gunwithoccasionalmusの日記: 何度も観ないとわからない 30
2004年度の文春きいちご賞に「デビルマン」と「CASSHERN」という最高レベルの傑作が二本もランクイン。豊作年だということに驚き、それが最低の評価だったことに驚き、15年たってもちっとも再評価されないことにまた驚く。
どちらも一回見ただけで理解できるような映画ではないから、試写で観たいわゆる映画評論家にも、映画館で観た一般観客にも、評判を聞いてビデオで観た人にも評価はされないのは不思議ではない。しかしどちらの映画にもひっかかるところはあって、映画が好きな人なら気がついて何度も観て理解するだろうと思っていたが、どうやらそんな人はいないか、いてもネットにはでてこないようだ。
ハピネスチャージプリキュアの映画も、あれは殺人がテーマの映画だと考えている人は筆者のほかにはたしているやら。人を殺そうとすることが最大の不幸であり、もしどうしてもそれをする必要があるのなら、それがプリキュアの役目だ。何度も観れば、めぐみの無責任発言でつむぎが傷つくはずがないことに気づく。倒すために誘い込んだプリキュアに何を言われようが傷つくいわれはない。それは女児向けの偽装だ。最初からつむぎはプリキュアへの執着で、ジークも嫉妬で殺る気まんまんだ。キュアラブリーは笑いながら敵を殺す。殺人を根拠づけることはできないといいたげだ。少なくとも劇中には根拠はない。
ゴジラ1984は神話だ。戦争犠牲者の霊=カミであるゴジラを(カミだから)無名兵器では撃退できず、鳥で導き富士山に鎮める話だ。スーパーXの名前や三原山の由来をきっちり説明できるのだが、筆者以外に説明できた人はネットにはたぶんいない。
旧劇エヴァの人類補完計画には何の意味もなく、世間の常識を代表する非オタのロン毛に拒絶されるようなものだ。もう一切合切が無意味で、シンジとアスカは翻弄されひどい目にあうが、何も知らない。実写パートでは「夢は現実の続き」「現実は夢の終わり」と綾波が言う。実写パート以前は夢でしなかく、大事なのは実写パート後、ラストのシンジとアスカが寝ている場面だけで、これは現実=実話が元だろう。
男女が並んで横たわっている。女の右腕には包帯がまかれている。リスカしたんだろう。女の胸のふくらみが男の目に入る。欲情した彼は女を死姦しようと首を絞めるが、女が頬をなでたので、怖くなってやめた。女は動く気力もなかったが、男が積極性を見せたのでうれしくなり頬をなでたが、やめたので嫌悪感をしめした。たったこれだけの話だが、人類補完計画にこだわるとわからない。庵野監督が言う「オタクは現実に帰れ」は、お前らも女で苦しめというわけ。
上に書いた映画三本はすべて真のテーマを隠すために表面を偽装されている。だから一度や二度観ただけではわからない。デビルマンとCASSHERNもそうだ。
実デビTIPS (スコア:1)
実デビに関しては去年Twitterで独自に考察をなされた方がいらっしゃいますので、
そちらをご紹介しておきます。
https://togetter.com/t/%E5%AE%9F%E3%83%87%E3%83%93TIPS [togetter.com]
一人以外は全員敗者
それでもあきらめるより熱くなれ
Re:実デビTIPS (スコア:1)
ありがとうございます。本編を観ながら読みましたが面白かった。
Re:実デビTIPS (スコア:1)
リンク先つまみ読んだらもう一回映画見てみたくなった。
脚本からも乖離した映画だったのか、おいたわしや永井豪先生。
Re:実デビTIPS (スコア:1)
これってもしや脚本通りならかなりマシだったのでは…
Re:実デビTIPS (スコア:1)
マシというか、特撮レベルとキャストによっては傑作になってたかもしれない(願望)
もしかしたらシレーヌだけで予算使い切ってあとテキトーにしたのか、と当時は思った。
Re:一言自薦 (スコア:0)
深く考えすぎ、、、、
人それぞれですな (スコア:0)
だが名作だと評価する人は極めて少数派っぽい
Re:人それぞれですな (スコア:1)
> 人それぞれですな
全然違います。
上に挙げた映画は、ある場面を理解する手がかりがそれより後にあるものばかりです。しかも何重にも。もちろんわざわざそうしている。だから何回も観ないと絶対に理解できないんですよ。そういう映画は少なくないのです。
映画評論家は試写で一度観るだけだから評価は全くあてにならないし、一般客も同じ映画のため何回も映画館に行く人は少ないから、やはり評価はあてにならない。メディアが発売されるころにはみんな先入観のかたまりになってしまい、それを確認するために映画を観るようになっているから、これも評価はあてにならない。
そもそも同じ映画を繰り返し見る習慣のある人は少ないし、ガルパンを100回観る人でも1回目の感動を繰り返したいだけ。
そういう話です。
Re: (スコア:0)
つまり大衆向けではないということで、琴線に触れた人やマニアがドヤ顔で評価しとけば良いのでしょう。
今この瞬間死ぬかもしれない人生において、何度も見るほど価値があるの?
