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484931 journal

h.morinoの日記: 最近のお仕事

日記 by h.morino

9ヶ月近く書いてない…
先生が読むかわからんけど近況。
今、仕事で何をやっているかというと、Intel C Compilerと格闘して弊社製画像処理ライブラリの高速化作業をやっています。
intrinsicsという、IntelのCPUの命令の薄いラッパーを組み合わせて画像処理をSSE2などでベクトル化によって高速化する作業と、OpenMPの命令を使って並列化で高速化する作業を平行してやっています。場合によると簡単に20倍ぐらいの速度が出て楽しいのです。
この間まで練習を兼ねて簡単なものをやっていました(平滑化フィルタ等)が、今はサーチの高速化に取り掛かっています。
Core2 QuadのPCを買ってもらって4コアで速くなったり遅くなったり一喜一憂です。
Quad core生かそうとすると、メインメモリの転送速度が間に合わないことが多数。CPUなんかよりこっちが先に速くならんかな、という感じですがこの速度差は今後も開くばっかりなんだろうなあ。

446989 journal

h.morinoの日記: バンドプロデューサー

日記 by h.morino

あけましておめでとうございます。
待て次号!と書いておきながら違う話をします。てっきり書いたつもりで書き漏らしていました。
http://www.kawai.co.jp/press/20060803.html
http://www.kawai.co.jp/cmusic/products/bp/
バンドプロデューサーというソフトが昨年夏に出ました。音楽CDからコード進行を譜面に起こしてくれるという、宣伝文句どおりならば音楽情報処理的に凄いソフトです。

開発者のコメントは以下で読めます。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20060911/dal250.htm

実際の検出性能は微妙なようですが…
http://harryblog.exblog.jp/4331711/

体験版はここにあります。
http://www.kawai.co.jp/cmusic/download/bpdemoindex.htm
正月休み、試してみてはいかがでしょうか。

508695 journal

h.morinoの日記: なにをどこまで書いたのか忘れ気味

日記 by h.morino

田村先生には「よくあんな昔のことを覚えているね」なんて言われましたが、自分でどこまで書いたのか忘れて思わず読み返しました。一足飛びに音楽の困難性まで話が飛んでしまったので話が時系列から大きく外れていますねえ。

・開始時の能力が「C言語が一応読める」程度だった
・既存研究は文字単位で入力し字句解析と構文解析を同時に行うもので、ひどく難しいことをしているように思えた。出力はMIDI
・点字のデータフォーマットが不安な代物であるため、自作した
まで書いたでしょうか。

当時の点字のデータフォーマットの不安点は以下。
1.プロプライエタリな点字ワープロソフトウェア「ブレイルスター」に強く結びついている
2.PC98x1の文字コードに結びついている(罫線文字部分に点字コードがある)
3.同一点字に対する表記が揺れる(本来の出力では点字のみのはずなのに、点字・ASCII文字・半角カナが混在できてしまう)
4.やな感じでバイナリ
そこで自分用に考えた表記が<63>のように点字1つを2つの数字と2つの記号で表す方法。これによる利点が
1.高っかいブレイルスター買わなくてもtextエディタで解析用テスト点字楽譜が好きなように書ける読める。(ブレイルスターは一般文書用だから、私が持つ必然性もないし)
2.テキスト処理と全く同じ考え方でプログラムを書ける。NULL終端の文字列前提にしてOKだから自作に便利だし、点字になりうるのは限定された文字で構成されたセンテンスしかない前提でプログラムを組める→プログラミング作業の難易度が低下する!
この方法は後で一般テキスト用のフレームワーク、というかflexとbisonに食わせるのに便利 でした。
ここまでは前までも書いた話ですね。
さて、点字楽譜をテキストにできたまではよいのですが、出力する先が必要です。とりあえず先行研究のプログラムをきちんと理解する必要があると思ったため、その出力フォーマットであるSMFの学習を始めました。始めたのですが、これがとんでもない資料不足かつ期待はずれだったのです!(画面下にでっかいテロップを点滅させつつ次回へ続く)

