espyの日記: オープンハードウェアは可能か
最初に、オープンハードウェアとは何か、という点がある。
まず配布の面では、当たり前の事だがハードウェアはソフトウェアの
ように低いコストで世界にコピーを配れないので、オープンにできるのは
結局、設計や実装に関する情報やデータだけということになる。
ストーリーの方では回路図とかFPGAのデータに触れる発言が多かった。
ソフトウェアでCのソースから実行形式が生成できるのと同様、ハード
ウェアも回路図から基板の製造データ(ガーバー等)、HDLからJEDEC
ファイルができる。(少し補足すると回路図→基板パタンは一意に変換
できるものではなく、安定動作のために配置や引き回しに技術が要る)
ガーバーもJEDECファイルも機械にかけてモノが作れるものなので(と
言い切っていいだろう)、それだけを配布すればフリー(無償)ハード情報,
ソースも含めて配布すればオープンハードと呼べるのではなかろうか。
回路については、例えば同じ機能を実現するためでも、企業が作るもの
もあれば個人が秋葉原で手に入る部品だけで作る事を配慮した部品選び
も知恵やノウハウが必要である。そういう点を考慮して設計された開発物
はそれなりの価値を持つと思う。
また、今なら基板データを送ればカード払いで個人相手でも基板を作って
くれる会社がある。オープンハードウェアを設計して公開するための
材料は、現在、かなりあると思う。
さらに拡張して、筐体のための 3D CADデータとか、それによる金型の
データも公開・配布対象にできそうである。(モルフィーワンも確か筐体を
作っていた)
プラスチックの筐体の設計は下手な構造を作ればちゃんと組み立てられない
筐体、たとえ組めても力が加わるとこわれやすい筐体になりうるので、
一定のスキルやノウハウが必要であり、そうした技術を盛り込み出来た
データは価値がある。
それを受け取っても実際に製造できる人は今は僅かだろうが、モデラの
ような個人でも入手できるNC加工機が一般的になればそれなりに意味を
持ちそうだ。
(余談だがアニメキャラのフィギュアを作るためのデータなど、実は
すでに流通されていたりするのだろうか?)
ただやはり、今現在、例えばパーソナルコンピュータなりPDAなりの
規模のものを設計してその開発物をオープンにしたとしても、「公開
しました、みなさん好きに製造してください」といった所で、それを
受け取って、作れる人はほとんどいないのではないか。
かといって、設計プラス製造を少人数の有志チームで実施するのも資金や
マンパワーの面で辛そうだと思う。モルフィーの失敗は、設計も製造も
自分でしようとしたため、その作業負荷に耐えられなかった点ではないか?
これについての方策の一つとして私は、部分部分で安定供給されている
モジュールを利用してしまう手がある、と考えている。
例えば小さな独自パーソナルコンピュータを作るのであれば、CPUまわりは
L-Cardとか、T-Engineとかを使ってしまうのだ。
昔、CPUは高々数メガ~十数メガHzのクロックでDIP ICばかりだった頃に
比べて、今のICはQFPを超えてBGAのパッケージでピン数も何百ピンと
あるので、もう一般の人には自作しようとも手が届かない状況だから。
まぁ、オープンハードウェアと自作とは話題として別で、必ずしも
リンクしなくてもいいのかも知れないが。
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