aruto250の日記: 力の言葉/デイブ・ダンカン
昨日から数年ぶりに読み返し始めたのでちょっと語ってみる。
このシリーズは中学の頃に新刊で買っていたもので、当時、あんまり面白くないなぁ・・・と思いながらも、どういう訳か律儀に買い集めていたのを覚えています。中学の頃と言えば、小遣いだって確か月に1000~3000円だったので、どう考えても安い買い物じゃないんですが、我ながらよく買っていたものだと思います。
ほんでまあ、あんまり面白くないシリーズという印象があったせいで、買った直後にさらっと読んでから10年近く放置してあったんですが、いい歳になってから読み返してみるとこれが凄く面白かった。
例えば最近になって新装版が次々と出た、デイビッド・エディングスのベルガリアードとかマロリオンなんかは、高校の頃にどハマリして無限ループ読み返し状態になったものですが、今になって思い返すと、「力の言葉」シリーズの方がやや面白いかなーってなもんです。力の言葉に関しては、少ない小遣いをおして買い集めた当時の俺を褒めてやりたい。
お話は、「力の言葉」というある種の魔法が存在する架空の世界を舞台にして、まず北方の小国クラスネガルから始まります。主人公はクラスネガルの王城で働く厩番のラップ。ヒロインになるのはクラスネガルの王女イノス。この2人は幼馴染だったりするわけですが、厩番と一国の王女が幼馴染、というのが特別なことでもなんでもなくて、要するにその程度の小国なんですね。
ラップとイノスが成長し、子供の頃の無邪気さを捨ててお互いの立場の違いを弁えた人生設計を立て始めた、そんな時、王国に蛮族が攻め込んできて、国を脱出するイノスと、蛮族に連行されてしまうラップの2人は離れ離れになってしまう。ラップは蛮族の手を逃れ、困っているに違いないイノスを助けるために旅立つのであった、というのが導入部の筋書きです。
全編を通じて、ラップは不屈の精神と機転で次々と困難を乗り越えて行くなかで何度も拷問を食らったり死にそうな目にあったりしているのですが、イノスの方はまあ、深刻なようでもラップに比べたらどこか能天気な、というか要するにハーレクインロマンスレベルの悩みばかり(本人は大真面目だけど・・・)。なんだかもうラップが不憫でなりません。
ふるっているのが「力の言葉」の設定。言葉自体は意味のない発音の集まりなんですが、その言葉を1つ知っていれば、何か1つの事柄に超常的な才能を発揮する「天才」に、2つ知っていれば、魔法以外のあらゆる技能をその道の熟練者並にこなせる「達人」に、3つ知っていれば、一時的な効果をもつ魔法が使える「魔術師」に、4つ知っていれば、永続的な魔法を使える「魔法使い」になれるというもので、主人公のラップはこの「力の言葉」をひとつだけ母親から受け継いでいます。
また、この作品には「インプ」や「ゴブリン」、「ジン」などの言葉が出てきますが、これは単なる人種を指す言葉になっています。和製RPG的な「剣と魔法」のファンタジー以外を受け付けられなかった中学の頃はそこが納得できなくて、どうにも妖精やら怪物が闊歩する世界が想像されて非常に受け入れ難かったのを覚えています。
話がそれてきた。
今までのところあまり注目されていない作品な上に絶版なんですが、かなりの良作だと思うので、古本屋で見かけたらぜひ買ってみて下さい。
但し、全部で4巻8冊(「魔法の窓」「荒涼たる妖精の地」「荒れ狂う海」「帝王と道化」の各上下巻)あるので、集めるのはそれなりに大変かもしれませんが・・・。
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