508773 journal

h.morinoの日記: FIT2006論文賞記念食事会をやりました

日記 by h.morino

後藤研究室における初代点字楽譜自動解析者、尾上さんの追悼からはじめて、受賞のお祝いをし、各自の近況などを話し合いました。
現在までの研究の流れやトニカの方々の気持ちなど様々におしゃべりして5時間近くやっていたと思います。

内容はもう酔っ払っていていまいち覚えていないのですが、でかい花の贈呈があったり表彰式再現があったり仕事の話をしたり(ベイヤーがどうとかいった記憶が)、研究アプローチとして点字楽譜を生成する側の研究(今回賞をとった流れのもの)と点字楽譜を理解する側の研究(昔私がやっていたもの)がどちらも続いているといった話をしたり、担当する学生が抜けた時があってその時はどちらの先生も自分でコードを書いてみた、それにより研究に対する指導が結構変わったねえ、という話があったり、研究室に入ってきた時点では全然プログラム書けない子だったので困ったら助け舟を出そうと思ってたらそのまま最後まで乗り切っちゃったねえなんて話があったりと点字楽譜の計算機処理の話はまだまだ生きているんだなあと感慨深いものがありました。
あと復学はしないのかという質問はあわててごまかしました。そんな心とお金の余裕ないし。というか世間に博士ってだぶつき気味じゃありませんか先生。36歳ぐらいで博士とりましたー職業無職ですー、これはちょっと困る。
最後に隔年でまた集まりましょうということで私が永年幹事に…2年後、ちゃんと覚えてるかなあ。

446811 journal

h.morinoの日記: FIT2006論文賞を取った点字楽譜の論文

日記 by h.morino

これです。後藤研究室にいた後藤君(さぞややこしかったろうな2年間)の論文です。
https://www.ipsj.or.jp/01kyotsu/award/fit_ronbun/2006_pdf/LK_021.pdf
では解説というかコメントというか。

1.まえがきについて
点字楽譜の状況が良くまとまっています。
2.点字による楽譜表記
なんだか前半に私の書いた文章(そして先生に添削された文章)が相当残っているような。というか「点字楽譜の手引き」を参考に書くと同じになっちゃうんですけどね。この1つの章で紹介しきれないルールが教科書にはいっぱい書いてあります。(そして任意のコメント文や日本語英語その他の言語による自由な曲想指定等が入ります。自分から点字楽譜を書くときには問題ないですが読むときには大問題)
3.楽譜記述言語について
当時そんな便利なものがあったら利用したのにー!後で読んでおこう仕様。
音楽の論理構造を本当に書けているのかなあ。どう書いても無理やり感が残ると思うのだが

backupという時間を前に戻すことを表す要素を用いて表現する

やっぱりあったか。時間をさかのぼりますか…腕に回数制限とかあるのか。
4.楽譜自動点訳システム
標準的なツールとか技術って凄いなあ。XMLは1998年10月に初出だから使って使えないことはなかったのだろうけども、それ関連のツールを駆使してどうこうという発想は私にはなかった。
点字楽譜の論理構造も私が定義したものとはずいぶん様変わりしているようですね。あとピアノ専用カスタムだし。私は教科書からルールを抽出して書き下し、通り一遍の字句解析から文書構造解析を通せたってだけで終わっちゃったからなあ…
部分け内分けについては旋律の概念が必要なので、うまく解析している工夫がえらい。音楽情報処理らしい処理ですね。
5.WEB対応
標準的なツールと(略)
6.処理例
墨字楽譜認識が市販ソフトにおんぶにだっこです。これはしょうがない。勝てない。河合楽器さんありがとう。MusicXMLに対応してくれて。

予防線
・海外でも色々やってるじゃないですか。任せとけば?やる必要あるんすかマジで
それはつい最近です。あと日本特有の表現もあったりなかったり日本語表記が混じったり。
・楽曲の論理構造を表現するには海外版MusicXMLがあるじゃないですか。当時使っとけよ
そうですね無能な私が就職した次の年に策定されましたね。
・これで問題全部解決じゃね?
吐き出された点字楽譜を本当にそのまま使うの?
手作業で読みやすさを整えたり妥当性を検証したりしないの?
そのときのエンバグチェックはどうするの?
視覚障害者が点字楽譜を書くときの支援はしないの?

