higonの日記: 韓国ヒトクローン研究スキャンダル、まとめ 6 (Korean Cloaning Research in Chaos, round up 6)
これまでのまとめの目次は、別のエントリにあります。
スヌーピー。
いいこと教えてあげる。あなたにはきっと両親がいるよ。
他の犬と同じように、健康に、大きく育つよ。
事件 (Revealed Facts)
2005年7月にScience誌に掲載された黄禹錫の論文について三つ。
- Science誌に掲載された論文のオンライン版追加資料に使われている クローン細胞の説明写真の殆どが、クローンではない細胞の「写真の複製」であることが 判明しました。
- 細胞核移植を扱う実験では、第一線の研究室であっても細胞の混入が起こりうる為、 Science誌の査定段階でのDNA指紋検査が必要とされていました。 写真で説明されていた細胞についてのDNA指紋を比較してみると、 その殆どが、確かに同じDNAをもつ細胞であることが確かめられました。
- ピッツバーグ大学に滞在していた、黄禹錫チームメンバーの 金ソンジョン研究員が、ピッツバーグ大学にて、彼が「黄禹錫の指示に従って」 2枚の元写真を11枚に複製したと告白しました。一方、黄チームはこの告白を真向 から否定しています。
批判 (Challenges)
- 培養した細胞コロニーは二つも存在しなかった。同じの患者からの細胞を、あたかも クローン細胞であるように見せかけたのである。
- データは、各細胞が同じDNAを有することを証明している。 しかし、違う患者から取り出された細胞のDNAまで同じなのはどういうことか。
- 黄禹錫はデータの不正な複製に関与していた。これは組織的なデータ改竄行為である。
- 一連の疑惑から考えて、Scienceの論文の科学的な説得力は疑わしく、無効なものと考えられないか。
これまでの弁護 (Possible Defensive Responses)
- 黄チームは間違った写真を提出したことを知った時点で、Science誌に 新たな写真を送付し、修正を求めていた。Science誌の写真の掲載が間に 合わなかっただけである。
- これは難度の高い実験だ。第一線の研究室であっても、細胞の混入は 起こり得る。今回、偶然に他の患者の細胞が混入したのであって、不正による ものではない。
- 金ソンジョン個人の行動である。黄チームは間違った写真が掲載される前に 修正用の写真をScienceに届けており、この小さな間違いは迅速に対処された。
- 大体、これはオンライン版Scienceの追加資料についての議論である。 Science誌に実際に掲載された分には問題がなく、今回の批判がどう転ぼうと、 論文の科学的結論が動くことは考えられない。
最初の弁護 (First Response)
朝鮮日報の記事(ハングル語)からの抜粋です。黄チームは 12月11日に配布した報道資料を通じて四つの疑惑に返答を行いました。
- 審査の段階で、全72枚の写真を繰り返し編集した中で十分起こり得たミスだ。 かつて羊クローンを作ったウィルマット博士も同じような間違いをしている。
- DNA指紋の比較のやり方が間違っている。一部のDNA指紋を比較して、同じように 見えても同じ細胞であるとは言えない。指紋を拡大してみれば、違う細胞であるとわかる。
- 事実無根。「PD Notebookによる脅迫下の、誘導尋問によって出た発言」
- 我々には幹細胞が作られた過程を示す写真がある。過去にシェトン教授とウィルマット教授などの海外研究者によって厳重にチェックされたものだ。
資料 (Materials)
- Patient-Specific Embryonic Stem Cells Derived from Human SCNT (旧版)
- 話題の論文。大人の細胞を元に、それと同じDNAを有するヒト胚の複製に成功したという報告。
- オンラインマテリアル
- 複製写真のある追加資料
- 修正表
- 以前シャッテン氏によって修正された部分。今回の事件とは関係なし。
- Pressianの解説記事
- 論文のデータ不整合と重複の指摘。画像つき。ハングル語。
- OhMyNews!の解説記事
- その後あちこちから寄せられた指摘。画像つき。ハングル語。
- OhMyNews!への投稿(12/15)
- 他の論文との写真の重複の疑惑。ハングル語。黄禹錫のScience論文の12-13ページ目の幹細胞の写真が、メズメディ病院理事長が発表した論文の写真と同じ。しかし説明文、スケールバーが異なる。
関連記事 (Related Articles)
「大きくなる、研究をめぐる意見の対立」(12/09)
Korea Timesによる、複製疑惑が明らかになる前の記事。
「MBCのシャーナリズム倫理違反での謝罪が済んだにもかかわらず、この問題は大きくなるばかりだ。
一体全体、どうしたものか?やはり、研究の有効性を検査するのが一番の解決方法なのだろう。」という流れ。
(私見/記者、たぶん疑惑に気づいているのでしょう...
