材に人気が出て人が集まる)が出てくると考えられるので、MMDもそのうち落ち着いてくるのでは…?
むしろ、今のMMDが混迷しているのは、中の人にもどんなルールが自分たち(の文化)にとって最適なのか把握しきれていないからって面も大きいのかも…。
Re: (スコア:0)
ある意味、その「めんどくささ」こそが「文化」なのかも…。文化と言うのは「人間関係でのトラブルを抑制し、共に共通の目標に向かって作業するための習慣・暗黙の了解」とも言えるし、例え「村社会文化」の様にデメリットを含むものも、文化には違いないわけで。やっぱり、日本人は「狭い」範囲に固まって暮らす精神文化が有るのかも…。ある意味同人文化もそうですし。
だったら (スコア:0)
なおさら意味のないライセンスごっこなんかさっさとやめるべきだな