darknightの日記: 悪弊は絶てる、のか?
表でも記事になってるが、ITProの元記事について少し語ろう。
自分の勤めている会社も、言わば下請けで、ソルジャー部隊となって
今日はこちらの会社でプログラミング、明日は別の会社で設計からと
日和見風見鶏風来坊な仕事を契約で請けながら仕事してるわけだが、
「開発現場は今」にあるように、5次請という極端な立場には
幸いにして至っていない。その辺は営業が頑張っているのだろうと思う。
しかしながら、以前の日記に書いたように、法令無視(記事でいう所の偽装出向だ)を
「どの会社もやってるし」と半ば公然に行っており、叩けば埃が出る企業でもある。
今の行先を概観すると、プロパー(1次請)の中でも10年選手がいたりして、
1次請だから給与もいいのかと邪推はするのだが、記事中の例はまだいい方かも
しれないと考えたりもする。大規模システムの開発で6次7次入って当たり前な
雰囲気がある以上、この形態はなくなりそうにない。
クライアントの出す発注金額と、自分達(会社)が受け取る金額の差が言わば
中抜きな額なのだが、自社では最近課長が予算を組む関係で一人あたりの発注単価を
本人に知らしめて意識させるという試みもあって、自社で請けた自分の月単価を
ある程度把握することが可能となってきた。(課長、ありがとうございます)
後はクライアントが出す発注金額の予算総額や月毎の単価が判明すれば
中抜きされているパーセンテージが判明するんだが、故あって資料等をザラっと
見てたら、1人月当たりの平均単価がビシッと記載されている箇所を見つけて
仕事をしながら思わず見入ってしまった。これで自分の中抜き率がわかるってな
寸法で、ついつい計算なんかをしてみたりして、その率に愕然とした。
クライアントから1次請に降ろされる額を100%とした場合を考えて、
間に2次請が出向扱で入っていることを考慮すると、単純計算で
1次請が2次請におろす金額で12.5%引き、さらに2次請会社が
10%引いている計算が容易に推測できた。
実際の所は上がったり下がったりがあるので一概にどうこうとは言えないものの、
単純計算で、クライアントから自社まで約22%引かれている計算が成立した。
他の開発現場で、複数の下請構造が成立している場合は、さらに中抜きがあって、
自社に、ひいては自分の懐に入る金額が雀の涙程度に下がってるという実情もあろう。
話を戻すと、記事中に記載されている数字の中で、PGクラスの平均給与が39000ドル
(単純計算で400万円)、会社の営業利益率が6.7%、全IT技術者における
ユーザー企業の割合が25%との内容を見た時、今の日本におけるIT技術者と
その会社に対するユーザー企業の思いが透けて見えたような感があった。
すなわち、ユーザー企業側としては、情報システムを自社で開発するには
あまりにもコストがかかるので、外注を上手に「安く」使って、自分たちは
情報企画を立案しよう、という考えと、
IT開発会社(情報サービス産業側)としては、とにかく単価が安くても
入り込んで徐々に規模を拡大すればプラスになるだろうという考え
(もちろん他にもあるだろうけど、こんな時間の自分の頭では
ここまで考えるのが取り敢えず手一杯なんで)が奇妙な一致点
(損益分岐点とも言えるかもしれないな)で結合した形が今の構造かと考えてる。
単価が安いから従業員に払う給与も安くすると言えば大義名分が立つし、
単価が安いですよとクライアントに訴えれば、自社を採用してもらえる
1要因にはなってくれるだろうと思われるので、勢い従業員に対する
給与の抑制要因に繋がるわけなんだとも考えたり。
記事には今後どうやっていかないと構造改革に乗り切れないといった形で
複数の事例を紹介していたが、先ずは各社でPM層の充実をしていくことが
先決ではないのかと思った次第。というのは、各社各様のプロジェクトを
切り回していくに当たり、方法論としてのプロジェクトマネジメントはあれど
それを十二分に活用できるリーダー層、PM層が不在のままでは、プロジェクトは
いつもどこでもどうしても失敗する方向に向かっているので、何とかその方面の
人材を育成できる体制づくりが焦眉の急であるのには疑いが無いわけだが、
今のIT開発会社(どの段階でもいい)は、それだけの人材を育てる予算も、
教育方法も、人も存在しない(そもそも人の寄せ集め集団ならなおさらだ)ので、
どうPM層を育てるのか、なんてのは2の次3の次、取り敢えず目先の金を稼ぐ
人材を集めるのに汲々としているってのが現状と考えてる。
以前の記事で建築業界と同じくJV(ジョイントベンチャー)形式での受発注を
行ってみればどうかと言うのを見た記憶がある。今回の記事でも、
形態はどうであれ半分JVみたいな形をとってたんで、究極的な解はこの方式かと
思いつつも、この業界、ひいては全業界がIT技術者に対して至極全うな理解と
ソフトウェア技術に対する正当な対価を支払ってくれることを願ってやまない。
もっと記事を深く読んでいけば、さらなる解は出てくるんだろうけど、
取り敢えず今回はこのあたりでどうか一つ。
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