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Windows

caretの日記: Windowsのフォントの話。Yu Gothic UIが諸悪の根源なのか? 7

日記 by caret

PC Watchの連載、山田祥平のRe:config.sysのこの記事

この人はUI フォントは素晴らしくない、Yu Gothic UIは最悪だ、メイリオは素晴らしいという話をしているが、それは単なる個人の好みじゃないのだろうか?
メイリオが好きならば、Windows 10でもメイリオをシステム フォントに設定すればいい。
確かに指摘されているとおり、UI フォントがコンテンツの表示フォントにまで出しゃばるのは良くない、という考えは理解できる。だがUI フォントは不要だという主張はやや過激すぎるように感じる。

個人的にはYu Gothic UIは気に入っている。欧文グリフがSegoe UIになって、他言語環境と表示が共通化されたからだ。また、メイリオやMeiryo UIほどモダンに振りすぎず、トラディショナルさがあるのが良い。Segoe UIともよく調和している。
バージョン 1507のYu Gothic UI Lightは、「ト」の一部ptでの重大な不具合や、「ヤ」や「デ」のヒンティングの品質の低さなど、問題が見られたが、バージョン 1511では改善されている。

UI フォントが諸悪の根源ならば、一部のMS UI Gothicを除いて、メイリオをシステム フォントに採用していたWindows Vistaや、一部に引き続きMS UI Gothicと新たにMeiryo UIを採用したものの引き続きメイリオを採用していたWindows 7は「フォントの表示が美しい」と絶賛されていたことだろう。もちろんそうはならなかった。
むしろVistaの頃は、メイリオのヒンティングのあまりの品質の低さに苦情が殺到していた記憶がある。

実際のところ、「Windowsのフォントが美しくない」とよく言われる原因は、やはりフォント レンダリングだと思う。問題は、GDI 描画でのClearTypeと、DirectWriteにおけるビットマップの扱い、そしてヒンティングだ。
ClearTypeには二つのバージョンがある。GDIで採用されている旧バージョンと、DirectWriteでサポートされている新バージョンだ。新バージョンでは、サブピクセル ポジショニングやY 方向のアンチエイリアスがサポート されている。また、サブピクセル アンチエイリアスではなく、グレースケール アンチエイリアスになっている。
DirectWriteはWindows 10ではストア アプリやUWP アプリ、スタート メニューで採用されている一方、GDIは、エクスプローラーをはじめとするデスクトップ アプリで引き続き採用されている。

この旧バージョンのClearTypeは、バージョン 1511で改良されたとしているが、記事でも言及されているように、游ゴシック、游明朝、Yu Gothic UIがその対象で、MS ゴシックやメイリオなどの他フォントでは相変わらずだ。
「レンダリング エンジンを改良した」と謳っているが、実際はフォントを改良しただけなのではないだろうか。

また、MS ゴシックやMS 明朝は、Windows 3.1より搭載されているもので、Windows 98よりシステム フォントとしてMS UI Gothicが加わり、これはWindows XPまで全面採用されていた。
これらのフォントは、16ptまでのフォント サイズでアウトラインのほかにビットマップを持っている。これは可読性を重視したためと言われるが、ClearTypeのバージョンを問わず、ビットマップがあればそちらを表示する仕様となっている。
今日、ギザギザのビットマップを可読性はともかく、「美しい」と感じる人は少ないだろう。システム フォントとしてはこれらのフォントは既に使われないが、ウェブでは相変わらず現役である。

ヒンティングの問題は個人の好みが関わるが、小さいフォント サイズで、漢字のような複雑なグリフを表現するときに、表示を「簡略化」して、潰れないように表示するか、あるいはグリフの体裁を重視し、細部を潰してでも忠実にレンダリングするか、という違いだ。
MacのCore Textはフォントのヒンティング データを無視して、独自アルゴリズムでヒンティングを行っている。LinuxのFreeTypeはフォントのヒンティング データを使うか、独自アルゴリズムでヒンティングするか、あるいはヒンティングを一切行わずに表示するか指定できる。
一方、ClearTypeはフォントのヒンティング データを全面的に利用する。ゆえに、フォントのレンダリング品質がそのフォントが持つヒンティング データによって大きく左右される特性を持っている。

しかし、ClearTypeに「最適化」されたフォントはメイリオや游ゴシックなど、ごく一部だけなのが実情だ。そして最適化されていないフォントをWindowsで表示したとき「Windowsはフォント レンダリングが汚い」という感想が出てきてしまう。