業務連絡
今回の受賞のお祝いに、先生が飲み会をやろうと言ってます。現役の人、トニカの方、過去に点字楽譜にかかわった双方の研究室OBも含めて。
留学生の方とか、OBで何人かメールが届かない方がいるのですが、万が一コレを見ていて飲み会に来る気があったら先生に連絡を取ってくださいませ。

446794 journal

h.morinoの日記: CDのできること、smfのできること、楽譜のできること

日記 by h.morino

CDは音楽を記録できません。
midiは音楽を記録できません。
楽譜は音楽を記録できません。

これは「音楽とは何か」という問題であるとともに「抽象度」の問題です。

・CDはなぜ音楽を記録できないか
CDをはじめオーディオ機器が記録しているものは、マイクに到達した空気の振動です。録音しているときに大気中に音楽があったから音楽がたまたま記録されているだけで、冷蔵庫のうなりがあればそのまま記録されます。オーディオ機器は大気の振動が音楽であるかどうかを認識することなく、あるがまま記録し再生しています。そこには全く音楽に対する解釈はありません。
コレを再生条件がかなり変わってもなぜ人間が音楽と認識できるかは人間の認識側の問題です。
(サンプリングレートや音量の階調がかなり大まかでも大丈夫。このへんは画像と同じで、かなり小さなサムネイルでさらに減色がかかっていても大体何だか理解できるのはなぜ?ということ)

・midiはなぜ音楽を記録できないか
midiが記録するものは、鍵盤楽器の鍵盤に対する入力です。記録形態は時間当たりのサンプリングではなくて、入力の変化した時刻を記録するタイプ。鍵盤の入力とリリースのタイミングだけでなく圧力の変化時にもタッチとして記録します。再生時はその入力に対応した音色で音を合成し、出力します。
これだけ書くとかなり楽譜に近く思えますが、実際にmidiから楽譜に起こすと全く楽譜として使い物になりません。
たとえばポップスなどですと、ボーカル相当の鍵盤、ギター相当の鍵盤、ベース相当の鍵盤、ドラムの鍵盤、キーボードの鍵盤の入力をひとつのmidiファイルとして格納してしまうことができますが、同時発音数が足らない場合など一つのトラックにあらゆる楽器が混在する技巧を使ったりします。
また、データとしてPCで位置から作成したものでは起こりにくいことですがキーボード直接入力で得られたmidiファイルなどでは微妙なタッチの変化を全て拾ってしまい、そのまま楽譜にすると一つの音を発するのに異様な数の記述が必要になってしまいます。
さらに、純粋に鍵盤入力を拾っているため「旋律と伴奏」「和音」という考え方自体が存在しません。
その他数多ある特徴の結果として、かなりうまく解析を行わないと人間が自然に読める楽譜にはなりません。

・楽譜はなぜ音楽を記録できないか
楽譜は演奏指示の情報です。楽譜にしてしまうと音楽の大意だけが残り、細かなニュアンスが全て記録されずに消えてしまいます。

・音楽とは何か
私はここの結論が出せませんでした。CDが記録しているのは音声です。midiが記録しているのは指使いです。楽譜が記録しているのは音楽の本質を一種類取り出して大意だけダイジェストしたものです。
楽譜が音楽を全てあらわしているなら、なぜ私は歌っている歌を即座に1音あげて歌ったりできるのでしょう。3拍子とワルツの違いを何で区別できるのでしょう。拍子を変えていきなりスゥィングできたりするのでしょう。硬くひいたりやわらかくひいたり楽しくひいたり悲しくひいたりできるのはどうしてでしょう。なぜ即座にハモるための旋律を生成できるのでしょう。
多分私は勉強不足なのでしょう。

・抽象度
音声<指使い<楽譜<楽譜を読んだときに脳内に生成される楽曲のモデル

・比喩
音声→GUIへの出力
指使い→CPUで実行されるコード
楽譜→ソースコード
音楽→仕様
私の研究したかったこと→rubyのコードをCOBOLのコードに読みやすく変換する

