hypernoteの日記: ♭♯♪♪
親指は他の4本の指に比べると,かなり運動の自由度が高い.一見太くて短いので不器用に見えるが,実は最も器用な指だろう.なんといっても,移動できる範囲がどの指よりも広い.そして,親指はその自由度の高さゆえに,ピアノ演奏ではどうしても酷使されてしまう.親指に要求される技術は多い.
例えば,前述の親指を人差し指の下にくぐらせる話は,親指の使い方の基本だ.でも,くぐらせる相手は中指,薬指,小指とたくさんいる.そして,その辛さは親指からの距離の二乗に比例する(ような気がする…).h キーを親指で押しっぱなしにした状態で,j, g を人差し指で押すのはまあできる.しかし,これを中指,薬指,小指と変更していくと,どんどん辛くなる.しかも,利き手と反対の手でやると異常に辛い(辛くなければ即ピアノを始めるしか!).
ハノンの練習曲では 32番で人差し指,33番で中指,34番で薬指,35番で小指が,それぞれ親指を超えさせる練習をするようになっている.34番なんかは,楽譜を見ると「ドレミファソファミレド」と弾くだけの,馬鹿のように単純な旋律だ.しかし,ドレミファまでは親指から薬指まで使って順番に弾いて行き,ソを親指で弾いて,ファミレドとまた薬指から親指まで使って順に弾く.これを音が途切れさせることなく高速に弾け!といわれると,指がパニックに陥る.35番の小指超えに到っては,まさに地獄.といっても,実際に曲を演奏するときに小指超えを要求されることはまずないけど.
そして37番は,(右手の)人差し指でレ,中指でファ,小指でラを押しっぱなしにした状態で,親指でド,ミ,ソをひたすら弾くという拷問曲になっている.この曲は,最初に見たときさすがに目が点になった.まったく,親指もご苦労なことである.
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