今年の春に， 「96CPU ワークステーション出荷開始」がスラドでも話題になりましが，日本でも先日9月13日にNECがデスクサイドに設置可能なベクトル型スーパーコンピュータSX-8iを発表しました．（MYCOM PCWEB記事）これは2001年に発売されたSX-6iの後継機にあたるもので，来年2月からの出荷を予定しています．
SX-8iは地球シミュレータと同じシリーズのCPUを一基搭載し，CPUのベクトル演算性能は16GFLOPS，CPUとメモリーの間のデータ転送スピードは最大64GB/sと，それぞれSX-6iの倍の性能になっています．(SX-8iの最大理論演算性能は22GFLOPS) メモリー容量も16GBからと，4倍以上に増強されています．一方，価格はSX-6iの1800万円から，に対しSX-8iは1200万円から，とコストダウンが進んでいます．地球シミュレータ開発時にベクトル型スーパーコンピュータSXシリーズの32個のチップからなるCPUをを1チップにしたことがSX-6iとSX-8iにおけるコストダウンを可能にしたようです．また，SXシリーズのソフトウェアが利用可能です．
ほかの仕様は，筐体の寸法は450 (W)×700 (D)×700 (H)mm，重量は120kg(床強度300kg/m2以上)，AC電源は単相200〜240V，1.5KVA(消費電力)、5300KJ/h(発熱量)，冷却方式は完全空冷，動作環境 "温度：5〜38℃（雰囲気温度（吸気口）16〜28℃推奨）湿度：10〜80％（結露なし）"，などとなっています．と言うことで，がんばれば家でも使える？

AppleがOS X 10.4（またはそれ以降）用のアップデートJava 1.3.1 and 1.4.2 Release 2とOS X 10.3.9用のアップデートJava セキュリティアップデート 4.0を公開しました．OS X 10.4用のアップデートではJavaの信頼性と互換性が改善されます，また，OS X 10.3.9用のアップデートでは多くのセキュリティ面の強化が行われます．ともにJava 2 Platform Standard Edition (J2SE) のバージョン 1.3.1および 1.4.2のアップデートが含まれます．ファイルサイズはOS X 10.4用が45MB，OS X 10.3.9用が41.5MBです．

近年GPUの演算性能はCPUを上回り，その進歩の勢いは当分続きそうです．これを利用しない手はないと，GPUをCPUのように汎用目的で使おうと言うGPGPU (General Purpose GPU)なる動きが現れています．また，SIGGRAPH 2005ではこのGPGPUに特化したセッションが設けられました．MYCOM PC WEBには，このGPGPUについての解説とSIGGRAPH 2005のセッションを伝えるレポート「SIGGRAPH 2005 - GPUをCPU的に活用するGPGPUの可能性」が掲載されています．
現在，用途としてはGPUの特性から，(1) 巨大なデータを処理する，(2)各データ間の依存性は最低限である，(3)高い並列性をもって処理できる，と言った特質を持ったアプリケーションが考えられるそうです．GPUが汎用的に利用されるためにはそのためのプログラミング言語が必要ですが，CPUとは違ったアーキテクチャと言うことで，その実装は大変のようです．

AppleがSafariのアップデートとして，Panther用の1.3.1とTiger用の2.0.1を公開しました．アップデートの内容はともに「Web サイトの互換性、アプリケーションの安定性、および他社製 Web アプリケーションのサポートを改善します。」だそうです．ファイルサイズはPanther用は3.8MB，Tiger用は3.7MBです．

AppleからMac OS X 10.4.2 Updateがリリースされました．このアップデートにより広範囲の改善がシステムおよびアプリーケーションに施されます．アップデートはMac OS X 10.4.1 を 10.4.2 にアップデートする"Delta Update"とMac OS X 10.4 または 10.4.1 を 10.4.2にアップデートする"Combo Update"が用意されています．Delta Updateはソフトウェアアップデート機能によって，または単体のインストーラのダウンロードによってインストールすることができます．Combo Updateは単体のインストーラのダウンロードによってインストールすることができます．これらによって改善されるものとしてAirMac，Mail，iChat，Finder，iDisk，WebDAV，ネットワークを含む広範囲のシステムの機能やアプリケーションなどがあげられています．詳しくは「Mac OS X 10.4.2 Update (Delta) について」または「Mac OS X 10.4.2 Update (Combo) について」を参照してください．なお，OS X 10.4.1から10.4.2へのアップデート内容の詳細については，「Mac OS X 10.4.2 Update (Delta) について」の方に書かれているので，これを参照してください．

