gen_no_sukeの日記: 映画「プロメテウス」 7
人類の起源をテーマにした映画だと思って見に行くとがっかりするのではないだろうか。なんだかいろいろ納得いかない映画だった。
ネタバレありで書くので楽しみにしている方はご注意を。
あらすじ:
地球の各地に存在する古代遺跡に共通して出現する「星座」とそれを指し示す「巨人」のモチーフ。これは人類の創造者の故郷を示しており、遺跡に残されたこれらのモチーフは人類の創造者からの招待状であると考えた考古学者の娘とその恋人は、この考えに同調する資産家(ウェイランド社の社長)の出資で建造された宇宙船で同地を目指す。そこには創造者(エンジニア)の残した遺跡があったのだが――
以下、映画の流れに沿った感想とか疑問:
古代の地球だと思われるところで、謎の黒い液体を飲み干して自殺(全身が崩壊して滝つぼに落下し、濁流に溶けて消えてしまう)する人類のような何者か、そしてその場を去る巨大な飛行物体。その後に二重螺旋の構造物が崩壊したり再構築されたりする映像から受精卵の成長に似た映像が流れるオープニング。これが人類の起源であって、主人公たちは黒い液体を飲み干して崩壊した者たちの故郷を目指しているという説明になるわけですが、まずこの段階で「自殺じみた手法で人類の元となる遺伝子を地球にバラまいたと仮定して、その知識はどうやって人類に受け継がれたのか? 壁画に出てくる巨人のモチーフが出現するのはおかしいのでは?」と思った。
あとでつじつまが合うのかと思ったが、そんなことは無かった。
冷凍睡眠からプロメテウス号の乗組員が目覚めて二年ぶりのメシという場面で「はじめまして! 俺生物学担当なの。君は?」という会話にド肝を抜かれる。宇宙船という逃げ場のない限られた空間で多数の人間が生存するには、当然協力関係が不可欠になるので、事前に相互理解する期間を用意するのは作戦の成功率を上げるためにも当然と思っていた。そのため、この計画の立案者はそんなに期待してない(=数撃つ鉄砲の一発ぐらいに思っている)のだろうかと思った。…のだが、そんなこともなくて、立案者は秘密裏にこの宇宙船に乗り込み、同行していたのだった。まじめにやれ。
遺跡の探索をして発見したものは以下の通り。
・何かから逃げようとするも、失敗して殺害される創造者(エンジニア)の映像
・創造者(エンジニア)と思しき生物の死骸多数(頭部を持ち帰る)
・人類に似た頭部を模した石像
・円筒形の容器?多数
遺跡からプロメテウス号に帰還するときにトラブルがあり、生物学担当を含む二名が置き去りになるも、とりあえず救出は明日行くからおとなしくしててね的な扱い。その間に持ち帰った頭部を調べるが、結果から言うと、何もわからないうちに爆発四散する。
外骨格だと思っていたものはヘルメットで、中から人類そっくり(サイズは人類よりふたまわりほど大きい)の頭部が出てくる。最初は「オッケー、無菌状態よ」という台詞が出るのだが、そこからヘルメットをはがした後はそんなチェックしないで神経系に電流流しちゃったりする。おーい、再チェックしなくていいのか、なんか表面にカビ状のものあるじゃないですか? というこちらの心配が届くはずもないが。
流す電流も「30アンペアが限度よ」と字幕が出ていたが、誤訳だろうか? 人体に1アンペアの電流流れたらエラいことになると聞いたことがあるけど。あくまでも外部からであって、神経系に流れている電流は結構大きいのか?