12月10日現在、まだ韓国のどの新聞の英語版にも複製写真関係のニュースは載っていません。)
「新たな批評が韓国幹細胞研究に襲いかかる」(12/10)
New York Timesによる、真夜中に出版された、カフェインの匂いのする記事。
Washington Postを出し抜いています。きっと Rick Weiss は怒っているぞ。
「Science誌編集者で対外問題を担当しているモニカブラッドフォードは、黄チームに対し、事の説明と、より詳しい
生データを提出するように求めている。」
「ピッツバーグ大学は、論文を詳しく審査するためのグループを組織した。
ソウル国立大学もそれにならい、論文を審査するためのグループを用意する予定。」
「ニューヨークにあるスローン-ケタリン(Sloan-Kettering)研究所の幹細胞専門家ロレンツ=ステューダ博士は
昨日、黄博士に質問状をEメールで送ったが、黄博士は入院中の為、応答していない。
ステューダ博士は、黄博士と韓国の幹細胞研究の様子を良く知る人物で、韓国で行われていた
研究手法を、さかんに米国内の自分の研究に採り入れようとしていた。彼は今呆気に取られている。」
「実験はソウルで行われたが、その提出データに最も責任のある人物はシャッテン博士
であり、彼の名前は2005年のScience論文の最後に論文指導者として並んでいる。以前、
彼の論文指導者としてのポジションがデータ分析とマニュスクリプト作成に限定されて
いた事が明かされた時に、それが共同著者としてふさわしくない仕事内容であったと疑問
が上がった事がある。ピッツバーグ大学医学部学部長アーサー博士はこのことについて、
『シャッテン博士は尊厳ある科学者であり、黄博士にアイデアの貢献をした。しかし、
ディスカッションを交わしたことが論文指導者の誘いにつながるのは異例の事であるの
は事実だ。博士は共同著者になる誘いを受けた事を深く後悔したにちがいない。』
と述べた。
シャッテン氏は昨日、このことについてコメントをしていない。
今回の批判は、12月7日に、韓国の生物研究情報センターのウェブサイトに以下の文と共に投稿された。
『幹細胞が最初から存在しなかったと言わざるを得ない。このほぼ同一の指紋パターンは、
致命的な間違いが実験の最初から起こっていた可能性を強く示している』
英語の翻訳レターは、米国の大学の韓国人科学者によって送られた。彼/彼女は韓国政府の
制裁を恐れ、匿名で公開することを希望している。
もし、科学論文の一部分にでも誤りがあれば、猜疑は黄博士の全ての論文にまで広がる
だろう。しかし、彼の持っている、明らかな手腕と、他の研究者を援助しようとする
心の寛大さは、かつてステューダ博士やシャッテン博士などの米国からの訪問者を深く
感銘させてきたものだ。そのため、彼の批評家たちによって挙げられた疑問が、単なる
データを扱った際のケアレスミスから起こったという可能性を、完全に消し去ることは
できない。」
「ソウルの科学者が新たな疑問に面する」(12/12)
International Herald Tribuneの記事。
「なぜ、彼らがDNAテストが行われるのを恐れているのか?」
「ここが、大きな疑問だ。『なぜ?』」
「韓国の黄禹錫、病院に戻る。」(12/12)
AP通信の韓国人記者からの記事です。多くの新聞で採用されました。
黄禹錫が涙の退院を果たし、研究に戻ることになりました。
「皆に心配をかけてすまなかった。今後さらに研究で倍の努力をする。」
彼はソウル国立大学に、彼の論文審査チームを組織することを要求し、
大学の審査機関と共に研究を続けることを表明しました。
「我々は、事実を確立する為の議論を通して疑問の全てが明らかになり、
研究活動が再開することを願っている。」
黄禹錫は夕方、入院していた病院に戻りました。理由は明らかにされていません。
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