gretaの日記: 一緒に暮らせば
17日で、ぐれが家に来てから1年になった。去年のあの日は意識しなかったけれど、阪神大震災の追悼日だったのか。
ねこを飼おうと思って見に行った保護団体主催の里親探しの会場に、片眼が青い灰色の縞ねこがいた。気の毒な境遇のねこが集まりすぎていて、何を基準に選べばいいかわからなかった。その縞ねこは、片眼をけがして保護されて、眼球の傷がすりガラスのようになっているから、青い目は見えていないはずだと云われた。決めたのは、ほんとうになんとなく、その不透明な薄青い色が気になったからだった。
そうして、1週間くらい経った17日に、雪のちらつく中を保護した人たちが連れて来てくれた。縞ねこは保護されてから半年くらい、入院して眼の治療をしたり、ボランティアのおばちゃんの家で社会性を訓練したりしていたと云われた。
当初、縞ねこは愛想がなかった。むしろ敵意に満ちていた。朝起きて顔を合わせても、ただいまと家に帰ってもシャーッと云われた。えさは食べるしトイレもするし、いたって健康そうではあったが、身体には絶対に触れさせず、物陰からこちらの様子をうかがっているばかりだった。
1カ月、2カ月の間は、触りたくなる気持ちを必死にこらえて、話しかけたり、やって欲しくないことを伝えたりして過ごした。柔らかいねこの手触りを思い出して、こらえきれずに手を出すと、本気でひっかかれた。触れないので爪を切ることもできず、伸び放題の爪で生傷が絶えなかった。
外出先から帰ってくると、床には台所の生ごみが散乱し、煮干や乾物の袋が食い荒らされているなんてこともよくあった。私たちの食事の時間には、ちゃぶ台の傍で欲しがってうるさく鳴いたりもしていた。でも、お互いが気持ちよく過ごせるように、狙われそうな生ごみは片付け、ふた付きのごみ箱に変え、食いちぎれる袋物はすべて戸棚にしまって、悪さの元をひとつひとつ排除して、食事の時間は徹底的に無視して、ひっかかれたらおおげさに痛がって何をやって欲しくないかを伝えていったりした。
そんな中で、徐々に私たちを信頼して、身体を触らせたり、悪さをしなくなったりする過程がとても楽しい1年だった。最初が憎ったらしかった分、愛情も増すというものだ。
よく、ねこはバカだから物を覚えないなんて云うけれど、どんなことでも相手が解るようにきちんと伝えたり、態度で示していくと、時間はかかるし、全部は思い通りにならなくても、許容できるラインで共存できるようになる。これって教育だなあなんてことをつれづれなるままに思い起こして感慨にふけってしまった。
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