マイクロソフトはGDIのClearTypeを新バージョンと同等までアップグレードしたうえで、ヒンティングやビットマップの扱いを改善すべきだ。本当の問題はUI フォントではなく、レンダリングにある。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by caret (47533) on 2016年03月21日 6時37分 (#2984146) 日記
    マイクロソフトではModern UIのグレースケール アンチエイリアスをClearTypeとは呼称していないかも。
    っていうかWindows 10のそれは引き続きModern UIと呼んでいいのかも微妙。
  • 知る人ぞ知るJoel on Softwareで9年前に記事 [joelonsoftware.com]になっていた。
    なるほど、やはりレンダリングの好みは慣れが大きいらしい。アンチエイリアスを「文字がにじむ、太る、潰れる」と嫌い、MS Pゴシックのジャギーなビットマップを「読みやすい」と感じる人は一定数いる。
    マイクロソフトが数年前に行った調査 [microsoft.com]でも、5% が「2 階調レンダリングの方が良い」と回答している。
    • だって、折角DVIとかでデジタル表示して、にじみのないシャープで美しいピクセル表示されてるのに、何が悲しくてわざわざにじませるのか?
      にじませるなら DSub15 で良いじゃないか。
      dpi 上げて Retina レベルになれば、そもそもドット見えないからアンチエリアスなんて不要だし、
      アンチエリアスが必要なのは、64ドット超とか、かなり大き目のフォントを低 dpi のディスプレイで使う場合だと思う。
      16ドットくらいの文字を実用的な大きさで表示する場合、ジャギってよりシャープって印象。

      --
      uxi
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2016年03月21日 10時21分 (#2984183)

    config.sysってなんですか?
    下手したら「Re:」ってなんですか? (LINE世代並感)

    マジレスすると、互換性維持の足かせがあるのでGDIに関しては実質何も変更できない。日本語版以外のWindows 10ではYu Gothicしか使えなかったのに、先日のアップデートでMSゴシックが復活したくらいだ。Windows 2000だかXPだかでフォントレンダリングが微妙に変わったら問題の起きたアプリが続出したので、レジストリ設定を追加するはめになったという話もあった。

  • あほか… (スコア:0, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2016年03月21日 13時09分 (#2984210)

    日本語版以外のWindows XPは、フォントが綺麗に表示されるにもかかわらず
    日本語版Windows XPのフォントがあの有様だったことから分かるように
    明らかにClearTypeは漢字圏での利用を考慮していない

    だがClearTypeの抜本的再設計はムリだったので、フォント側でClearTypeの挙動に合わせたのがMeiryo
    印刷したり、MacOSやLinux環境に持ってゆくとトホホな出力なのにもかかわらず
    ClearTypeの効いたWindows環境下では、その名の通り明瞭な出力なのはそれが理由だし
    逆にMacOSやLinux環境下では綺麗な出力のモリサワなんかがClearTypeではトホホなのもそれが理由
    本当の問題はUI フォントではなく、レンダリングにあるなんて10年以上前から誰でも知ってる

    最低でも--with-harfbuzz付きのfreetype程度のレンダラは搭載して欲しいところではあるが
    そんなことがムリなのは分かっているし、また分かっているからこそMeiryoができたのだから
    UIフォントに游ゴシック UIを使うなら、最低限ClearTypeに最適化してこいってのがその記事の言わんとしてることだろう
    どこまで物分りが悪いんだアンタ・・・

    つうか、いくらレンダラを再設計したところで游ゴシックの出力がゴミなのは、MacOSなりLinuxなりに持っていって出力させれば一目瞭然だろ
    游ゴシックをClearTypeに最適化させ、少なくともWindows環境下だけでは見れるようにするならともかく、それ以外ではどうにもならん
    というより何を根拠にレンダラがマシになれば、游ゴシックの出力もマシになると思ったんだ?

    • by caret (47533) on 2016年03月22日 1時24分 (#2984353) 日記
      OS X持ってないからよそ様の画像ですが

      印刷したり、MacOSやLinux環境に持ってゆくとトホホな出力なのにもかかわらず

      Macでメイリオ Regularを表示 [webdesignmagazine.net]するとこんな感じのようですが、「トホホな出力」とはどのあたりでしょうか?むしろわたしにはWindowsでメイリオを表示したほうが、「トホホな出力」に感じますが。

      UIフォントに游ゴシック UIを使うなら、最低限ClearTypeに最適化してこいってのがその記事の言わんとしてることだろう

      元記事は「UIフォントはそろそろ引退させてもいいんじゃないか。」と書かれていますが、ちゃんと全文に目を通した上でおっしゃられているので?

      つうか、いくらレンダラを再設計したところで游ゴシックの出力がゴミなのは、MacOSなりLinuxなりに持っていって出力させれば一目瞭然だろ

      OS X Mavericksには游ゴシック体、游明朝体 [japaaan.com]が標準搭載されましたが。あなたはMacには「ゴミ」がついていると貶したいのですかね?
      それとも游ゴシック体 [jiyu-kobo.co.jp]、游明朝体 [jiyu-kobo.co.jp]が商業フォントであることも知らずに、「Windows 標準のフォントはゴミだ」というステレオタイプな発想で反駁しているだけですか?

      本当の問題はUI フォントではなく、レンダリングにあるなんて10年以上前から誰でも知ってる

      少なくともこの記事の筆者は気づいていないか、わかった上で論点をすり替えているようにしか感じられませんが。ちなみにこの記事の反応を調べてみると、DTP業界の方々からも内容に批判の声があるみたいですが、そのあたりは詳しくないので敢えて触れませんでした。

      親コメント
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