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gomhanのコメント: Re:意味と式は分けるべき (スコア 1) 27

> 意味論的に同じ文章を、違うものとして扱う事に間違いの根源がある。

そうは主張してないのですよ.というか,私も「構文解析的に文章から式を組み立てる」ことに反対の立場です.

私の主張は,
「本来意味を持たない等価な数式を,意味論的に違うものとして扱う事に間違いの根源がある」
です.

上で挙げた例なら,
(1)「ひと皿あたりA個のリンゴがB皿分あると全部でC個」
(2)「B皿分の,ひと皿あたりA個のリンゴがあると全部でC個」
は同じ意味を持つ文章です.

ただし,このことと,自然数の乗算の交換法則
(ⅰ) A × B = C
(ⅱ) B × A = C
は対応していません

(1)(2)は意味論的な等価性で,(ⅰ)(ⅱ)は数論的な等価性だからです.

ですから,
(1)の計算法として(ⅰ)(ⅱ)のどちらを使ってもいいし,
(2)の計算法として(ⅰ)(ⅱ)のどちらを使ってもいいのです.

ゆえに,
「(ⅰ)は(1)の意味を持ち,(ⅱ)は(2)の意味を持つが,(1)と(2)が意味論的に等価なので(ⅰ)と(ⅱ)も意味論的に等価である」
という主張も,やはり容認できません.

ましてや,
(1')「ひと皿あたりB個のリンゴがA皿分あると全部でC個」
を持ち出して,
「(1)と(1')が意味論的に非等価なので,(1)の意味を持つ(ⅰ)と,(1')の意味を持つ(ⅱ)は意味論的に非等価である」
などとする主張に至っては何をかいわんや,です.

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gomhanのコメント: Re:意味と式は分けるべき (スコア 1) 27

> A と B は可換だ。

いいえ.

「ひと皿あたりA個のリンゴがB皿分あると全部でC個」と
「ひと皿あたりB個のリンゴがA皿分あると全部でC個」は違う意味を持つ文章です.

「ひと皿あたりA個」と「B皿分」は可換ですが,単なるAとBそのものは(意味的に)可換ではありません.
そのことを明確にするために3つ目の例として「単位付きの数式」を挙げました.
単位付きの数を単位ごと交換することはできますが,単位を差し置いて数だけ交換することはできません.

要は,意味を持つ数値には単位を付せ,単位の無い数式に意味の存在を求めるな,と言いたかったのですが,
小学2~3年生に「(個/皿)」という洗練された記法を使えというのは無茶だと思ったので,文章で答えさせればいいという主張をした次第です.

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gomhanのコメント: 意味と式は分けるべき (スコア 1) 27

「ひと皿あたりA個のリンゴがB皿分あると全部でC個」
は文章.文章は具体的事象を記述したもので,意味を持つ.文章においてAとBは非可換.

「A × B = C」
は数式.数式は文章を抽象化したもので,計算の方法・法則のみを示し,意味はない.自然数の乗算の数式において,AとBは可換.

「A(個/皿) × B(皿) = C(個)」
は数式.ただし単位を付された個々の数値は意味を持つ.自然数の乗算の数式なので,A(個/皿) と B(皿) は可換.ただしAとBは可換ではない.

よって,意味の理解を問う場合は文章(または少なくとも,単位を付した数の数式)を回答させるべきなのです.
議論の対象となっているテスト問題は,数式を回答させる以上は計算法を問う問題であると捉えられても仕方ない.
当然,計算法においては A×B と B×A のどちらを使用しても差し支えありませんよね.

「初等教育における乗算の教育の最初の段階に限り, A × B = C という数式は “ひとつあたりAのものがBだけあると全部でC ” という意味を持つ文章とみなす」
というような主張は,一時的な定義で数式の意義を誤解させる可能性があり,容認できません.

# なお,非可換な乗算の存在を知るのは,可換な乗算に十分慣れ親しんでからでもでも遅くはないと思う.
# それらの非可換性は純粋に計算法によって生じるもので,意味によって生じるものではないので.

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「科学者は100%安全だと保証できないものは動かしてはならない」、科学者「えっ」、プログラマ「えっ」

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