・結局は翻訳なのだと考えると
単語を拾って逐語訳で翻訳すると、無理が出ます。(私以前のアプローチ)
上位概念に変換してから書き下そうとすると、上位概念を十分に定義するための高度な能力が必要です。(私が挑戦して敗れたアプローチ)

・結局何が欲しいかというと
誰か音楽とは何なのか、過不足なく表現できるデータ構造を発明してください。

備考
以上の文章は故意に単純に書いておりますので、細かい所は気になるとは思いますが大意を汲み取っていただくと幸いです。

516321 journal

h.morinoの日記: angel.net夜逃げ?

日記 by h.morino

mixiで大学時代の友人から仕入れた情報だが、加入していたプロバイダangel.ne.jpがいきなりアクセス不能になっているらしい。ADSLもつながらないし、公式サイトも駄目だそうな。
http://pc8.2ch.net/test/read.cgi/isp/1007189101/362n-
あらら…
何の引継ぎもなしにプロバイダがなくなるなんてことあるのかなあ。
http://pc8.2ch.net/test/read.cgi/isp/1007189101/387

私は12月末までの契約だったからまだマシな方か…
身バレするかもだけど、今日消費者センターへ電話してみたら
やはり夜逃げっぽいって話でしたよ。
事務所内には誰もいなくて、サーバーとかのマシンだけが動いていたらしい。
もう復旧することはないと考えた方が良いだろうとのことでした。

一応退会の意思表示はしておいた方が良いと言われたので
無駄かもしれないけど退会希望のメールを送っておきましたが
今のところ送ったメールは戻ってきてないので、サポート用のメルアドは
もしかしたらまだ生きてるのかもしれないです。

まぁ、そんな感じなので皆さんもさっさと乗り換えした方が良いですよ。

えらいこっちゃ。

516994 journal

h.morinoの日記: 資料の発見状況

日記 by h.morino

紙の資料:未発見
どーしても見つからない。まさか実家が引っ越したときに捨てちゃった?
データの資料:発見
当時のHDD出てきた!読めた!
今、私Microsoft word持ってないorz
Viewerを入れてみた。
・点字楽譜フォントが無いので文章が化け化け→入れて解決
・楽譜フォントが無いので文章が化け化け→うわー楽譜フォントはシーケンスソフトにくっついてた奴使ってたはずだけどどのソフトだかわからん!

次回予定:CDのできること、smfのできること、楽譜のできること

516999 journal

h.morinoの日記: 教授からメールが来ました

日記 by h.morino

「FIT2006で君の後輩がMusicXMLと点字楽譜のアレで賞を取ったよ!」
おおっ。
「あと君のスラド日記発見したんだけど文章まとまったら研究室サイトにUPするから教えて。リンクでも良いけど」
orz
すいません放置してましたすいませんすいません。

529955 journal

h.morinoの日記: 点字習得および点字必要性の状況

日記 by h.morino

今日、部屋の掃除をしていたら電子情報通信学会誌の平成18年3月号が出てきました。届いた直後ぱらぱらと流し読みしたときには気がつかなかったのですが、コミュニケーション支援小特集の中に「視聴覚障害者のコミュニケーション支援」がありました。
その中で提示された統計データが興味深かったのでご紹介。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/08/h0808-2c1.html
の、「2 点字修得及びコミュニケーション手段の状況」
に日本で何人が点字を読めるのかの表があります。
級については
http://www.oomori.hello-work.jp/syougaisya/sikakusyougai.htmlを参照してください。
点字が読めるのは3万2千人で、視覚障害者総数の10.6パーセントに過ぎません。
ただし、「歩くのに白杖が必要」というステロタイプな見方に当てはまる1級の方の場合は総数10.5万中の2.2万で21パーセントです。

さて、点字書籍の需要は1冊あたり3万2千部が上限のようです。
点字楽譜の上限は…?

#いくら掃除をしても研究したときのデータが出てこない…論文の別刷りすら。
#まさか捨ててはいないと思うのだが、会社か実家に持って行ったかな。

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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン

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