まあそんな細かいことは頭部が爆発四散したので考えるのをやめた。
一方その頃、遺跡に取り残された二人組みは例の円筒形の容器?のある部屋で白い蛇のような生き物に遭遇するわけですが、いきなり生物学担当が「怖くないよー、そうだ、いい子だねー」とかいいつつ接触しようとして残念な結果になるわけですが、未知の惑星で(しかも逃げようとしたのに殺された映像を見ているのに)未知の生物を見かけていきなり手を伸ばして接触するか? 毒を持っていて噛まれたらどうする(血清なんかないだろう)とか考えないのか。怖くないよ、いい子だね、とかやってるの見たのはナウシカ以来ではないだろうか。それでもナウシカの場合は未知の生物ではなかっただろ。
ここからSFホラーになっていくわけだが、
・円筒形の容器の中身を酒に混ぜて乗組員の一人に飲ませたら、
不妊だったパートナー(主人公)が性交渉後たったの数時間で
妊娠三ヶ月になっていた。
・「ものすごく高価」と説明されていた全自動手術システムが
『この機械は男性用です』とか言い出した。
女性用の機械が別に置いてあるような描写はない。
(こっそり乗り込んでいた社長=男性のための設備なので
女性のことは考慮してませんということで説明はできる)
・ここ創造者の惑星じゃないと思います。そうだったとしても、
不老不死にしてくれそうな気配はさっぱりないですよ、
と現状を報告しても「もう俺の寿命がマジでヤバイ」と言って
社長が話を聞かない。命が惜しいのか惜しくないのかどっちだ。
・冷凍睡眠状態の創造者を目覚めさせて話しかけたら、
いきなり首を折られて、胴体から引きちぎられたでござるの巻
・確証もないのにプロメテウス号を飛び立とうとする創造者の
宇宙船に体当たりさせて撃墜する。船長たち当然死亡。
・主人公が撃墜された宇宙船から出てきた創造者に襲われるが、
理由については説明無し。
しかし、いきなりあんなことされたら俺でもキレる。
「殺す気かボケェ!」ぐらいの理由だったのではないか。
などなど、おもしろおかしい場面が続き、最終的に主人公の起死回生の手段、「触手的なアレをけしかける」により一撃で首の骨を折ることのできる屈強な創造者を撃退し、ほかにも隠してあった創造者の宇宙船で、今度こそ創造者の故郷を目指して飛び立って、映画は終了。
人類の起源については何も言及されない。
おまけ的に創造者の死骸から明らかにエイリアンの形状の生物が這い出てくるというオチである。
久々の金返せ映画であった。続編やるらしいですけど。
http://gqjapan.jp/2012/08/08/w_prometheus/
宣伝に偽りあり (スコア:0)
あれは人類の起源ではなくエイリアンの起源を辿る映画だそうですよ。
Re:宣伝に偽りあり (スコア:1)
「古代遺跡に共通して現れる星図は人類の起源を解き明かす鍵なのか?
宇宙を旅して訪れた星にあったのは、大いなる答えか、パンドラの箱か…!」
みたいなモノだったら、映画の見かたからして違ったと思うんですよ。
人類の起源についてのSF的仮説で「まじすかー!」ってなるのを期待して行ったら、
エイリアン誕生秘話が明かされたとか、ポルナレフ(AA略 ですよ。
Re: (スコア:0)
映画のプロモーターが作品をきちんと理解していなくて、
物語の導入に過ぎない「人類の起源」を作品のコア、キーワードであると誤解してしまったのか、
もともと騙すつもりで誤解を招くキーワードを設定したのか…
そう言えば、アベンジャーズもキャッチコピーが作品に即して無いとの指摘。
http://srad.jp/comments.pl?sid=576852&cid=2215300 [srad.jp]
立案者は秘密裏にこの宇宙船に乗り込み、同行していたのだった。 (スコア:0)
ふつう宇宙船から放り出されるだろ、冷たい方程式的に考えて
Re:立案者は秘密裏にこの宇宙船に乗り込み、同行していたのだった。 (スコア:1)
「11人いる!」なノリで、だれが追加の一人か分からないようにするか、
最初から一人多いようにデータを書き換えとけば良いのでは。
なにしろ立案者だし。
でも立案者なら「メンバーの一人」よりも「最重要メンバー」として乗り込んだ方が
何かと便利だと思うんだけどね。たとえば危険な場所に行く時も、誰か他の人に
命令して行かせて、自分は安全な場所から高みの見物できるし。
Re:立案者は秘密裏にこの宇宙船に乗り込み、同行していたのだった。 (スコア:1)
プロメテウス号はイオンエンジンで惑星重力圏を出入りできるほどの超テクノロジーなのでそのあたりは
問題ないのでしょう。一人二人増えたところで平気そうです。
firewheel氏の仰るとおり、立案者が何故最重要メンバーとして乗り込まなかったかが謎です。
ミッションの説明を立体映像で用意してプロメテウス号に持たせることまでして、
主人公「社長、乗ってたの!?」
立案者(というか社長)「俺の寿命がマジでヤバイから乗った」
↓
主人公「この星は思ってたような場所がないっぽいんで帰りましょう」
立案者「俺の寿命がマジでヤバイんで遺跡行くわ」
↓
立案者「俺の寿命がマジでヤバイ」
創造者「(無言で殴る)」
立案者「死去」
馬鹿なの? 死ぬの? ってか死んだ。
わはははは (スコア:0)
CM見てそんな事じゃないかと思ったが、
想像を2割り増しした程度のお馬鹿映画のようだ。
うん、見に行かなくて良かった。
お疲れ様でした。