Re:人それぞれですな (スコア:1)
私のイメージするマニアは設定厨なので、むしろ非マニアの大衆向けです。私が死ぬ瞬間にはプリキュアのことを考えていたいですね。
Re: (スコア:0)
作成者が何回も見る人にだけわかればいい、わかるまで見ない奴は知らん、って作ってるの?
Re:人それぞれですな (スコア:1)
映画にかぎらずまんが・文芸は一般的に見た目以上に豊かな意味を持ちます。優れた作品は作者の意図のずっと上をいくし、古典文学は汲めどもつきぬ泉だから、解釈は今でも活発です。私見ではディズニー作品は非常によくできた見た目以上のものはあえて持たせてないようにしています。
わざわざわかりにくく作るのは、わかりやすい表現ではあらわせないものを描きたいからです。内に秘めた思いみたいな。デビルマン、CASSHERN、ゴジラのような神話的なものは、「これは神話です」というわけにはいかないし。
Re: (スコア:0)
それ、デビルマン、CASSHERN、ゴジラのような大衆(子供、一部大きなお友達)向けの映画でわざわざやる事?
親スレのエヴァの解説を読んで思ったけど、人それぞれに正しい解釈があるし、そうあるべきなのに、自分が正しいと思い込んじゃってる残念な人っぽいね。
Re:人それぞれですな (スコア:1)
> それ、デビルマン、CASSHERN、ゴジラのような大衆(子供、一部大きなお友達)向けの映画でわざわざやる事?
私はターゲット層で区別することはありませんが、あなたはするのですか?
> 親スレのエヴァの解説を読んで思ったけど、人それぞれに正しい解釈があるし、そうあるべきなのに、自分が正しいと思い込んじゃってる残念な人っぽいね。
矛盾があれば間違った解釈だし、重要な事実が拾えてなければ問題ありの解釈なので、人それぞれに解釈があってもそれが正しい保証はありませんが。だいたい私は自説は主張したけど他人の解釈を誤りだと言ってはいないはずです。
Re: (スコア:0)
A: 映画を見た → おもしろかった → もう一度見る
B: 映画を見た → 意味がわからないけどおもしろいと思った → もう一度見る
C: 映画を見た → 意味がわからないうえにつまらないと思った → もう一度見る
AとBは納得できるが、Cは余程の暇があるか物好きな人しかしない行動でしょう?
もしあなたに苦手な食べ物があるなら考えてみるといいですよ
何度も食べればおいしいと思うからといって何度も食べる気になるかどうか
大多数の人は映画も一度見るだけなので、一度見るだけで評価をしている評論家は
大多数の人にとってはとても参考になると言えるw
# わかるまで見ればわかるというなら、それは洗脳かと
Re:人それぞれですな (スコア:1)
> # わかるまで見ればわかるというなら、それは洗脳かと
わかるまで観るわけじゃないですよ。気にならなくなるまで観る。実際のところ、得るところはなさそうだ思って観るのをやめることも多いです。
Re: (スコア:0)
話的に言えば「上品な甘さが隠れている」ってだけで下が曲がりそうなまずい料理をうまいと評価せよって感じだな>デビルマン
#プリキュアとキャシャーンはもうちょい違う
で、その (スコア:0)
君が考える「隠されたテーマ」ってどんなものなのよ。書いてみれば?
