kahoの日記: 終わりなき論争
またか,という気になるがNature Web Newsに遺伝子組み換え(GM)作物と生物多様性について.
GM作物をどう評価するかというのは未だに決着がついていないのだが,生産性や安全性といった観点とは別に生物多様性への影響という話なのだが,結局これも論争の種を蒔いただけのようだ.
GM作物を使用すると除草剤をまく回数と量を減らせるのだが,その分一度の除草剤の量が多くなる.そのような育て方が生物多様性に及ぼす影響をみたところ,多様性はむしろ増えていたが,GMでない方よりは少なかったという結果に.
この報告は「GM作物そのものよりも管理方法の方が問題とすべき」という話になっているようなのだが,そもそも農業という文化自体生物多様性と真っ向から反しているのだからわざわざややこしい話を更に面倒にさせることもないだろうに,という感想.それにGM作物自体は栽培方法を変えることが生産性の上昇の全てなのだからGM作物を導入して栽培方法は従来型,というのはあり得ない選択だ.
ということであまり主題としては面白くなかったのだが,取り上げようと思った理由はEUでのGM作物管理に関する規制の話が載っていたから.
ドイツでは緑の党のような急進的な環境保護派もいれば大規模な化学薬品会社もあるところだから,どちらになっているのかと思ったら,「非GM作物の畑の作物がGM作物によって汚染された場合の責任をGM作物の生産農家がとる」という規制が11月の26日に成立したらしい.
これに対してはGM推進派は反対し,隣で栽培しても殆ど影響はないという研究を引用したりして反論しているが,実際種をとるための作物と収穫を得る作物の畑が離れていれば汚染はなさそうだ.しかし無限に広がる可能性のある責任をとらされるかもと思えばGM作物をつくりたいと思う農家は殆どないだろう.
こういうヨーロッパ人的いやらしさで実質的に禁止するドイツに比べ,フランスはまだまったく規制を行う気配がないらしい.
農業国だけに関心がありそうだと思ったのだが(きっと急進的に反対すると思い込んでいた),その逆の面を見て意外だった.輸出のことを考えて誰もGM作物を使おうと考えていないからなのかもしれないが.
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