anqmbの日記: 87歳の不良の記録
日記 by
anqmb
NHKアーカイブスで横山大観が美術史家・野間清六のインタビューに答えた当時の生番組を見る。ほとんど編集をされた形跡がない流しっぱなしの番組だったようだが、1955年当時はそういう作りが普通だったらしい(資料1・2)。
NHKのページやインタビュー中でも使われている「朦朧体」という言葉、(私はそもそも横山大観という名前じたい歴史の教科書で名前を知っている程度なので知らなかったのだが)番組を見ているとわざわざ「無線描」と言い換えていたりして不本意そうだったので、後で調べてみるとやはり蔑称だった(1,2,3)ようだ。そりゃ言われるほうは面白くないわな。道理で、途中でたばこを吹かしたり、同じ内容を繰り返したりして煙に巻くわけだ。とくに「芸術は人によるのですよ」という言葉はそれぞれの人が自らの道を見つけて独自の境地に進んでいった成果を並べて美術史とする物の見方の否定とも取れ、聞きようによっては些か失礼にも思える判り切った質問が多かったインタビュアーに対する、嫌味っぽいものがある。芸術の話のときに何故か政治の話を持ち出したのも、日本画壇の画壇政治から弾かれたことに対する怨念みたいなものがあったのかも知れない。
そんな大観先生が最後に孟子の言葉を引用していた。「自ら反りみて縮くんば、千万人と雖も吾往かん。(みずからかえりみてなおくんば、せんまんにんといえどもわれゆかん。→説明)」そのぐらいの気迫がなければ芸術をやっていけないというのは一面の真理なのだろうが、一方では(当時の主流から飛び出したために理解されず、まったく絵が売れなかった頃もあった)先生の不良っぽさが出ていて、そういうのが好きなわたくしはついつい好感してしまったのだった。
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