パスワードを忘れた? アカウント作成
498600 journal

bugbirdの日記: 思考実験(なぜ突入電流が発生するのか)

日記 by bugbird

話しを単純化する為に、今回は白熱電球を使っている回路を前提にして考えてみる。

回路が開かれて電流が流れていない状態では「仕事」が発生していない。…すなわちエネルギーが消費されていない状態である。ここで回路を閉じて、回路の負荷素子である白熱電球に電圧をかけると電流が流れ、電力エネルギーが熱と光に変換されるようになる。

一般的に金属は温度が上がると抵抗が増加する。白熱電球のフィラメントも同様な性質を持っていて、電力エネルギーが変換されたことによって文字通り白熱状態に熱せられたフィラメントの抵抗は増大する。このために回路抵抗が増大するので回路の電流は小さくなる。

回路の電流が小さくなれば供給される電力エネルギーも減少するからフィラメントの温度は低くなる。フィラメントの温度が低くなると抵抗が小さくなるので電流が増大して供給される電力エネルギーが増加して、フィラメントの温度は高くなる。

…こうしてやがて平衡状態に収束して(実際にはほとんど一瞬であるが)、白熱電球が負荷となっている回路には一定の電流が流れることになる。最近ではずっと優れた特性を持った半導体素子があるので使われなくなったが、かつてはその性質を利用して定電流回路に電球が使われていたこともあるくらいだ(実際には白熱させるまで温度を上昇させても抵抗の変化が小さくなって、制御回路としての有効性が希薄になるので、白熱する前の抵抗の変化が大きく変動する範囲を使う様に設計されていた… 回路の中に点灯しないナツメ球が入って吃驚させられた経験というのはやはり「踏み絵」だろうなぁ)。

「そんなの当たり前じゃん」と言うのは簡単だが、こういう仕組み(物の本には負帰環、NFB (Negative FeedBack) と書いてある)にすることが、電気回路設計の基本なのである。

もし電気回路が逆に正帰環に設計されていたらどうなるか? なんらかの理由で電圧か電流が大きくなると回路の電力エネルギーは増大することになる。正帰環であるなら回路の抵抗が下がるから電流は増大する…供給される電力エネルギーは増大する…抵抗はなおも下がる。…要するに暴走状態となるわけだ。

安定動作する電気回路はすべからく負帰環の特性を持っており、それゆえに回路を閉じた瞬間には負帰環が働いていないために突入電流というものが発生するのである。

この議論は、bugbird (4706)によって トモ専用として作成されたが、今となっては 新たにコメントを付けることはできません。
typodupeerror

目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond

読み込み中...