kahoの日記: アオコが化石をつくる
ドイツ中部には第二次世界大戦のころまで石油の採掘場所だったメッセル・ピット化石地域という世界遺産にも登録されている場所がある.ここは始新世の化石が豊富にとれることで知られ,メッセルの化石と言われている.特にこの時期は哺乳類現存する目のほとんどが現れ進化の研究において重要な意味を持つ.
ここの湖の堆積物中にある化石は胃の内容物に至るまで非常に良く保存されているのだが,どうしてこれほどの量の動物がここで(ほとんど生きながら)死んだのかは謎だった.
これまでは火山ガスによって窒息したのだろうと考えられてきたが,火山ガスの性質上長期間にわたって存在するということは考えられず,他の原因があるはずだとされてきた.
Science Blogによると,どうやらこのような動物の大量死は一年の決まった時期におこっていたらしい.
化石となった雌馬のうち,妊娠していたものの胎児の発生段階はみな同じで,一年の決まった時期に死亡していることを示唆し,リクガメでは5ペアが交尾中に死亡していた(ちょっとせつなくなるが)ことはちょうど発情期にあたっていたことを示す.
これらの証拠は周期的に大量死が起こっていたことを想像させるが,その原因としてvon Koenigswald氏らはシアノバクテリアによるミクロシスチンではないかと考えているということだ.
ミクロシスチンはシアノバクテリアの開花時期に産生される物質で,現在でも野鳥などが被害にあうことがある.
メッセルの地層から青緑の堆積層があることから,これがシアノバクテリアの痕跡ではないかと考えると,シアノバクテリアの開花時期にミクロシスチンが発生し,そこにいる生物(たとえば湖の上を飛ぶコウモリ)がその影響で即効的に死亡して化石となったのではないかと考えたわけだ.
この仮説が検証されるにはメッセルにおいてシアノバクテリアが生息していたこと,それがミクロシスチンを生じることがあり得るということ(分解されているだろうがミクロシスチンが検出で切ればベスト)が示されないといけないが,火山ガスよりも有力な説だと思う.
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