akiraaniの日記: JASRACなくしてバンブラDX、バンブラPはなかった、という話 8
参考エントリ:大合奏バンドブラザーズDXがいい、バンブラDXの話~神々の打ち込み編~
無印バンブラからバンブラDXになってもっとも進化した点はどこだったかと言うと、ユーザー投稿曲を公式配信するという前代未聞のシステムを作り上げた点にあります。
バンブラシリーズは作曲機能を備えていて、打ち込んだ楽曲がそのまま音ゲーとして遊べてしまうと言うところがゲームの最大のポイントです。が、作曲、すなわちDTMへの打ち込みは素人がおいそれとできるものではなく、作曲機能の恩恵を受けれるのはごくごく一部のユーザーだけでした。
これが、バンブラDXになって「ユーザー投稿曲を受け付けて公式配信するシステム」が実装され、全ユーザーが作曲機能の恩恵を受けることになり、面白い音ゲーから神ゲーに進化するわけです。
ちなみに、ユーザー投稿曲がどれくらい盛り上がったのかについては社長が訊く『大合奏!バンドブラザーズDX』に当時のことが書いてあるので参考までに。
実は、このユーザー投稿曲の公式配信がJASRACなくしてはありえなかったシステムなんですね。
当然の話なんですが、楽曲データを配信するのであれば当然相応の権利処理を行う必要があります。音ゲーデータの配信は著作権法の支分権で言うところのインタラクティブ配信に該当します。
バンブラの作曲機能でオリジナル音源を起こす場合、JASRAC信託曲であればJASRACにお金を払うことで配信が可能になります。
もちろん、JASRACに信託されていない曲も存在していてそれらの曲はバンブラDXには投稿できません。それ中で当初から要望が強かったのが、ボカロ曲、東方Project楽曲。
そのうち、ボカロ曲に関しては2011年ごろから楽曲の権利委託をするPが増えて(※1)、バンブラDXの末期ごろにはちょくちょく投稿されるようになりました。バンブラPになってJRCの信託曲もOKになったので一気に増えて、たぶんプレイ可能な楽曲数だけならProjectDIVAやProject mirai よりも多いんじゃないかと。
東方Project楽曲は基本無信託なんですが、バンブラPになってバンブラスタッフが神主と直接交渉したらしく、上海アリス幻樂団名義のCD収録楽曲のみ投稿可能(※2)になりましたが、それ以外の東方同人の人気曲はユーザー投稿できず、タイアップ企画でもないと入りません。
これらの事例を見ると分かるように、JASRACやJRCといった著作権管理委託業者に信託されているかどうか対応できるできないが大きく左右されるんですね。
まとめます。
・バンブラP、バンブラDXが神ゲーたる所以はユーザー投稿曲システムにある
・バンブラ/ニッポン放送スタッフの審査とは別に権利処理ができないとユーザー投稿曲システムは成り立たない
・権利処理は著作権管理業者(主にJASRAC)の存在がなければ不可能だった
・ゆえにJASRACなしにバンブラDXが神ゲーになることはなく、バンブラPもなかった
ということですね。
そんなわけで、バンブラにどっぷりはまっている人はだいたいJASRACに感謝しているのですよ。
たまに「100曲制限はJASRACのせい」などの文句をつけてる人を見かけますが、たぶんゲハブログ界隈の情報鵜呑みにしたゲームやってない勢です。
※1
・【ニコ生】新しい著作権のかたち ~JASRAC菅原理事長と考える~を見た感想
・バンブラDXにボカロソングが入り始めた……
・バンブラPに投稿可能な有名ボカロ曲調べてみた
音楽著作権代理企業 (スコア:2)
は必要だろうけど、JASRACだからかっていう論議になると、また別になりそう
# 意義はよくわかるし、まとめ役としての仕事自体はやってるとは思うので、なにとは言わないんだけどね。
M-FalconSky (暑いか寒い)
Re:音楽著作権代理企業 (スコア:1)
私見ですが、公益性高い業務なので寡占認めたうえで外部機関による監査を入れるべきなのではないかと言う気がします。
著作権管理事業法を大幅に見直して、公正取引委員会のような形で運用して、各種権利者団体がそれを監視する形にしたほうが良いんじゃないですかね。
そこまでは無理でも、せめて複数ある著作権管理事業者をまとめてひとつの窓口で一律のルールで処理できるようにはできないものかと。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re: (スコア:0)
利益を追求しコストを削減することに躍起になっているように思う。
単なる民間企業ならそれでもいいだろうけど、独占企業かつ文化の担い手としては駄目でしょう。
NTTやNHKもそうだけど、そのあたりの自覚が一般と隔離しているんじゃないかな。
Re: (スコア:0)
別に独占とか文化の担い手とか関係なく、営利企業なら利益追求で何の問題もないよ。
それを制御すべきは独占禁止法と企業法とか、国や法側の問題。
況や文化の担い手(笑)とか、音楽作ってるとこ自体から多大な腐臭漂うような界隈で、
淡々と金稼ぎしているJASRACの方がまだマシ。
まあそれ故に「我々は文化の担い手」とか講習まきちらしながらのたまうならそれは批判の対象たりえるのだが、
逆に言えば文化の担い手たる責務は無いに等しいと思ってる。むしろ潰し手?(えー
今のとこはそういうとこからはお咎めなしでやってるってことは、国から一般社団法人としての義務は果たしてるねってお墨付き。
よってJASRACが粛々と金稼ぎに手段を厳格化・拡大しているのなら、
国もこの独占企業に対してどんどん厳しく監査していくのが望まれる体制。
#無能はやっぱり国機関だというお話。
Re: (スコア:0)
例えばJASRACが音楽市場を切り離して良いかというと駄目だよね。
そういった点で、普通の営利企業とは違う振る舞いが求められる。
簡単に言えば、例え他に原因があったとしても音楽市場が縮小するのはJASRACが悪い。
Re: (スコア:0)
>そういった点で、普通の営利企業とは違う振る舞いが求められる。
>簡単に言えば、例え他に原因があったとしても音楽市場が縮小するのはJASRACが悪い。
そこの言い分には矛盾を感じるな。
音楽市場の「利益の」拡大・縮小はJASRACの利潤に直結するから、むしろ正しく営利企業であるべき。
そもそも普通とは何ぞや。音楽に限らず業界には個別の、製造業とか作るものによってルールが異なってくるのに、
JASRAC単体に対して「普通の営利企業とは違う振る舞いが求められる。(キリッ)」とか言われても
「はぁ、へぇ。で?」で終わってしまうわ。
オチで煽りの類だとわかるがそれにしても頭が悪い。湯豆腐が詰まってた方が世間の役に立つぞ。
Re: (スコア:0)
> #無能はやっぱり国機関だというお話。
国の機関には適切なインセンティブがついていないからね
それを見ずに批判してはいけない