Re:で、その (スコア:1)
それはできません。表現しえないものを表現するための技巧なので、何をどうやろうが私が表現することはできませんが、ヒントは出せます。
デビルマン、CASSHERN、ゴジラは神話です。劇中で描かれた人間の物語と、描きえぬ神の物語が重なっています。
プリキュアのテーマは殺人です。人を殺してもよいとする根拠は劇中では描かれていませんが、不自然さを感じさせないための技巧です。
旧劇エヴァは男女の短い話です。それ以外は彼らを導入するためだけの単なるガジェットで何の意味もない。
「Not For Me」 (スコア:1)
ここは貴方のチラシの裏なので思う存分語ってください。
ネット配信の時代なので再評価の可能性も微粒子レベルで有るかもしれない。
でも、私にとっては「Not For Me」。それだけです。
Re:「Not For Me」 (スコア:1)
あなたのおっしゃる通りここは私のチラシの裏ですから、あなたが出張してきて「Not For Me」とおっしゃるいわれはないのですが、これが映画なら作品理解のカギになります。
Re:で、その (スコア:1)
プリキュアとゴジラは知らないですが、エヴァのは日記主の言うとおり、それだけの話だと私も思います。
隠されたテーマと言うほどのこともなく、映画作るついでに書きたいシーン書いた、という気もしないでもない。
書きたいものを書くためにエヴァを借りた、は、それ言うと身も蓋もなくなっちゃうかなぁ。
ま、せめて「『エヴァ』のストーリーの側からは迫れるものがない」くらいに言っといてあげたい。
ところで私は映画等を観たとき「二度見する人ばっかりじゃないんだし、ヒントを前に置いてあげたほうが良いんじゃね?」と思ったりするわけですが、
日記主のおっしゃる、表現しえないものを表現するためにそのようになっている、というのは面白い解釈手法、物語論ですね。
表のテーマに出せないものを表現する、あるいは意図的に隠すために、ヒントとなるモノを後ろに置く、と。
ヒントが前にあるか後ろにあるかで作品の伏線やガジェットを分類してみたら面白いかもしれないですね。
Re: (スコア:0)
> 「二度見する人ばっかりじゃないんだし、ヒントを前に置いてあげたほうが良いんじゃね?」
ディズニーはこのやり方です。徹底的に表に出して一度見れば全部わかるようになっている。下手すると子供向けを通り越して子供だましになりますが、大人が見てもおもしろく作れるのだからさすが。
でも「ズートピア」には難しいシーンがあります。
https://ameblo.jp/wmstudent/entry-12205288273.html [ameblo.jp]
> ニックがあの橋の下でジュディを許す場面。あの素晴らしく美しい場面で、自分を差別したジュディの謝罪を受け入れ、穏やかに笑って許すニックは、なぜジュディを許したのか。
ジュディは
Re:で、その (スコア:1)
英語だとこれ。吹き替え訳とほぼ同じ。
I know you’ll never forgive me. And I don’t blame you. I wouldn’t forgive me either.
I was ignorant, and irresponsible, and small-minded. But predators shouldn’t suffer because of my mistakes. I have to fix this.
But I can’t do it without you. And…And after we’re done…you can hate me. And…And that’ll be fine.
Because I was a horrible friend and I hurt you. And you can walk away knowing that you were right. All along. I really am just a dumb bunny.
Re:で、その (スコア:1)
> ヒントと答えはそれぞれを補強するので、前後はあまり気にしないほうがいいかも。
なるほど。解釈のしようによってはどっちがヒントでどっちが答えってのも変わってくるわけですね。
Re: (スコア:0)
そういうと思ったよw
Re:で、その (スコア:1)
我思う、故に我ありですか。どんな馬鹿でも思いはします。
Re:で、その (スコア:1)
ちょっとかわったところでは、「NieA_7」の主人公の浪人生まゆ子は、トップクラスの優等生が貧乏なのに東京で一人で予備校生活をしていることと、劇中で化学と国語を勉強している(たぶん)ことから、東大志望だということがわかります。
Re:で、その (スコア:1)
まゆ子は学力は十分なのにもかかわらず東大に落ちた。この話は彼女が自尊心を回復する話で、設定も実はそこをサポートしているのだが、ちょっと見たくらいではまずわからない。
Re:で、その (スコア:1)
「聲の形」の植野さんの行動にはどうにも変なところがありますが、彼女がアスペルガーだと考えればすべて説明がつきます。他の人間、とくに西宮さんの先を回った発言や言動が理解できず、怒りがつのるわけです。「植野さんはどうも変だ」ということに安易に理由付けしなければ、この話がダブル障害者ヒロインの話だと理解できるかもしれない。