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h.morinoの日記: FIT2006論文賞を取った点字楽譜の論文

日記 by h.morino

これです。後藤研究室にいた後藤君(さぞややこしかったろうな2年間)の論文です。
https://www.ipsj.or.jp/01kyotsu/award/fit_ronbun/2006_pdf/LK_021.pdf
では解説というかコメントというか。

1.まえがきについて
点字楽譜の状況が良くまとまっています。
2.点字による楽譜表記
なんだか前半に私の書いた文章(そして先生に添削された文章)が相当残っているような。というか「点字楽譜の手引き」を参考に書くと同じになっちゃうんですけどね。この1つの章で紹介しきれないルールが教科書にはいっぱい書いてあります。(そして任意のコメント文や日本語英語その他の言語による自由な曲想指定等が入ります。自分から点字楽譜を書くときには問題ないですが読むときには大問題)
3.楽譜記述言語について
当時そんな便利なものがあったら利用したのにー!後で読んでおこう仕様。
音楽の論理構造を本当に書けているのかなあ。どう書いても無理やり感が残ると思うのだが

backupという時間を前に戻すことを表す要素を用いて表現する

やっぱりあったか。時間をさかのぼりますか…腕に回数制限とかあるのか。
4.楽譜自動点訳システム
標準的なツールとか技術って凄いなあ。XMLは1998年10月に初出だから使って使えないことはなかったのだろうけども、それ関連のツールを駆使してどうこうという発想は私にはなかった。
点字楽譜の論理構造も私が定義したものとはずいぶん様変わりしているようですね。あとピアノ専用カスタムだし。私は教科書からルールを抽出して書き下し、通り一遍の字句解析から文書構造解析を通せたってだけで終わっちゃったからなあ…
部分け内分けについては旋律の概念が必要なので、うまく解析している工夫がえらい。音楽情報処理らしい処理ですね。
5.WEB対応
標準的なツールと(略)
6.処理例
墨字楽譜認識が市販ソフトにおんぶにだっこです。これはしょうがない。勝てない。河合楽器さんありがとう。MusicXMLに対応してくれて。

予防線
・海外でも色々やってるじゃないですか。任せとけば?やる必要あるんすかマジで
それはつい最近です。あと日本特有の表現もあったりなかったり日本語表記が混じったり。
・楽曲の論理構造を表現するには海外版MusicXMLがあるじゃないですか。当時使っとけよ
そうですね無能な私が就職した次の年に策定されましたね。
・これで問題全部解決じゃね?
吐き出された点字楽譜を本当にそのまま使うの?
手作業で読みやすさを整えたり妥当性を検証したりしないの?
そのときのエンバグチェックはどうするの?
視覚障害者が点字楽譜を書くときの支援はしないの?

業務連絡
今回の受賞のお祝いに、先生が飲み会をやろうと言ってます。現役の人、トニカの方、過去に点字楽譜にかかわった双方の研究室OBも含めて。
留学生の方とか、OBで何人かメールが届かない方がいるのですが、万が一コレを見ていて飲み会に来る気があったら先生に連絡を取ってくださいませ。

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「毎々お世話になっております。仕様書を頂きたく。」「拝承」 -- ある会社の日常

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