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日記

chuukaiの日記: 児童ポルノの廃棄は任意だったのか

日記 by chuukai

児童ポルノを府が廃棄指導 条例で全国初、男性応じる(京都新聞、2012年09月13日 10時38分)

(前略)購入者を調べる過程で男性がDVDを所持しているとの情報を把握した。9月7日に京都市内の警察署で男性を任意で呼び、DVDを所持していることを確認した。
 府は同日、職員2人を警察署に派遣。職員は捜査員のいない部屋で男性と面会し、18歳未満の児童ポルノの所持を禁じている条例の趣旨や廃棄しない場合は知事の「廃棄命令」の発令があることを伝え、任意で廃棄を促した。男性は職員の指導に応じて動画などが収められたDVDにはさみで切り込みを入れて再生不可能にし、職員に渡した、という。(後略)

男性は児童ポルノを有償で購入しているので、もし児童が13歳未満であれば廃棄命令(京都府児童ポルノの規制等に関する条例8条)を前置させなくても直罰規定の13条が適用できた事案だった。
おそらく、児童が13歳以上だったから単純所持(7条1項)として廃棄命令の話を伝えて任意で廃棄させたのだろう。

警察が男性を任意で警察署に呼んだ後に京都府に情報提供して、警察署内で職員に会わせた点が気になる。

児童ポルノの単純所持があるという情報を警察から京都府に提供することは条例の制定当時から想定されていた(意見の要旨とこれに対する府の考え方(PDF))。
手続きとしては、児童が13歳以上である場合は、その情報提供の後に、(関係者の同意を得て立ち入り調査、)京都府が単純所持を確認、聴聞を経て、廃棄命令となる。もし命令に違反すると50万円以下の罰金になるので、最後の廃棄命令だけは間接的とはいえ強制力がある。
この手続を見ると、情報提供後、警察が関与しないでも手続は廃棄命令までは進んでいくことがわかる。警察沙汰になるのは廃棄命令に違反した後である。
逆に、警察の情報提供の後から廃棄命令までの間に警察が関与すると、その間の任意性が疑われることになる。これはすなわち、児童の保護と個人の私生活上の自由とが牴触することに配慮して、通常の行政調査と行政指導の枠内での手続きとした条例の前提とは異なる事態になるということだ。
その点は京都府も理解していると見えて、「職員は捜査員のいない部屋で男性と面会」する等の配慮をしている。

だが、ここで想像をしてみる。
捜査員がいないとはいえ、児童ポルノ単純所持の疑いがあることを告げられて警察署に任意の出頭を求められ、警察署の中で強制力を持つ廃棄命令が将来あり得ることが伝えられて「任意で」廃棄を求められたら、普通の人間ならほとんど思考せずに廃棄すると答えるだろう。そして、警察署内か自宅かはわからないが、児童ポルノのDVDを廃棄した。
男性は、説明を受けた条例の趣旨を心の底から理解したから、所持していた児童ポルノを自主的に廃棄したのかもしれない。
だが、例えそうだとしても、上記のような状態での答えが本当に任意なのだろうかという疑問は消えない。

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