hypernoteの日記: ♭♪♯
初めてピアノを弾こうとするとき,何が一番難しいと感じたかといえば,やはり「右手と左手を別々に使うこと」だった.でも,それ以上に本当に難しいのは「同じ手についてる指をばらばらに使うこと」だったりする.
PCのキーボードに向かって,スペースキー(親指)と i (中指)のキーを交互にできるだけ高速に打て!といわれれば,ある程度PCを使ってる人間ならそれなりの速度で打てる.同じ要領で,j (人差し指)と右のシフトキー(小指)を交互に打て,という課題もクリアできる.ところが,スペースと j を同時に打ち,次に i と右シフトキーを同時に打つ,という操作を続けて高速に実行しろ!といわれると,いきなり指が言うことを聞いてくれない.もしこれが苦もなく高速にできるなら,すぐピアニストに転職するしか!
2本の指を交互に動かす,という動作は日常生活でもある程度行われているのだろう.しかし,4本の指を2本ずつ交互に動かす,という動作は非日常的であるらしい.ピアノ曲を演奏する上では,こうした非日常的な指の運動が平然と要求される.これがピアノを演奏する上での,難しさの一因となっている.
運指の技術のみを突き詰めていくと,技術的に理想的なピアニストとは「10本の指すべてが,他の指の運動と全く関係なく独立に,任意の鍵盤を,任意の強さ,速度,間隔,長さで押せる」ことができる物体と定義できそうだ.無論,音楽では演奏に「感性」なるものが求められる.だから,こういう仕様を満たすロボットを作り上げたからといって,それが「音楽を演奏する」理想的なピアニストであると言えるわけでもない.
ただ,アシュケナージ大先生やポリーニ大先生クラスだと,この仕様を満たしている気はするのよね…
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