kahoの日記: パーキンソン病解明のための非分子生物学的方法 2
Nature Web Newsにパーキンソン病のデータベース構築のニュースが載っていた.
カリフォルニアでこれまでにない大掛かりなパーキンソン病のデータベース構築のため,新しいパーキンソン病の患者を診察したときにデータベースへの登録を求める法案にシュワルツネッガー知事がサインしたというもの.
このデータベースがユニークなのは,遺伝的な要因よりもはるかに環境要因について重きを置いているというところだ.
私は環境要因について調べる方法から遠いところにいるので知らなかったが,このニュースで指摘されているように,例えば農薬の影響が指摘されているのだと言う.
というか,医師の義務とするならば,このデータベースは遺伝型に関しての情報をもたない(カリフォルニアだけにプライバシーの問題があるから)のかもしれず,ある意味時代に逆行したデータベースになるのかもしれない.
パーキンソン病の原因遺伝子としてはParkinという有名な遺伝子もあるが,これが説明できるのはパーキンソン病の患者の1%程度で,今も原因遺伝子の探索がいくつもの研究室で行われている.そしてもっとマイナーな原因遺伝子は毎年のように報告されている.
決め手となる遺伝子等どうせ見つからないのだから,むしろもう環境因子の方に視点を移してしまえ,というのも考えの一つではあるのかもしれないが,遺伝型も両方記載しないと結局これもあいまいなデータがたくさんでるだけになりそうな気もする.
環境要因を決定するためにはそれこそ大量のデータが必要だし,期限を区切らないととてつもない予算の浪費になってしまいそうだが,どのようにするつもりなのだろうか.
パーキンソン病の環境因子やこのデータベースについてもう少し調べてみたいところだ.
ところでシュワルツネッガー知事のイニシアチブがどの程度発揮されたのかはわからないが,大統領選挙と同時に投票が行われて承認されたヒト幹細胞研究の推進であるとか,結構先進的だなあ,と思わされる部分がある.
シュワルツネッガー知事は強かった (スコア:1)
そこに有る物が何かを見るのは「見る側だ」、という部分で面白い経験をしていますので、ちょっと報告。
今、宇宙の余命が110億年から240億年に訂正された [mypress.jp]話へのアクセスが、多数のニュースサイトからのリンクによって何千という単位になっているのですが、 ほとんどの人がその記事だけを読んでいるのです。 同じくらいアクセスが有るスラッシュドット経由の場合、その分野の索引にほぼ同数のアクセスが有って他の記事に分散するのとは対照的な動きです。
記事自体は、yosuke氏の解説 [srad.jp]によって明言されている通り、特筆すべき物では無く、何故皆さんがこの記事を読みたがるのか良く判らなかったりします。(私には、超新星がヒトの進化を促した話の方が、同じ天体の話としてずっと面白い)
シュワルツネッガー知事が投票に関してキャンペーンを行い、その成立を左右した事などが報じられています [asahi.com]が、私達の「選択」が何によって作られているのか、と考えると少々怖い気がする状況です。
# モデレート精度を判定する為に、時折ACリンクを行ってみる神経質なヒトより
Re:シュワルツネッガー知事は強かった (スコア:1)
かなり強力だなあと思ったのはスウェーデンで大量の双子サンプルでインタビューによりパーキンソン病になった数を調べた結果,双子の罹患率に全く相関がなかったというものです.(一卵性と二卵性で発症率に差がないことは以前から知られていたようです)
家族性のパーキンソン病は何例か報告されており,それらは連鎖解析によって原因遺伝子の特定が行われていますが,そこで発見された遺伝子は散発性(=非家族性)のパーキンソン病患者では変異が見られないという報告ばかりでした.
農薬の被曝量などはは問診では不正確な情報しか得られないのに,と思っていたのですが,カリフォルニアのデータベースはそれでも何かアクションを起こさなければということなのでしょう.
しかし遺伝子との関連がないのであれば国ごとの比較でオランダが多いとか(コーヒーショップのせいか?)などから違いが分かるかもしれないと思うのですが,文化圏が違いすぎると統計の基準が異なってしまうので分からないのでしょうか.
kaho