aruto250の日記: ドラグネット・ミラージュと川崎康弘
読みかけの「バビロニア・ウェーブ」を一旦脇に置いといて、前から気になっていた「ドラグネット・ミラージュ」を、2巻が出たのをきっかけに買ってしまいました。
んで一気に読んでしまったわけですが・・・
これは12年前に川崎康弘が討ち死にした戦場ですね。
目指すところは「銃と魔法」と全く同じ。しかし現代版の「銃と魔法」は、作者の素の感性やら力量やらの差か、それとも売っていくための最適化の差かはわかりませんが、ともかく読者の間口は相当広く取れていそうな感じ。というかあれか、川崎康弘はハードボイルド側に振れすぎていたって話かな。
そういうわけで読み終わった印象は、有り得たかもしれないもうひとつの「銃と魔法」だなぁと。
しかしこっちもまだ2巻。「銃と魔法」だって2巻までは出たわけで、油断できないところではあります。
これでシリーズが続いていってくれればうれしいけど、そうなったらそうなったで、じゃあなぜ「銃と魔法」は駄目だったのかと複雑な気分になりそう。これが才能の差ってやつなのか?とか、それとも新興レーベルと大物作家という力関係の差なのか?とか。
それはともかく、読んでてこれはさすが、と思ったのは、主人公達がお互いの気持ちに理性的なキャラクターであるところ。これがそこらへんの作家だったら、あっという間に恋愛感情に発展してしまいそうだけど、しっかり距離を取ってる。あとはティラナなんかは即「ツンデレ」キャラにされてしまいそうなキャラクターだけど、そういうことにはならずに、ティラナはちゃんとティラナしてる。このへんに作者の力量みたいなものを感じます(とか言って全然見当違いのことを言ってそうだ>俺)。
逆にこれが川崎康弘だったら、内面の描写とかはもっとずっと少なくてパサパサした感じになってしまうんだろうなぁ。いやハードボイルド路線なんだからそれで当然なのか。
えーと個人的には、川崎康弘さんがスラップスティックの彼方へぶっ飛んで行ってしまったのが残念です。また「銃と魔法」みたいなのを書いて欲しいけど、こんな段違いにメジャーな作家の、露骨に競合する作品が出てしまった後では余計に難しいのかなぁ。
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