k3cの日記: 間違った推定がもたらす混乱 1
RIETIのオープンソースと知的財産権のWebページで紹介されていた、あの42件リスト、正式名称日本人によるオープンソースのリストが6月27日付けで改訂されていた。
どう変わったかというと、OSI定義の「オープンソースソフトウェア」とは違う、ということの明記と、リストにOSI定義のオープンソースソフトウェアあるいはFSF定義のフリーソフトウェアと「推定」されるものに◯をつけているという点か…これはもしかしたら前からそうだったかもしれないけど。
で、改訂版はどうかというと…やっぱり間違っていると思う。○の判定基準が間違っている。
例えば○がついているFFFTPの使用許諾には:
●使用許諾
・FFFTPはフリー・ソフトウエアです。個人使用、業務使用に関わらず自由に
使用してかまいません。・FFFTPの動作に必要なファイルが含まれた形であれば、自由に複製し、頒布
してかまいません。・ソフトウエアは十分にテストをしていますが、お使いのパソコン環境や、
プログラムの不具合などによって問題が生じる場合があります。それにより
損害が生じても、損害に対する保証は出来かねますので、あらかじめご了承ください。
と書かれている。これは、パッと見てわかるように、FSF定義のフリーソフトウェアでもないし、OSI定義のオープンソースソフトウェアでもない。変更したソフトウェア・派生したソフトウェアの頒布が許可されていないから。
どうも誤解があるようなのだが、オープンソースソフトウェアにせよ、フリーソフトウェアにせよ、変更・派生したソフトウェアの頒布が明示的に許可されていなければいけないのだ。
もう一つ例を挙げる。WWWCでは、ライセンスは次のように記述されている:
WWWCはフリーソフトウェアです。配布、転載は自由です、特に許可を取る必要はありません。
これもFFFTPと同じ理由でオープンソースソフトウェアでもフリーソフトウェアでもない。念のためソースを取得してライセンス文書を探してみたが、上の1行以上の記述はどこにもなかった。MD5ハッシュのアルゴリズムについて、RSAのCopyright Noticeが記載されていた程度だ。
誤解を招かないように書いておくが、ワタシはなにもFFFTPやWWWCの作者を批判しようというのではない。これらのソフトウェアは記載された条件の下で使用可能なのであって、別に彼らがフリーソフトウェアの定義やオープンソースの定義に従わなければならない義理もない。彼らは彼らのライセンスでソフトウェアを配布すればいいのだ。彼らにはそうする自由がある。…そりゃまあ、フリーソフトウェアと言うからにはGPLコンパチなライセンスで配った方が混乱も少ないだろうけど。
問題はこれを「FSFのフリーソフトウェア定義に準拠」や「OSI定義のオープンソース」に、間違った推定で区分してしまうヒトだ。
その行為はこれらのソフトウェアがGPLコンパチなライセンスやオープンソースの定義に沿ったライセンスで配布されているという誤解を招く。結果、改変版を配布したり、派生ソフトウェアを公開するヒトが現れるかもしれない。ライセンスで許可されていないにもかかわらず。
…これは、OSI、FSF、ソフトウェアの開発者、の3者、誰にとっても不幸なことだ。もちろん、余計な混乱に巻き込まれかねない、これらソフトウェアの利用者たちも不幸になりうるだろう。
間違った「推定」とやらでソフトウェアをカテゴライズするのはやめてもらいたい。
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