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167416 journal

azkの日記: (いまさら)スパコンの事業仕分けについて 2

日記 by azk

72分の録音を聞かせていただいたので。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8793858
個人的には以下の議論?がキモだったと思いました。

  • 「ベクトル+スカラーの複合型」から、NEC等の撤退により「スカラー単独のアーキテクチャ」に変更となりましたが、これについて、仕様変更に伴うソフトウェアの問題、技術者の問題、撤退に関する契約の問題、これらを鑑みた予算とその配分について総括し、ひいてはプロジェクトそのものの方向性や進め方についての見直しをはかりましたか?
    (ちゃんと検討してる・・・よね?)

⇒ (答えられません。)委員会ではスルーだったんですが。

  • 「10ペタのスパコンで世界一を取ることが大事な目的です」と言いますが、既に米国などではこれを超えるスパコンの計画があがっており、このスパコンが完成しても1位でいられる期間はごくわずか、タイミングによっては完成時点で既に1位ではない可能性も考えられることは、素人でも知ってる話です。
    本当は別に大事な目的があって、1位を取るのは副次的な要素なんでしょ?
    たとえ予算の問題で1位が取れなくなっても、このスパコンを作ることで科学技術の発展に有意義な何かがあるんでしょ?
    (お願いだからそう答えてよ・・・)

⇒ いや、1位を取ることが目的です。(キッパリ)

うは、これは無理だわ。プレゼンが下手とかいうレベルじゃない。
これで満額OKとかいう結論を出しちゃったら、仕分け人がグルか、仕事していないことになるわな。
仕分けそのものの存在意義が問われちゃう。

で、説明者が「見直しによる予算の(多少なりともの)削減」という期待された落としどころを無視して、「予算満額獲得で目指せ世界1位、じゃなきゃ無意味」という無理ストーリーを選んじゃったと。
これじゃ仕分け人の立場からは「1か0かと言われれば・・・0としか言えんわな」というオチだよね。

以下、気になった点。

  1. 「事業仕分け」に懸かる案件は多かれ少なかれ何らかの瑕疵を抱えてる案件、少なくとも、財務省主計局の視点で「ツッコミどころ」のある案件とされていることは、官僚レベルである程度想定可能なはずだと思います。
    なのに文科省や理研は「部会や委員会や審議会を通過したので」の一本槍で凌げるとか、本気で考えていたんでしょうか?
  2. NECの撤退とアーキテクチャ変更にまつわる諸問題について、いとも簡単にスルーさせた委員会の立場はどうなるのでしょうか?

この話題に興味があって、まだ元ソースを聞いてない方は是非ご一聴を。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 以下、気になった点。

    1. 「事業仕分け」に懸かる案件は多かれ少なかれ何らかの瑕疵を抱えてる案件、少なくとも、財務省主計局の視点で「ツッコミどころ」のある案件とされていることは、官僚レベルである程度想定可能なはずだと思います。
      なのに文科省や理研は「部会や委員会や審議会を通過したので」の一本槍で凌げるとか、本気で考えていたんでしょうか?

    2. NECの撤退とアーキテクチャ変更にまつわる諸問題について、いとも簡単にスルーさせた委員会の立場はどうなるのでしょうか?

    特に2は常識的に考えると良い質問なのですが、そこでチェス盤をひっくりかえしてください。
    もはや目的と手段が入れ替わり、世界一を取ること、それも精神論の世界に突入した組織を大前提に考えるんです。

    NEC撤退は「軟弱者」が逃げたに過ぎません。その分は 頑張って補う しかない、富士通が。富士通が逃げるかどうかは問題ではありません。おんぶに抱っこ状態だった相手がもう富士通しか残っていないのですから。富士通が消えることはこのプロジェクトが倒壊する事を意味します。なので、それは考えなくていい、考えても事態は好転しないから。

    こんなに頑張っているんだから、予算を回さないなんてのは人でなしだ。

    ....
    ここからさらに、こんなプロジェクトの成果そのものには何の興味もない 小役人根性を全開にしてみる。

    富士通が撤退する可能性なんか100%ありますとも。でもそれでどうしろと。日本には東芝だって松下だってSONYだってある。いざとなったらIBM-Jも持ち出せばいいさ。見てくれの予算だけあればいいんだ。不景気なんだからみんな食いついてくるさ。実態は予算分は書類作成と日々の会議に浪費されて、実態としての計算機は全額相手持ちだがな~~プゲラ。

    事前にどれぐらいの計算量が必要だとか、そんなの計算してもしょうがないじゃん。どうせ、世界一を狙うこと自体が目的のプロジェクトなんだから。いや、厳密に言うと、そういう旗の下でおれらがすき放題するためのプロジェクトの一つなんだからさ。成果が出たら、俺たちが予算を分捕ってきたのが良かった。成果が出なかったら、技術屋連中が無能だった。その間、適当に時間を潰し、予算をある程度掠め取っていれば安泰だしな。

    仮に、予算が取れなくてもそれはそれで構わない。多分、世界一にはなれない。プロジェクトが半年ずれるだけで、追い抜かれるよ。つーか Top500 のページとか見れば判るけど、よそが遅れる分を考慮しても 世の中のトレンドとして1013年には追い抜かれる。Topとっても1年だし、ちょっとずれこめばTop取れない。だからここは通っても通らなくてもいい。

    技術屋連中は四の五の言うだろうが、なに、それは仕分け屋とかが矢面に立つだけの話。俺たちは2,3年冷や飯を食ってから新しいプロジェクトを立て直せばいいのさ。その頃には自民党政権に戻ってるだろうから
    「いやぁ、あれはまいりましたよ。民主党の奴ら何も判ってねーでやんの」
    とか言っておけば大丈夫。それまでに新しいネタを見つけておくか…なんだろうな、大きな箱物事業… Bio とか駄目かな…。

    .

    このように、あの発表が Go! になるには、「自分のことしか考えない小役人」か「精神論を振り回す以外何もできない馬鹿が上層部に固まっている」かどちらかになればよい (^^;)。

    どちらであっても、ご懸念のポイントはなんら問題ではありません。そう、「問題であると把握できない・したくない」状態なんですから。

    --
    fjの教祖様
    • by Anonymous Coward on 2009年11月24日 10時35分 (#1677060)
      更にチェス盤をひっくり返せば、
      実は文科省はこのプロジェクトの失敗・破綻を正しく理解しているが、
      破綻した経緯については説明したくないし、責任を追及されたくないので、
      馬鹿のふりをして仕分け人を怒らせる事で、予算縮小ではなく、
      あくまでも事業中止を勝ち取ろうと動いたのではないか。

      失敗したプロジェクトを「計画見直し」で何とか決着つけろ、なんて言われても、
      見直すためには当初計画の問題点を論わなければならないわけで、
      自由闊達に意見を言える組織でもなけりゃ、やりたがらないでしょう。
      先輩の仕事にケチつけて、天下りポストが回って来なくなったら大変じゃないですか。
      親コメント
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にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー

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