kahoの日記: 初めてのハエのクローン化
日記 by
kaho
Nature Web Newsに昆虫での初めてのクローンが成功したというニュースがあった.
まだ行われていなかったのかという驚きと,哺乳類でできるくらいなのだから昆虫でできても驚くことではないのではという気持ちで読んでみた.
すると,クローン作成としては本当に初歩的な研究で,胚から取り出した核を他の受精卵に移植してクローンを作製したというだけのようだ.体細胞ですらないのでドリーのレベルにも達していない.
正直,ニュースとして報告すべきことなのかどうかもよく分からない.
体細胞クローンにおける最大の障害とみられているのはDNA/ヒストンのメチル化などによるゲノムインプリンティングなのだが,DrosophilaでもDrosophilaもゲノムインプリンティングを受けることは知られており,その制御ができたというのであれば大きなニュースだし,実験系としてDrosophilaが更に注目されるだろう.
ただしインプリンティングのシステムがヒトとは大きく異なるのでそのまま再生医療に役立つようには思えないし,今回は胚から取り出した核であり,単為生殖を行うことのできる生物であればそれでクローンが産まれるのはしごく当然の結果だ.核移植でのクローンの成功率も1%程度と高くなかったので,技術的に優れていることを示した報告でもなさそうだ.
この研究を行ったLloyd氏は上で示した論文の研究もしており,インプリンティングが当然視野に入っているはずだから,この系を使うことで哺乳類ではできなかったどのような研究ができるのかどうか,その具体的な見通しくらいは示して欲しかったところだ.
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