espyの日記: 品質の基準と、日本企業とグローバル化と 4
んー...仕様書書き 嫌になってきた...
* * *
うちの会社は情報機器に対する品質基準が、あれこれ厳しい。
一般にノートパソコンとか小さい情報機器だと、例えば不要輻射なら
日本はVCCI,米国はFCC,欧州はCISPRなど様々な規格がある。
安全規格なら電安法とかCEマークとか。
最近はリサイクルとかもあるし、某HDDで大きな障害を出して世間に
知られる事態となったこともあり、やれICのプラスチックパッケージの
含有物質は、とか、製品の段ボール箱の材質までチェック対象だ。
で、これを海外ODMベンダに作らせるとなると話はややこしくなる。
彼らは米国や欧州の、上記のような一般に知られている規格で大量生産
することを得意とするが、我々日本企業としてはそれにさらに追加で
注文をいっぱい出すことになる。
すると、そんな特殊注文に対応してたら納期が延びるとか金がかかる
とか言われることになる。ところが社内の品質保証部門は頑としてNo!と
言い続けるので技術部としては仕方なく対応する。つまり直させる。
ところが、うちのように厳しくチェックしてないメーカーも存在する。
(というかそっちの方が多い)
うちが品質部門のおっしゃる通り直しているうちにライバル企業が先に
出荷してしまった、という事態が最近実際にあった。
「厳しい品質を要求すること」は、開発開始から出荷までの間で立ち
はだかる様々な足かせのうちの一つだ。いわば "非関税障壁"みたいな
ものだ。こんな事でもモタモタしてたら出荷時期は遅れ、競争力として
不利になってしまう。
品質保証部門としては、それを守らなかったために過去に障害の事例が
実際にあったからこそ、厳しい注文をつけている訳なので、そんなのは
海外ODMのときはやめようよという交渉はほとんどできない。
じゃあ、その「何をチェックしているか」をあらかじめODMベンダに
知らせて守らせたいのですが、と言うと「いやこれは当社のノウハウ
なので出してもらっちゃ困る」と言う。台湾には直接渡しませんから、
と言ってようやくもらえたのは日本語のチェックリストで、しぶしぶ
抜き出しつつ英訳する.(…なんて作業で土曜も徹夜になっちゃった...)
はて、これは、グローバル化(ケッ)を前にして、困った事、由々しき
事と捉えるべきなのか?
厳しい品質要求が故に、今まで日本製品の品質が良かったのであれば、
これはこれで悪いとも言えないのではないだろうか。
そして、それを守りたい、かつ秘密にしたい価値があるのなら、それは
Intellectual Propertyである。やはり安易に海外に流出させては
ならないのではないか。
# だから国内で作ろうよ、って言ってるんですよ。>偉い人
#
***
参考:No.473 グローバル化が残すゴーストタウン
(ビル・トッテンのメッセージより)
そしてこれは3つのことを意味する。製造業の職は先進国から低開発国へ
移転させなければならない、低開発国の労働者保護と環境基準は先進国の
それよりも低くなければならない、そして、その低開発国が発展すれば
製造業の職はさらに発展度合いが低い国へと再び移転させなければ
ならない、というものだ。
うちは... (スコア:1)
# というか開発体制自体がよわよわ
それはそうと、それだと国内でやった方がよさそうですね。でも説得材料にそ
の辺も追加して次の機会に再挑戦するしかないのかもしれません。今回上の人
が言い負かされたのもその辺の理由が足りなかったのが原因だった節もありま
すし。
それにしても、組織ってのはホントにゆっくりにしか動かないですねぇ...
# 一人で抱え込んでるようにみえますが、大丈夫でしょうか。
Re:うちは... (スコア:1)
育てたりしなければならない。という確固とした考えが、無いのだと思います。
ノウハウを出せる?出せない?の話題はとっくに社内関係者で認識されていることでは
ありますが、「うちは出さんぞ」「でも出さないと」という狭間で、だましだまし進めるしか
ありません...(こんなんばっかだな…)
偉い人が本当に偉ければ良いんだけれど、いろいろ力関係があって、
ドイツの拠点が一番数量を売っているので、そいつらの言う事にはやっぱり
逆らえないんですよ。
(‥‥という構造が僕の立場から見えにくかったんだけど、気づいてみればそういうことだった。)
># 一人で抱え込んでるようにみえますが、大丈夫でしょうか。
抱え込んでる物もあれば、人に頼っている物も多いですかねぇ...
Re:うちは... (スコア:1)
そういう場合は、最後には結局技術側が用意した売りをちゃんと
PR できずに終わったりすることも多いのではないかと思います。
環境基準はともかく、通常の品質基準は製造側で対応してくると
思いますが、そんなことはないのかな。それともレギューレーシ
ョンが普通より厳しいのでしょうか。
某社はビクターのちっこい Note のもやって、プロジェクトが大
赤字になったようですので、そのへん自前負担でやるのがイヤな
のかもしれないですね。
Re:うちは... (スコア:1)
チェックのノウハウを門外不出とは悲しいですね。(^^;;;
いずれにせよ大したものでなければ他社はすぐに
追いついてくるし、大したものなら暫くは追いつ
いてこれないから、公開しようがしまいが、現状
にあぐらをかかずに先に進める技術力を養ってお
かないと、長い目で見た競走には勝てない、とい
うところでしょうか。品質の管理が大事なのはわ
かるとして、そこが技術部門や下請けのものづく
りの意識を変えていくように動けなければ、実は
あまり権限を持たせても仕方ないでしょう。
うーん、自分で書いてて、正論だなあ、と思いま
した。現実は大変だぁ・・・。