kahoの日記: 『野中広務 差別と権力』
日記 by
kaho
珍しく政治関連の書籍,魚住昭著『野中広務 差別と権力』を読んだ.
Amazon.comの書評にもあるが,前半の差別と戦いながら成り上がる部分と後半の国政の場での活動とでは全く異なった印象を抱かせる内容だった.
差別される側の痛みを知り,融和のために働く前半はある種感動的なドラマであるが,後半は日本の政治にもたらした悪影響の方が目につく.
野中氏の行動は政治構造を改める方向には全く寄与せず,パラダイムの固定化や旧体制の復古を行っているのであって,社会の構造が大きく変わろうとする/変えなければならない場面においては大きな障害となってしまう.
意地悪い言い方をすれば彼が政治基盤としてきた京都でさえ,制度の固定化がなされ,氏が理想とするはずの融和が進んでいるとは言えないのではないか.文中で差別発言をしたとされている麻生太郎氏の地盤である筑豊地区に比べればずっとましだと思えはするが・・・
本来対立する側は野中氏的な手法をはねつければよいことなのであるが,日本人の体質としてどうしても情にほだされ,握られた弱みに付け込まれてしまう.
こういった手法に対する防衛方法を身につけないと,いつまでたっても議会が言論の場にはならない.
野中氏の失脚を一つの契機として政策の立案プロセスがよりロジックベースになって欲しいものだ.
『野中広務 差別と権力』 More ログイン