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etsavの日記: たとえばこんな薬物談義 2

日記 by etsav

今現在あたしは風邪が長引いておりまして、 薬局で買ってきた藤沢薬品工業の『プレコール持続性カプセル』を服んでるわけですが。

# でも症状が続きすぎるのでいい加減病院に行ってこよう。
# 風邪じゃないかもしれないし。

手元にある箱を見ますと、 成分として、 dl-塩酸メチルエフェドリンが入ってると書いてあるわけです。

別に風邪薬に入ってるのは珍しくありませんよ。 たまたま今服んでいるから挙げただけで、 『プレコール持続性カプセル』に限った話ではないです。 気管支拡張剤として、 咳止めのために入っているのです。

かつて――喘息の特効薬として麻黄が珍重されていました。

# 実物が見たい?
# 今もあるかどうか判りませんが、仙台在住の方なら……
# 仙台駅西口駅前、名掛町のアーケードを出た付近、
# 漢方薬を扱っている薬局がありまして、
# 角のショーウィンドウに麻黄が展示されてました。

しかし、 貴重品だったのですね。 で、 麻黄そのものに頼らなくてすむように、 主成分であるエフェドリンを抽出・合成しようとしたのです。

その結果、 副産物として、 よく似た構造のアルファメチルベータフェニルエチルアミン等が得られました。 長い名前なのでアンフェタミンと略されます。 メチル基がくっついて更にちょっと構造の違うメタンフェタミンも。 はい、 これらは覚醒剤と呼ばれています。

エフェドリンとアンフェタミンは構造が良く似ていますから、 似たような作用があります。 まぁ程度が違いますから、 安全と考えられる量を風邪薬に入れるわけですが。 それでも潜在的危険性の質は同じです。 効かないからと服用量を増やしたりしたら――ね。

# ついでに、代謝物が同じなので、
# 覚醒剤の尿検査では同じく陽性が出ちゃうそうです。
# あと、エフェドリンそのものが興奮剤として、
# ドーピング禁止薬物の一つとなっています。
# 選手が知らずに風邪薬服んで失格――なんてニュース、ありましたよね。
# 葛根湯にも麻黄が含まれてるんで。

医師による処方なしで薬局で買える薬にだって、 こういう潜在的危険性が潜んでいるんです。 薬ってそういうものです。 ED (Effective Dose) と LD (Lethal Dose) の間の綱渡りです。 でも、 服用している人のどれ程が知っているんだか。 成分表なんて見ないのと違います? 付属の説明書にもいろいろ副作用情報が載ってますが(アナフィラキシーショックなんてか~なり怖いのがね)、 読んでいる人は少数派なのでは?

あたしはもちろん医学薬学に関してはど素人もいいところです。 それでも『興味本位』でもこの程度の知識は得られるのです。 むしろこの程度の知識が一般に広まっていない事が怖いです。

あたしが『あぶないおくすり』の話が大好きなのは、 だからなのです。 だって、 『あぶない』と判っていなければ危険は避けられませんもの。 そして、 どの程度『あぶない』のか知っていないと、 全ての薬物は本質的に危険性を伴うが故に、 使えなくなってしまいますもの。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Oyajikusai (1187) on 2003年02月24日 23時54分 (#266989)
    私の意見もちょっと書いておきます。

    私の、あぶなさという観点での薬への見解は、
    「全ての薬はあぶない。しかし、あぶない薬は存在しない」
    です。ありがちな逆説的表現ですが、以下のような意味です。

    まず、「あぶない薬は存在しない」という点から。薬があぶなくなるのは、使い方に誤りがあるからであって、薬そのものがあぶないわけではない。最初から危ないのであれば、それはただ単に毒であるのだ・・・というのが私の考えです。表現こそ違いますが、etsavさんも同意見なんじゃないかと思います。

    「全ての薬はあぶない」。問題はこの点ですね。

    どんなに注意を払っても、薬害を完全に防止することはできないだろう、というのが主旨です。

    ちゃんと書くと長くなるので端折りますが、

    ・薬を使わせる側の問題
    ・薬を使われる側の問題
    ・人間の複雑さの問題

    この3つの問題がある限り、どうしたって安全な薬は存在し得ないんです。つまり、薬は誤った使い方がなされる可能性が常にある、ということです。

    薬に限った話じゃないので(金、知、力・・・薬との置き換えはいろいろできますね)、こういったどうしても回避不能な問題への自分なりの対処方法(心構え)は普段から準備しています。「諦め」。ネガティブな印象があるなら、「明らめ」と言い換えてもいい。「諦め(あきらめ)」は、道理を明らめることから適用された訓読みなので、実はネガティブなものではないんです。

    あぶない薬、あぶないナニか、そういったものとどう折り合いをつけていくかを探ることが今の私のテーマです。・・・・・って言ったらカッコつけすぎですわね。ちょっとだけ酔わせて、自分に。
    • by etsav (7596) on 2003年02月25日 23時15分 (#267820) ホームページ 日記
      まず、「あぶない薬は存在しない」という点から。薬があぶなくなるのは、使い方に誤りがあるからであって、薬そのものがあぶないわけではない。最初から危ないのであれば、それはただ単に毒であるのだ・・・というのが私の考えです。表現こそ違いますが、etsavさんも同意見なんじゃないかと思います。

      良く解ります。 考え方のアスペクトが違うだけで、 ええ、 これは同意見のはずです。 ED > LD では使い様がないですし。 ED < LD なら、 その範囲内を通すのが腕の見せ所――狭い場合は医療技術者に任せますが。

      とは言え、あたしの一番大好きなのは、 爆薬とか毒薬とかだったりして〔笑〕。 ま、それだって使い様ですよね。 例えば、 友人(現在医師になってます)に教えてもらった、 砒素を使った APL (急性前骨髄球性白血病――2000年に Andy Hug がそれで亡くなった)の治療法の話なんてのがネタとしてありまして、 その内書けないかなと思ってます――ちょっと難しいので、 資料集めとその理解が難航してるんですが。

      # まぁ多少いーかげんなこと書いたって、
      # まさか砒素を安易に試してみようなんて人が居るわけもなく安心ですが。
      # 万一居たら――知るかぃ、そんな大馬鹿の事まで〔笑〕。

      この3つの問題がある限り、どうしたって安全な薬は存在し得ないんです。つまり、薬は誤った使い方がなされる可能性が常にある、ということです。

      そうですね。 あたしも全部経験ありますし〔苦笑〕。 あらためて肝に銘じておかねば……

      あぶない薬、あぶないナニか、そういったものとどう折り合いをつけていくかを探ることが今の私のテーマです。・・・・・って言ったらカッコつけすぎですわね。ちょっとだけ酔わせて、自分に。

      いいじゃないですか、 ネット上人格なんてある種陶酔に他ならないわけですし。

      親コメント
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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン

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