chocoageの日記: 乙女の港とトーマの心臓 2
友人が「百合好きなら読むべきラインナップ」を教えてくれて、氷室冴子やら斉藤綾子やら松浦理恵子、仁川高丸などを読んだのですが。
お姉様小説の古典として吉屋信子と川端康成も勧められたのです。
川端康成著『乙女の港』は、吉屋信子の『花物語』と同じ雑誌に掲載されていた少女小説なのですが、川端康成の少女観察眼は異常だっ!
内容は、目立って美しい上級生二人に、入学したばかりの主人公が取り合われるというもの。なんというか、「エス制度」もこの頃(掲載昭和十二年)からあったんだね!っていうそういう驚きもあります。現実にあるかは知らないですが。
川端康成はやはり男性だなあと思ったのは、主人公も美少女だったことです。
女性作者なら(現代なら男性作者でもそうかもだが)、このポジションにいるのは「愛嬌はあるが、普通の女の子」なんだよ(笑)
でもまあ、川端康成は美少女趣味だったらしいので、そこはもう美少女にしたかったのだろうなあ。
話の内容はさわやかで、細やかな愛憎劇を読んでいると川端康成って少女だったんだろうかと思えてくるほどです。
さすが源氏物語をそらんじる程まで読んだ男。
おすすめされた百合小説の中で一番面白かった(笑)
ところで、現代でフェミニンな文章を書く男性といえば森博嗣だと思います。
『トーマの心臓』読みました。
実は私は萩尾望都の原作は未読なのですが、これはとっても女性の書いた男性の世界という感じでした。それをリライトしているのが男性の森博嗣であることにおもしろみを感じます。
森博嗣は百年シリーズなんかを読むとものすごく女性的だなあと感じます。途中に挟まる感情の表現なんかが特に。これは逆に「女性的な文章を書く男性」だから許されるのかなと少し思います。
何を言いたいのかと言いますと、女性が同じような表現をしたらなんとなく「すかん」を食うんじゃないかな、と言ったところです。
そういう理由からも今でも多くの女性読者の心を離さないトーマの心臓をリライトするのに適切な人物と言えるかも知れません。
川端 (スコア:1)
川端の少女小説は、現在おそらく全集でしか読めないのがツライですね。
集英社あたりが、夏休み向けに出してくれるといいのにとか思うのですけれど。
Re:川端 (スコア:1)
そうですね。私が読んだ『乙女の港』も全集の中に入っていました。
それも『伊豆の踊子』と一緒に入っている一冊でした。
全集に入っていたらいたで、他の作品が読めて私のような不勉強なものには面白かったです。
(というわけで、伊豆の踊子は今回初めて読みました)
集英社が夏休み向けに川端康成の少女小説を人気漫画家挿絵で出すのはアリですよねえ。
すごくお願いしてみたいです。
しかし、やっぱり川端康成=ノーベル賞というイメージから、こういう娯楽向け少女小説のみをライトには出してくれない気がしないでもないでもないです。
いや、今まで少女小説特別刊として、『乙女の港』は出版されたことがあるようなのですけれども。
集英社の少女マンガといえば「ときめきトゥナイト」で時が止まっておるので、集英社よりも白泉社系の少女漫画家の挿絵を思い浮かべてしまいます。