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beroの日記: ほんとうは怖いLGPL

日記 by bero

Linux Conference 2008でライセンスBOFとやらがあるらしいので、
LGPLv2(以下LGPL)の疑問をまとめておく。

LGPLはOSSでもプロプラでも使える万能ライセンスではない。

LGPLなライブラリはリバースエンジニアリングを許可していなければならない。(*1)
ほとんどの商用ソフトウェアはEULAでリバースエンジニアリングを禁じており(*2)、linuxのglibcはLGPLなので、ほとんどのLinux用商用ソフトウェアは違反ではないか。

LGPLでは(GPLもだが)、ドキュメントに書くだけでなく実行時にも著作権とライセンス表示をしなければならない(*3)。
ややこしいのは、LGPLライブラリを使用したソフトのソースはLGPLの制約を受けず、バイナリは制約を受ける(*4)という点だ。
例えばAboutダイアログでソフト作者のCopyright表示をするソフトがあるとする。これはソース配布では問題にならないが、バイナリ配布するには単にコンパイルしただけではダメで、使用するライブラリの著作権表示もするように改造した上でコンパイルしたバイナリでなければ違反になるのではないか。
ほとんどのバイナリディストリビューションは(ライセンスに厳格と言われるものでも)違反ではないか。

LGPL参考訳

(*1)

6. 上記各節の例外として、あなたは「『ライブラリ』を利用する著作物」を『ラ イブラリ』と結合またはリンクして、『ライブラリ』の一部を含む著作物を作 成し、その著作物をあなたが選んだ条件の下で頒布することもできる。ただし その場合、あなたの条件は顧客自身の利用のための著作物の改変を許可し、ま たそのような改変をデバッグするためのリバースエンジニアリングを許可して いなければならない。

(*2)例

お客様は、 1) この使用条件に明記されている場合を除き、「プログラム」を使用、複製、結合、配布もしくは送信すること、 2) 法律の強行規定のある場合を除き、「プログラム」を逆コンパイル、逆アセンブルもしくは翻案すること、または 3) 「プログラム」を再使用許諾、賃貸もしくは貸与することはできません。

(*3)

6.もし著作物が実行時に著作権表示を表示するならば、あなたはその中に『ライブラリ』の著作権表示を含めなければならず、更にユーザにこのライセンスのコピーの在処を示す参照文も含めなければならない。

(*4)

5.そのような著作物は、単体では『ライブラリ』の派生著作物ではないので、この契約書(LGPL)の範囲外に置かれる。 (略) しかし、『ライブラリ』をリンクして実行形式を作成すると、(略)このライセンスで保護される。

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にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー

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