日本IBMは７月７日付けでプレスリリース"POWERアーキテクチャーに更なる弾み"を発表しました．この中で，Power Architectureベースのマイクロプロセッサー・ファミリーの64ビット対称型マルチプロセッシング (SMP)対応の２つの新しいプロセッサについて述べています．そのひとつのPower PC 970MPはPower PC 970FXマイクロプロセッサーのデュアルコア・バージョンで，それぞれのコア自体に専用1MB L2キャッシュを備えていて，1.4〜2.5 GHzで動作します．また，このマイクロプロセッサーには省電力機能が搭載されていて，片方のコアの電力を完全に切ると言ったこともできます．もうひとつのPower PC 970FX省電力版は20ワット以下の消費電力で動作し，512KBのL2キャッシュを備えます．動作時の消費電力は13W(1.4 GHz時)，16W(1.6GHz時)となっています．Power PC 970MPと970FX省電力版は64ビットおよび32ビットのアプリケーション互換性を有し，それぞれのコアに32KBのL1データキャッシュ，64KBのL2命令キャッシュ，128bit長レジスターのベクトルユニット，２つの浮動小数点ユニットなどを備えています．

WIRED NEWS "動物の「言語」体系を解析――人工知能とファジー理論を応用"より．北アリゾナ大学(NAU)のジョン・プレイサー教授(コンピューター科学)と同大学のコン・スロボチコフ教授(生物学)は専用の音声認識ソフトウェアを使ってある動物の鳴き声を解析している．数年にわたる共同研究により，両教授はその動物は原始的ながらも人間と同じく言語を持ち，われわれと同じようにコミュニケーションを行っていると考えるようになった．その動物とはアリゾナ砂漠に住む毛皮で覆われた齧歯(げっし)類、プレーリードッグだ．これまでに２０以上の「言葉」を特定したと言う．その中には他の動物をさす「言葉」以外にも色や形を表現するものもあると言う．
他の学者はこの研究に納得しているわけではなく，また解析ソフトウェアはまだ不完全であり，動物が言葉を持つ事を証明する研究は始まったばかりである．それでも，スロボチコフ教授は「われわれの研究は、（動物が本能のプログラムに従って動く）自動人形だとする考え方に異議を申し立てるものだ」と語った．

アップルコンピュータから上記アップデートがリリースされた．これによりMac OS X v10.3.9 ソフトウェア・アップデートのインストール後に，一部で起きていた，Javaが起動できない/異常終了する，Safariが異常終了するといった問題が解決されるとのこと．このアップデートはソフトウェアアップデートの実行もしくは下記のリンクのアップルのページからダウンロードすることにより入手できる．なお，このアップデートの詳細についてのページは現在リンクが切れている．関連リンク：Java Update for Mac OS X 10.3.9（アップルコンピュータ），Apple、Mac OS X v10.3.9のJava問題を解決する方法を公開（ITmediaニュース）．

AppleInsiderによると，Appleは，来年１月10日から開催されるMacworld Expo San Francisco 2005にてHeadless (モニター無し) iMacを発表するらしい． 値段は米国で＄600以下． これには，CPUとしてローエンドのPowerPC G4 (クロック不明)，256MB RAM，FireWire 400×１，USB 2.0×２，10/100Base-T Etherポート，DVIとVGAのポート，ローエンドのグラフィックカード，56Kモデムが装備される．(ハードディスクの容量については触れていない．) 電力はノートタイプのように外部から供給する．このiMacには，iPodのDockが設けられる予定だったが，見送りになった．Dockは将来のバージョンで装備される可能性がある．また，このiMacとともにApple製iPod用スピーカーも発表されるらしい．

エスアイビー・アクセスから「ハッカーのたのしみ」が発行されている．これはHacker's Delightの翻訳である．著者，ヘンリー. S. ウォーレン，JrはIBMで40年以上プログラマをやっている．IBM704コンピュータからはじまり，現在はBlue Geneプロジェクトに関わっている．本書は著者が40年の間に集めたプログラムの小品集である．アルゴリズムはANSI Cもしくは架空のRISCコンピュータのマシン語で表現されている．なお，この本のためのサイト，Hacker's Delightがある．